ユウキズ・ダイアリー

アニメ・映画・ゲームについての雑記

アニメ

失なわれたものと残った輝き 映画『君たちはどう生きるか』レビュー

見終わった印象は「宮﨑駿も楽しい夢を見せられなくなったのか」という残念さと諦念と、けれどどこか清々しさをも入り混じるものだった。 7月14日に公開された宮﨑駿監督・スタジオジブリ最新作『君たちはどう生きるか』は、事前PRなしという異例のPR戦略の…

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』と『GのレコンギスタⅣ』が出るのでSONYの65インチ有機ELテレビBRAVIA「XRJ-65A80K」とサウンドバー「HT-A5000」を買ったら最高の一人暮らしが始まった件

今年2月に劇場版Gレコシリーズ最高傑作『GのレコンギスタⅣ』のBDが、3月には『GのレコンギスタⅤ』のBDと、待ちに待った『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の4K UHD BDが発売! とはいえ15年前に買い揃えた視聴環境でこれらの最高映像を堪能するのに無理を感じ…

【2023年冬クール】今期アニメはこの3本

『お兄ちゃんはおしまい!』 『Go!プリンセスプリキュア』や『無職転生』の圧倒的アクション作画が印象深いアニメーター藤井慎吾の初監督作。非常にフェティッシュでキワどいシーンが多いので決して万人向けの内容とは言えないが、細やかな日常芝居には惚れ…

話数単位で選ぶ、2022年TVアニメ10選

『鬼滅の刃 遊郭編』第8話「集結」 絵コンテ・演出:高橋 賢 / 総作画監督補佐:坂東美佳、佐藤美幸 / 作画監督:佐藤哲人、藤原将吾、緒方美枝子、秋山幸児、茂木貴之、塩島由佳、永森雅人、外崎春雄 後半のアクションシーンはHDDが擦り切れるまで見た。 …

『すずめの戸締まり』試写会レビュー ―新海誠の挑戦と覚悟

明日11月11日から公開される新海誠監督の新作映画『すずめの戸締まり』を、一足早く完成披露試写会にて見させてもらった。公開前なので極力ネタバレを避けつつ、魅力を伝えたいと思う。 あらすじ 宮崎に住む女子高生・すずめが、廃墟にたたずむ謎の扉を発見…

今期アニメはこの3本―2022年秋クール

今期は注目作が多いので書くまでもない気もしつつ、新作アニメをだいたい全部見たのでオススメ作を書いておく。 機動戦士ガンダム 水星の魔女 既に話題沸騰中な『機動戦士ガンダム 水星の魔女』はやはり推しておきたい。『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェン…

『Gのレコンギスタ』のポスターを額装するとQOLが上がる

先日、映画『GのレコンギスタV 死線を越えて』のスタッフトーク付き上映会に参加した。演出・吉沢俊一氏による「GレコⅣには多数の没シーンがあった」というトークは大変刺激的だったのでぜひ下記レポートを読んでもらいたいところだが、 富野監督「このシー…

『GのレコンギスタⅣ 激闘に叫ぶ愛』が新規戦闘シーン追加というタブー破りをした理由

劇場版「Gのレコンギスタ」シリーズ最新作『GのレコンギスタⅣ 激闘に叫ぶ愛』が公開された。各媒体に掲載されていたインタビュー記事から新規カットが非常に多いという情報を得ていたので全5部作の中で最も期待していたのだが……あまりの出来に思わず感涙させ…

今期アニメはこの3本―2022年夏クール編

2022年夏クールのアニメ新番組をだいたい全部見たので注目作を紹介してみる。 ちみも 1本目は『ちみも』。人気イラストレーター・カナヘイがキャラクター原案ということでファミリー向けのゆるふわアニメと思いきや、1話目のサブタイトルからして「地獄のは…

疾風怒濤の勢いは逆シャアレベル!『GのレコンギスタⅢ 宇宙からの遺産』がTV版より面白い理由

劇場版『GのレコンギスタⅢ』「宇宙からの遺産」を見てようやく腑に落ちた。「ああ、Gレコってこういう物語だったのか」と。映像の圧縮と芝居の方向付け、そして何よりドラマの肉付けによってTV版より格段に面白くなっている。齢79歳にして、まだまだ庵野にも…

『竜とそばかすの姫』と脚本の完成度

細田守監督の最新作『竜とそばかすの姫』を見て最初に感じたのは脚本の完成度の低さだった。 近年の細田監督作品では毎度のことなのだが、大風呂敷を広げる割に設定が穴だらけで、キャラクターも明後日の方向に走り出してしまう。 そもそも「U」の世界は50億…

『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』を見る前に覚えておきたい新旧エヴァ用語集

『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』の理解を深めるために考察サイトを巡っていたらもひんこさんによる「エヴァ考察」が大変腑に落ちたので、自分用メモとして用語別にまとめてみた。 引用、参考にさせていただいた記事 【エヴァ考察第1章】エヴァという物語…

神アニメーターオールスター映画としての『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』

新劇場版ヱヴァンゲリヲンシリーズ(以下新劇場版シリーズ)ではこれまでも多くの有名アニメーターが参加していたのだが、『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇(以下シン・エヴァ)』のメインスタッフが発表された際には驚かされた。作画監督陣が一斉チェンジし…

今からでも間に合う! 庵野秀明作品配信サイトリンク集

庵野秀明監督作品マラソン記事を前回書いたのだが、「DVD、BDなんて高くて買えねーよ」という声が聞こえてきそうなので補足としてアニメ系主要配信3サイトのリンク集を貼っておく。全部とは言わないが、大部分は配信サイトで補完されているので安価で視聴可…

シン・エヴァンゲリオン公開(延期)記念! 庵野秀明監督作品全部見る

トップをねらえ!ってアニメ面白いな…(劇場で4話まで見た — ゆうき (@yukkii22) 2020年12月4日 トップをねらえ!を劇場で見たのでシンエヴァに向けた庵野秀明作品巡りをはじめようかと。まずはナディアから。序盤しか見たことないので今回ほぼ初視聴。今月…

話数単位で選ぶ、2020年TVアニメ10選

年末恒例企画「話数単位で選ぶ、2020年TVアニメ10選」。今年は「aninado」さんが引き継ぐとのことなので懲りずに参加してみる。 過去記事:2019年、2018年、2017年、2016年、2015年、2013年 今年選んだのは以下10本 映像研には手を出すな! 第3話「実績を立…

君の名は。ブームの終着点『君は彼方』を見てはいけない

『君の名は。』ファンとして気になる映画が先週末から公開している。『君は彼方』だ。なぜ気になるのかは予告編を見れば明らかだと思う。 映画『君は彼方』予告60秒映像 タイトルのみならず、映像までも明らかに『君の名は。』『天気の子』を意識しすぎであ…

『攻殻機動隊 SAC_2045』感想――期待される「SACっぽさ」は描かれたのか

4月23日16時より、NETFLIXにて『攻殻機動隊 SAC_2045』全12話の配信が始まったので早速視聴。配信前に見た予告映像により期待値は下がっていたのだが……、実際見てみると意外や意外、これがかなりの面白さ。 ただし「SACっぽさ」が出てくるのは7話以降。1話だ…

『GのレコンギスタⅡ』「ベルリ撃進」公開初日レビュー

劇場版『GのレコンギスタⅡ』「ベルリ撃進」が本日2月21日より公開された。早速チネチッタ川崎のLIVE ZOUND+4Kレーザーにて観賞した。 本作は2015年に放映されたTVアニメ『ガンダム Gのレコンギスタ』の劇場用編集版の第2作目。1作目の『GのレコンギスタⅠ』…

話数単位で選ぶ、2019年TVアニメ10選

見たアニメを懐かしみ、見ていないアニメを悔やむこの季節がやってきた。新米小僧さんの定例企画「話数単位で選ぶ、TVアニメ10選」である。 ひとまずリストアップのみ。後ほど各話詳細追記予定。1/7各話感想追記完了。そして集計結果もアップされた。新米小…

21世紀を生きるボクたちのSFー映画『HELLO WORLD』

「気持ち悪かった!」 というのが映画『HELLO WORLD』観賞後の飲み会で感想を求められた時に口をついて出てしまった一言。決して悪い意味でなく。 hello-world-movie.com 『HELLO WORLD』は9/20に公開された劇場用アニメーション映画。監督は『ソードアート…

富野由悠季とは何者なのか?ー劇場版『Gレコ』や新企画の情報も飛び出した『富野由悠季の世界』オープニング記念トーク&展示会レポート

祇園山笠の準備でにわかに活気付く博多駅前ーそこから電車で15分とほど近い福岡市美術館にて、巡回展『富野由悠季の世界』が6月22日より始まった。幸運にも応募倍率6倍にもなったというオープニング記念トーク「富野由悠季とは何者なのか」に参加することも…

原作超えの奇跡体験―映画『海獣の子供』感想

6月7日より公開された映画『海獣の子供』を観賞したらあまりの感動に居ても立ってもいられず気づいたら水族館に来てしまった。 今回はここ、神奈川県江ノ島の新江ノ島水族館からお届けする。 月刊IKKIで連載されていた五十嵐大介による漫画『海獣の子供』を…

公式が解釈違い『機動戦士ガンダムNT』

11月30日から公開となった映画『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』を見た。 ガンダムの完全新作映画としては『機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』以来の実に8年ぶり4本目となる(テレビシリーズの映像をベースにしたものやOVAの劇場公…

『フリクリ プログレ』は誰がためのフリクリか

また懲りずに期待を込めてフリクリTシャツで挑む著者近影 映画『フリクリ プログレ』が9/28に公開された。本作は2000年から2001年に発売された前6巻のOVA『フリクリ』の続編企画として制作された映画のひとつで、内容的にもOVA『フリクリ』の続きとして描い…

息づくスタジオジブリのDNA 映画『若おかみは小学生!』

この卵焼き作画がすごい2018(本予告のキャプチャーより) 10年も前にDVD屋でバイトをしていたころに「スタジオジブリ作品と勘違いされる映画No.1」の地位に燦然と輝いていたのがマッドハウス制作・高坂希太郎監督による『茄子 アンダルシアの夏』だった。 …

退屈なカットに拙いドラマ。ツギハギ・ハリボテ『フリクリ オルタナ』

耐え難きを耐える苦痛の135分。まさかフリクリの名を冠する新作に、こんな気持ちにさせられるとは……。 新品のフリクリTシャツを着て映画館に駆け付けた私の心を返して欲しい 映画『フリクリ オルタナ』の劇場公開が始まった。本作は2000年〜2001年にリリース…

17年目の『カウボーイビバップ 天国の扉』

声優の石塚運昇さんが今年8月13日に亡くなられた。最初に頭に浮かんだのはアニメ『カウボーイビバップ』のジェット・ブラックの顔。山寺宏一さん演じる賞金稼ぎスパイク・スピーゲルの相棒で、仲間想いの元刑事。石塚運昇さんの渋くてどこか親しみのある声が…

フミコの告白take.3『ペンギン・ハイウェイ』

森見登美彦原作、スタジオコロリド初長編映画となる『ペンギン・ハイウェイ』が8月17日から公開されたので早速初日に観賞した。 スタジオコロリドを率いる石田祐康監督は京都精華大学在学中に制作した短編アニメ『フミコの告白』で一躍注目を浴び、スタジオ…

俺たちはいつも原作が先かアニメが先か悩むけれど『PERSONA5』は先にゲーム版に触れてほしい

原作を先に読む/遊ぶか、原作には触れずに映像作品を見るかといった問題をメディアミックス作品と対峙する時にはいつも悩まされる。がこと『PERSONA5』に関してはゲーム版に先に触れてほしいと『PERSONA5 the Animation』の第1話を見て感じた。 『PERSONA5 t…