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疾風怒濤の勢いは逆シャアレベル!『GのレコンギスタⅢ 宇宙からの遺産』がTV版より面白い理由

劇場版『GのレコンギスタⅢ』「宇宙からの遺産」を見てようやく腑に落ちた。「ああ、Gレコってこういう物語だったのか」と。映像の圧縮と芝居の方向付け、そして何よりドラマの肉付けによってTV版より格段に面白くなっている。齢79歳にして、まだまだ庵野にも細田にも負けないぞと鼻息荒く現場で暴れ回る富野由悠季監督の"伊達じゃなさ"をフィルムを通して見せつけられたようだ。

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Gのレコンギスタ』はそもそも2014年から2015年に放送したTVアニメシリーズで、劇場版はそれを再編集して全5部作にしたもの。現在は3作目にあたる『GのレコンギスタⅢ』が公開中だ。『機動戦士ガンダム』など過去のガンダム作品も度々総集編映画が作られてきたが、今回は元々が全26話と少なく、映画も全5本と多いおかげでダイジェスト感は薄く、総集編というよりは再編集版・ディレクターズカット版とでも呼ぶべき作りになっている。

Gレコの舞台は初代『機動戦士ガンダム』で描かれた宇宙世紀の遥か未来にあたるリギルド・センチュリー宇宙エレベーターを守る警備兵候補生である主人公ベルリ・ゼナムが、ガンダムGセルフ」を駆る女海賊アイーダ・スルガンからの強襲を受けることから物語は始まる。ひょんなことから海賊に参加してしまったベルリが恋に目覚め、血の宿命に苦しみながら宇宙の果てを目指し、一触即発の宇宙戦争に向き合う、というのが全体のストーリー。

……と一息に書けばシンプルに聞こえるが、富野監督らしい独特のネーミングのキャラクターや専門用語は26話で扱うにはあまりにも膨大な量で、一瞬でも見逃せば置いて行かれること確実。さらにセリフの応酬はコミュニケーションが成立しているのか怪しいすれ違いっぷりで、一度見ただけでは全体像を把握するのも困難という挑戦的な作品だった。

特に今回の『GのレコンギスタⅢ』のベースとなっているTVシリーズ12話~18話はGレコを象徴するかのようなカオスっぷり。月に住む第3勢力が登場したことで以前の敵とも共闘するし、ともすれば月の民とも協力してごみ拾いを始めるしで、一体誰が敵で味方なのか、物語はどこへ向かうのかと混乱させられるものだった。おそらくこの辺りで視聴を断念した方も少なくないだろう。

 

  • 逆シャア』並みの疾走感がカオスをねじ伏せる劇場版

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以前のレビューでも書いたように『GのレコンギスタⅠ』『GのレコンギスタⅡ』の時点で、TVシリーズよりわかりやすくなっていた。セリフが整理され、ベルリとアイーダを中心にシーンを足すことで共感しやすい主人公像が見えつつあった。ただどうしても複数話を無理やりつないでパッケージングした感が否めず、映画として見たときの統一感・満足感はもう一つというところだった。

そこに来て『GのレコンギスタⅢ』は、突然"映画"に化けた。大きな要因は2つある。まずベルリとアイーダの生い立ちを巡る追加シーン。このシーンでベルリはストレスを吐き出し、アイーダとの和解を果たすことができた。TVシリーズではストレスを溜め込んで暴走し、一視聴者としてあまり好感を持てないキャラに成り下がっていったベルリが全部吐き出したのである。アイーダもまた、TVシリーズではベルリの事を嫌ってるのか好いてるのか何も考えてないのかよくわからない女だったのが、ちゃんとベルリを受け入れるのである。TVシリーズ最終回まで至ってもモヤモヤしてよくわからなかった二人の関係性に一つのピリオドを打ったのだ。

もう1つの要因は映像の圧縮・芝居の方向付けによる疾走感である。『GレコⅠ』『GレコⅡ』でも削除シーンは複数個所あるもののそれほど多くなく、そのためにTVシリーズ各話を繋いだだけというか、映画としてのまとまりに欠けるところがあった。ところが『GレコⅢ』に至ってはまるまる削除した戦闘シーンや(12話のマスク戦)、複数の戦闘シーンをひと繋ぎにまとめたシーンもあり(17話と18話)、映画としてのまとまりが生まれている。

また疾走感を生んでいるのが上手(画面向かって右)から下手(向かって左)への芝居の流れだ。かねてより富野監督は上手と下手を意識した自身の演出論に基づき映像作品を制作してきたが(詳細は『映像の原則』として著書にまとめられている)、芝居の流れが生まれるのはあくまでカット単位、シーン単位に限るものだった。それが『GレコⅢ』では、冒頭から地球を上手に宇宙へ突き進む戦艦メガファウナを描き、終盤では下手の巨大戦艦クレッセントシップ目がけてばく進するメガファウナを描くことで、映画全体を貫く上手から下手への明確な芝居の流れが発生している。TVシリーズ第13話では月を目指して画面右上(上手)を指差すアイーダが印象的だったが、このシーンの削除も上手から下手への流れを妨げないよう意図したものだろう。この疾走感は『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』『イデオン 発動編』にあった一種のグルーブ感さえ生み出しており、そこが本作に"映画"を感じる所以だ。

 

  • 新規カット大増量となる4作目への期待

ここまで褒めちぎったがもちろんもの足りないところはある。疾走感で無理やりねじ伏せているがカオスな展開は変わらないので、一度見たきりではキャラクターも専門用語も把握し切れないことだろう。またあくまでTV版をベースに編集したものなのでイマイチな作画・美術は散見される(新規作画は体感2割程度)。

ところが次作『GのレコンギスタⅣ』は、インタビュー記事によるとかなりのパートが新規作画になることが明言されている(まるまる新規の戦闘シーンもあるとか)。宇宙の果て―金星圏でベルリとアイーダは戦争を防ぐための学びを得る……のがおそらく4作目のストーリーなのだが、TVシリーズではあまりに駆け足だったのでどんな学びがあったのか正直よくわからなかった。劇場版ではそこが新規カットにより詳細に描かれるのだろう。

本作で「行きて帰りし物語」である物語構造が明確になった『Gのレコンギスタ』。"わかりやすい"『GレコⅠ』『GレコⅡ』から”面白い”『GレコⅢ』になり、今や富野監督の演出力は全盛期に迫ろうとしている……いや今がまさに全盛期かもしれない。正念場となる次作はとんでもないことになるだろう。この奇跡に追いつくには、劇場公開中の今しかない。

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『竜とそばかすの姫』と脚本の完成度

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細田守監督の最新作『竜とそばかすの姫』を見て最初に感じたのは脚本の完成度の低さだった。

 

近年の細田監督作品では毎度のことなのだが、大風呂敷を広げる割に設定が穴だらけで、キャラクターも明後日の方向に走り出してしまう。

そもそも「U」の世界は50億ものユーザーにどう利用されてるのだろうか(『サマーウォーズ』の「OZ」と違うの?)。そしてなぜ誰しもが執拗に竜とベルの正体を詮索するのか。

終盤、なぜすずはあんな大げさなことをしたのか(画面越しに歌えばよくない…?)、一人で駆け出すすずをがん首揃えた大人たちがなぜ一人も止めないのか、なぜ街中で彼らを闇雲に探しだして見つかると思うのか。

疑問が尽きない脚本を書いているのは監督本人。書くべきことが書かれてないし、大勢のキャラクターを生み出しても活かしきれてない。脚本が詰め切れてないのはつっこむ人がいないからだろうか。

 

とはいえ脚本が雑であっても、この作品の魅力は他に十分あるとも思った。

Uのビジュアルは広大で吸い込まれそうになったし、そこで披露されるベルの荘厳な歌唱シーンには胸が高鳴った。

転じて高知の素朴な町並みと、そこで今を懸命に生きる高校生らのドタバタ劇や恋愛模様には日本映画らしい情緒を感じた。校舎内や駅舎での横パンを駆使した演出は細田守ここにありという演出で、氏の長年のファンとしてはもうそこだけでご馳走様という気分。

 

脚本の完成度については最近よく考えさせられる。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』を初めて見たとき「なんだこのひどい脚本は!!」と思ったものだけど、何度か見返していたらビジュアルのかっこよさは新劇場版シリーズ1ではないかと思うようになった。

Gのレコンギスタ』はコミュニケーションが成立していないシーンばかりで各キャラがどういう感情で動いてるのかさっぱりわからなかったけど、メカやキャラが個性的で、アクションがかっこいいので何度も見返すくらい好きになっていた。

ゴジラシリーズの近作『ゴジラS.P』はSF設定が高尚でぶっ飛びすぎてるし、逆に『ゴジラVSコング』はキャラクターが揃いも揃ってバカしかいないと振れ幅が広すぎる。でも『ゴジラS.P』は中サイズの怪獣バトル描写が新鮮で、釘宮・久野の達者な声の芝居にも毎週楽しませてもらった。『ゴジラVSコング』は怪獣同士の超巨大バトルがゴジラシリーズ1と言いたいくらい痛快で楽しい。

 

『竜とそばかすの姫』の話に戻ると、脚本の穴以上に好きな点が多いので満足できるものだった。大スクリーンに映える映像としての完成度は、細田監督作品で一番なのは間違いない。

映像作品において脚本はもちろん大事な中核だけど、全てではないし、そればっかり気にしていると他の良いところが見えなくなってしまう。もちろん自分にも許せる限度はあるし、その許容量は人によってまちまちだというのも理解している。ただ、他に良いところがあれば評価することを忘れないようにしたい。

 

巨大ロボットをその目で見て、考える――「富野由悠季の世界」青森会場レポ

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アニメ監督・富野由悠季をフィーチャーした展示会「富野由悠季の世界」の最後を締めくくる青森会場に先日行ってきた。これまで福岡会場に2度、神戸会場に1度行ったのでこれで4度目となる。 

なんで何度も通っているのかというと、各美術館の大きさやスケジュールの都合で展示内容に微妙な変化があり、またあまりに物量が膨大なので行く度に新しい発見があるからである。特に今回の青森会場は青森県立美術館学芸員・工藤健志氏の肝いりで、他会場にはない展示が多数展開されていると聞いて何としても足を運びたかった。

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なお「富野由悠季の世界」は工藤健志氏及び、島根県立石見美術館の川西由里さん、静岡県立美術館の村上敬氏による視覚文化研究チーム・トリメガ研究所が中心になって、さらに福岡市美術館兵庫県立美術館富山県美術館を巻き込んで開催されたもの。東京で開催されないのもやむなしである。

 

さて青森会場の特徴はなんといっても、青森県立美術館の天井の高さを活かした「巨大ロボットの大きさを実感させる」展示だろう。『逆襲のシャア』展示エリアには劇中にも登場した「リ・ガズィのダミーバルーン」の実物大胸像が展示されており、圧倒され、じっと見惚れてしまった。

高さ4mもの∀ガンダムターンXのパネル展示も圧巻だったし、これらだけでも撮影可としてほしかった……!

 

またイデオンの展示ブースが他会場より拡大しており、演出やシリーズ構成にまつわるメモがイデオンフロア中央に大量展示。この日のためにイデオンのテレビシリーズから劇場版まで予習した直後だったのもあり、これまでの会場とはまったく違い、感慨に耽りながら見ることができた。

青森会場のイデオンへの力の入れようはリーフレットからもうかがえる。

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リーフレットその1。入りきらないイデオンの脚をあえて入れることでサイズ差を表現。

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リーフレットその2。ユウキ・コスモの横に、他会場のキービジュアルにはいなかったキッチ・キッチンの姿が。

 

そして最終展示コーナーもまた青森会場独自のもの(他会場は『Gのレコンギスタ』で締めていた)。概念としての富野由悠季を表現した立体アート、とでも呼べばいいだろうか。気づいたら閉館間際になっていたのでじっくり観賞できず惜しいことをしたが……、それもまた富野展らしい体験だと思いたい。

 

富野由悠季監督の作品群に改めて触れ、生きる活力を注入された気がする。コロナ禍が納まらない微妙な時期ではあるが、やはり行ってよかった。

青森での開催は残念ながら5/9までとなってしまうが、実はこれが最後ではなく、他会場に展開されるという噂もある。まだまだ多くの人に"富野由悠季の世界"に触れてほしいと思う。

 

【写真いろいろ】

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大きい富野さん

 

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複雑な観賞順路。途中でシャガールが目に入るのがミソ

 

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シビれるチケットデザイン(WEB予約限定ver.)

 

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『Gレコ』ベルリ役・石井マーク氏とアイーダ役・嶋村侑さんのサイン。リ・ガズィバルーンには富野監督のサインが書き添えられていた。

 

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美術館併設のカフェで食べた「青森県産牛と青森産りんごのビーフカレー」はめちゃ美味い。

 

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ついでに行った弘前城も桜が満開で美しかった。またゆっくり観光に伺いたい。

 

【参考リンク】

富野由悠季監督と樋口真嗣監督の対談(5/9までの限定公開)

youtu.be

シャガールからアニメと実写の関係までさすが話題が幅広い。キングゲイナーのOPを見てはにかむ富野さんがかわいい。

 

・矢田喜多さんのレポ漫画

 

庵野秀明監督の「エヴァはロボットアニメ」発言に言及する富野由悠季監督

b.hatena.ne.jp

 

工藤健志学芸員のマニアック対談

www.youtube.com

 

・「富野由悠季の世界」公式サイト

www.tomino-exhibition.com

 

青森県立美術館公式サイト

www.aomori-museum.jp

 

・福岡展レポ

yuki222.hateblo.jp

 

・神戸展レポ

yuki222.hateblo.jp

 

 

『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』は庵野秀明の匂いがするから好きという話

もう4回目になる『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』の話だが、今回は「庵野秀明の匂いがするから好き」という話をしたい。

 

そりゃ当たり前だろうと思うかもしれないが、新劇場版シリーズは庵野総監督の匂いが希薄だと思って見てきた。

庵野総監督の作風にはいろいろな見方があるだろうが、個人的には

  • ロマンあふれるSFマインド
  • 理屈抜きにかっこ良さを追求したアニメーション
  • 既存のアニメ文法から逸脱した手法
  • 監督自身の深層心理の発露

の4点だと思っており、このあたりが良い塩梅に煮詰まった『トップをねらえ!』~『彼氏彼女の事情』期の庵野作品が好みどんぴしゃだった。

 

ただ新劇場版シリーズを見ていったとき、

『ヱヴァ:序』は後半のヤシマ作戦の絵コンテを担当した樋口真嗣さんお得意のSF×軍事作戦感が印象的だし、

『ヱヴァ:破』は軽妙なノリとメリハリのあるアクションが鶴巻和哉監督の作風だし、

『ヱヴァ:Q』の邪悪で退廃的な世界感はイメージボード、デザインワークスも手掛けた前田真宏監督の映画だと思った。

それぞれの作品に庵野総監督の意思はもちろん感じるのだが、自身の作風は表に出さず、むしろ上記のメインメンバー及び周囲のスタッフを立て、名刺代わりになるよう、敢えて抑え込んでるように思えてならなかった。

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鶴巻和哉監督によるエヴァカレンダーイラスト

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こちらは前田真宏監督のエヴァカレンダーイラスト。イラスト1枚からも両監督の作風の違いがうかがえる。

 

それが『シン・エヴァ』に至っては、庵野秀明が解放されていた。

見たことないようなアクションシーンはおなか一杯になるまで見せてくれるし、バーチャルカメラも使用しながらプリヴィズから画コンテを起こしたという制作手法は従来の国産アニメの作り方から逸脱している(バーチャルカメラは『ライオンキング(2019)』や『マンダロリアン』でも使用されており、ディズニー+配信中の『マンダロリアン』メイキング映像でその手法が確認できる)。

そして『トップをねらえ!』はじまったか?とさえ思わされるSFワードの乱舞に、危うい心理描写である。これこそ見たかった庵野秀明映画だ!と終盤は拍手喝采したい気持ちでいっぱいだった。

 

世間では「庵野は変わった」なんて声も聞こえてくるが、むしろブレない、もしくは基本に立ち返った、庵野秀明総監督の姿を『シン・エヴァ』で見ることができた気がする。

今日話したかったのはこれぐらい。

 

『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』を見る前に覚えておきたい新旧エヴァ用語集

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『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』の理解を深めるために考察サイトを巡っていたらもひんこさんによる「エヴァ考察」が大変腑に落ちたので、自分用メモとして用語別にまとめてみた。

 

引用、参考にさせていただいた記事

【エヴァ考察第1章】エヴァという物語とは?アニメ版と新劇場版から紐といてみた|もひんこ|note

【エヴァ考察第2章】アニメ版と新劇場版の設定の違いを徹底解説してみる|もひんこ|note

【エヴァ考察第3章】前編:空白の14年間、破とQの間に何が起こったの?|もひんこ|note

【エヴァ考察第3章】後編:Qが分かれば全て分かるので謎を洗い出してみた|もひんこ|note

 

旧世紀版(TV版&旧劇場版)

※旧世紀版の用語の意味は必ずしも新劇場版と一致しないので要注意。とはいえ基本は同じなので押さえておいた方がいい。

白き月

・第一始祖民族が生命の種を運んできた月その1。

・南極の地下に埋まっていた。

・アダムと使徒の卵が入っていた。

 

黒き月

・第一始祖民族が生命の種を運んできた月その2。

・通常1つの星に1つの月しか飛んでこないが、地球には誤って白と黒ふたつの月が飛んできてしまった。

・箱根の地下に埋まってジオフロント(地下空洞)を形成。つまりNERV本部の地下に黒き月がある。

リリスが入っていた。

綾波顔のリリスが手に持っているビジュアルが印象的(旧劇場版)。

 

アダム

・南極の白き月に入っていた。

・第1使徒とも呼称される。

死海文書とロンギヌスの槍を持っていた。

・黒き月があとから飛んでできた衝撃(ファーストインパクト)で、使徒の卵と共に休眠状態に。

・ゼーレが2000年に南極で発見。ゼーレの実験中に光の巨人として目覚めるが身体はバラバラに。魂も分離。

・身体は胎児に戻されてベークライトで固化。魂は渚カヲルに移る。

・身体は加地さんが運んで最終的にゲンドウの手の平へ(旧劇場版)。

・第一始祖民族に生命の実を与えられたのでアダムベースの生き物(使徒)は永遠の命(S2機関)を持っている。

  

リリス

・箱根の黒き月に入っていた。

・第2使徒とも呼称される。

ジオフロントのNERV本部地下で磔にされている。

・魂は綾波レイに移されている。

・第一始祖民族に知恵の実を与えられたのでリリスベースの生き物(ヒト)は文明を築くことができる。

・TV版では当初アダムと呼ばれていたがそれはフェイク。カヲルくんも間近で見るまで気付かなかった。

 

リリン

リリスの体液が地球の水と混ざり合って誕生。

・人類のこと。

 

死海文書

・アダムが本来の姿に戻るための復元マニュアル。

・ゼーレが死海で発見したから死海文書。

・アダムとリリスが融合すると神と等しき存在となる儀式(インパクト)が起こること、ロンギヌスの槍の運用方法、2015年に使徒が目覚めアダムの元に還ろうとすることが書いてある。

・裏死海文書はゼーレが自分たちが本物の神になるために作った自作作業マニュアル。

 

使徒

・2015年に目覚める。

・アダムの元に還りたいだけでインパクトを起こしたいわけではない。

・箱根の地下にあるリリスをアダムと勘違いして向かってくる。

・TV版8話では加持さんが運んでいる本物のアダムに反応して襲ってきた。

 

エヴァンゲリオン

・基本的にアダムのコピーを素体に作られている。

・初号機だけはリリスのコピーを素体に作られている。

・2005年の起動実験で初号機のコアにユイの魂が取り込まれてしまう。

・2号機の起動実験でもアスカ母のアスカを想う母としての気持ちだけが取り込まれてしまう。不安定になったアスカ母はその後自殺。

 

渚カヲル

・アダムがセカンドインパクトでバラバラになる前に生んだ最後の使徒

・アダムの魂が入っている。

・アダムがヒト(リリン)の遺伝子との融合実験後に生んだので、本来アダムが持ちえない「知恵」も持っている。

・アダムの元に還れとゼーレからNERVに派遣されるが、インパクトを起こすのがゼーレの目的と気付き、裏切る。

 

綾波レイ

碇ユイのクローン。

リリスから取り出された魂が入っている。

 

インパク

・人為的なインパクトは、リリスベースがリリスに還る(もしくはアダムベースがアダムに還る)同種のみで行うインパクトと、アダムとリリスの異種が融合して起こる2種のインパクトがある。

・前者を起こすと、別種の生物が滅ぼされる。

・後者を起こすと、起こした側が神と等しき存在になる。

使徒は前者のインパクトを目的に、人類(ゼーレ&ゲンドウ)は後者を目的としていた。

・ゼーレ&ゲンドウは自分たちが主導権を握りたいので使徒をせん滅しようとしていた。

・アダム/リリスのコピーであるエヴァンゲリオンを、アダム/リリスの代わりにして起こすこともできる。

 

人類補完計画

・人類を完全な単体として人工進化させる計画。すなわちサードインパクトの実行。

・肉体はLCLに、魂は黒き月にまとめてリリスの元に還すことで完全な単体になろう、というもの。

 

ファーストインパク

・46億年前に黒き月の衝突で発生。

・黒き月の破片は地球の衛星(いわゆる月)に。

 

セカンドインパクト

・2000年9月13日に発生。

ロンギヌスの槍を使ってアダムを卵に戻す実験を行なおうとしたところアダムが暴走(光の巨人化)。実験で使用していたヒトの遺伝子と融合してインパクトが発生した。

・上記実験は2015年に目覚めるとされる使徒がアダムと接触してインパクトを起こすことを阻止するためにゼーレが行ったもの。

・何らかの要因でインパクトは中断された。

・南極の氷が溶けて海面は上昇。南極周辺海域は赤く染まる。

 

サードインパクト

・ゼーレ&ゲンドウが起こそうとした人為的なインパクト。

・ゲンドウが言うこと聞かなくなってきたのでゼーレは自分たちの言うことを聞く使徒(カヲルくん)を使って同種間のインパクトを起こそうとするが失敗する(第24話)。

・代案として初号機をインパクトの発生材料にするため強奪しようとした(旧劇場版)。

・手にアダムを埋め込んだゲンドウはリリスの魂を持つレイと合体しようとする。これがサードインパクトのトリガーとなる。

・ゼーレはインパクトに乗じて、初号機と量産型を使用して自らが神になる儀式を行おうとしたと思われる。シンジがデストルドー(死への衝動)に満たされ、それに伴いロンギヌスの槍が戻ってきて、エヴァンゲリオンも揃ったので(本来は初号機と量産型12体が必要だが9体で良しとした)、条件が成立。

サードインパクトが発生して人間はLCLに溶け、魂は黒き月へと集合するが、シンジが他人のいる世界を望んだことでストップ。シンジは地球に戻った。

 

碇ゲンドウ

・初号機に取り込まれてるユイに会い、ユイと共に神になるのが目的。

綾波レイの裏切りにより自分の思惑に沿ったサードインパクトは失敗。 

 

碇ユイ

・神に近い存在となり人類の生きた証を未来永劫残すことが目的。

・そのために魂を初号機に取り込まれた。

サードインパクトにより初号機ごと神となり宇宙へ旅立った。

 

ゼーレ

インパクトを起こして人類の原罪を償い、自分たちは神になることが目的。

・「人間とは不完全という悪」という思想を持っている。

サードインパクトにより神に近い存在となった。

 

 

新劇場版

リリス

・旧世紀版と同じくNERV本部地下で磔にされているが、旧世紀版とは違って最初からリリスと呼ばれている。仮面をかぶせられていない。

 

アダムス

・新劇場版にアダムはでてこない。代わりにアダムスと呼ばれる存在がある。複数いるからアダムス?

・アダムのコピーかもしれない。

 

碇ゲンドウ

・旧世紀版同様に碇ユイに会うのが目的か?

・神殺し(ゼーレ抹殺)も目的? 

・結婚前の姓も「碇」(旧世紀版は「六分儀」)。

碇ユイの旧姓は「綾波」に変更されている(旧世紀版は「碇」)。

 

ゼーレ

・人類文明を築いた。人類より上位の存在と思われる。

・旧劇場版のサードインパクトにより上位存在になった?

・上位存在なので人間の容姿がない。

・神殺し(自分らと同位もしくは更に上位の神の抹殺)が目的?

 

綾波レイ

・『ヱヴァ:破』の最後で初号機に取り込まれる。

・『ヱヴァ:Q』のアヤナミレイ(仮)はゼーレが作った綾波レイのコピー。ゲンドウは興味なし(『ヱヴァ:Q』コンテに記載あり)。

 

渚カヲル

・月の棺桶から出てきた。他の棺桶にもカヲルくんが入ってる?

・月には一筋の血のりがある。旧劇場版の最後でリリスの首からあふれ出て月を染めた血か?

・第1使徒と自称。つまりはアダムスの1人?

・『ヱヴァ:Q』では第12使徒の出現を契機に第1使徒から第13使徒に堕とされる。なぜ堕ちたのかは諸説あるが不明。

 

使徒

・旧世紀版と違って天使の名を冠していない。「第〇の使徒」とだけ呼ばれる。

・番号も容姿も旧世紀版とは合致しない。

 

エヴァンゲリオン

・名称にいくつかのルール分けがある。

・〇号機:零号機、初号機、2号機、3号機、4号機、8号機(NERV製だからか?)

・Mark.〇:Mark.6、Mark.4、Mark.9(ゼーレ製だから?)

・第〇号機:第13号機(NERV製かつ使徒が内蔵されているから「第」がつく?)

 

エヴァンゲリオンMark.6

・月のタブハベースで建造された。

・『ヱヴァ:序』最後に出てくるアダムス?はMark.6の素体。

 

エヴァンゲリオンMark.4

・Mark.4はネーメズィスシリーズシリーズとも呼ばれる。使徒っぽい異形な姿だが一応エヴァ

・『ヱヴァ:Q』ではコード4A、コード4B、コード4Cが出てきた。

・『ヱヴァ:破』でNERV第2支部にて消滅したとされる4号機をベースにしているのかもしれない。

 

マルドゥック計画

・北極で見つかった第3使徒を使って、使徒を人類の制御下に置こうとした実験。

・北極のベタニアベースで行われていた。

・暴走したのでエヴァンゲリオン仮設5号機が殲滅した(『ヱヴァ:破』冒頭)。

 

ネブカドネザルの鍵

・旧世紀版では加持さんはアダムを運んでいたが、新劇場版ではネブカトネザルの鍵なるものを運んでいた。

・加持さん曰く「予備として保管されていたロストナンバー、神と魂を紡ぐ道標」。

・何のロストナンバーなのか。使徒?アダムス?

・用途も不明。神殺しに必要?

 

インパク

・人為的に起こすためには、エヴァンゲリオンが「シン化」して「覚醒」しなくてはならない。

・旧世紀版のように人間の肉体をLCLにするのではなく「インフィニティ」にする。

 

インフィニティ

サードインパクトによって人類の大半がインフィニティ化しそうになった。

・インフィニティ化するとエヴァのような容姿になるが、サードインパクトが中断したことで首無しの半端な状態になってしまった(カヲルくん曰く「インフィニティのなりそこない」)。

・首無しなのはリリスの首が切られてサードインパクトが中断したから?

 

覚醒

エヴァンゲリオンが覚醒するには使徒のコア(S2機関)を取り込む必要がある。

 

ガフの扉

インパクトが発生すると空中に発生する同心円状の何か。扉の形をしているわけではない。

・4号機消滅の際の画像にもガフの扉らしきものが映っている。インパクトが起こった?インパクトを起こさずにガフの扉を開いた?4号機はガフの扉の先に行った?などいろいろ考えられるが詳細不明。

・ガフの扉の先に何があるのかも不明。

 

セカンドインパクト

・旧世紀版と違って南極周辺のみならず地球上すべての海域を赤く染めた。

・旧世紀版ではアダム1体が消滅したが、新劇場版ではアダムス4体が消滅している。

 

ニアサードインパクト

・『ヱヴァ:破』にて初号機が発動。

・初号機はエヴァ3号機暴走の際に使徒のコアが入ったエントリープラグをかみ砕いたことで条件をそろえた。

・初号機が綾波レイリリスの魂)を取り込んだことで発動。

エヴァMark.6のカシウスの槍によって初期段階で中断させられる。

 

サードインパクト

・『ヱヴァ:破』と『ヱヴァ:Q』の間で発生したと思われる。

サードインパクトにより全世界の大地が赤く染まり、人間の立ち入ることができない領域となった。

無人のままセントラルドグマへ投下されたMark.6がサードインパクトのトリガーとなった?

・初号機もトリガーとして使われたのかもしれない。

・何らかの要因で中断。

 

フォースインパク

エヴァ第13号機が第12の使徒(元Mark.6)を取り込んだことで発動。

・カヲルの自死、シンジの排出によってやはり中断。 

 

黒き月

・『ヱヴァ:Q』の最後にドーンと地表に出てきた。

・もはや旧世紀版のように球体ではない。

 

とりあえず以上。もっと詳しい情報が欲しい方は引用元を参照してほしい。

またここに掲載した用語は『新劇場版ヱヴァンゲリヲン:Q』までの情報を元にしたもので、推測も多分に含んでいる。『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』との齟齬があるかもしれないがその点は留意してほしい。

神アニメーターオールスター映画としての『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』

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新劇場版ヱヴァンゲリヲンシリーズ(以下新劇場版シリーズ)ではこれまでも多くの有名アニメーターが参加していたのだが、『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇(以下シン・エヴァ)』のメインスタッフが発表された際には驚かされた。作画監督陣が一斉チェンジしているのである。

本記事ではそんな作画監督陣を軸に、『新劇場版ヱヴァンゲリヲン:Q(以下ヱヴァQ)』から8年の時を経て移り変わったメインスタッフの変遷に注目してみたいと思う。(敬称略)

監督

いきなり作画の話から逸れるがまずはここから。当然、総監督は庵野秀明だが、彼の右腕である監督陣は3名。鶴巻和哉中山勝一前田真宏。……いつも監督として参加していた庵野監督の戦友・摩砂雪がいない!

どういう経緯で監督の椅子を降りたのかはわからないが、画コンテ案・イメージボード、プリヴィズヴァーチャルカメラマン、アクションパートヴァーチャルカメラマンとしてクレジットされていたので安心した。

新たに着任した中山勝一は、『新劇場版ヱヴァンゲリヲン:破(以下ヱヴァ破)』『ヱヴァQ』でも副監督を務めている(今作では副監督のクレジットはない)。そもそもTV版当時から原画として参加しているためエヴァ歴は長い。庵野秀明監督作『彼氏彼女の事情』第25話でも絵コンテ・演出を手掛けている。

あとの2人は今やお馴染みのメンツ。鶴巻和哉は新劇場版シリーズ全てで監督を務めており、『フリクリ』『トップをねらえ2!』『龍の歯医者』などガイナックス、カラーと庵野監督と共に手腕を振るってきた名将。庵野監督とは『ふしぎの海のナディア』からの縁。

前田真宏は『ヱヴァ:破』でイメージボードを担当し、『ヱヴァ:Q』からは監督に。『青の6号』や『巌窟王』監督のほか活躍は多岐に渡るが、ガンダムファンの間では『∀ガンダム』のマヒローをデザインしたことで有名だったりする。庵野監督とは『トップをねらえ!』からの縁。2人の『シン・エヴァ』内での苦労っぷりはパンフレットにて綴られているのでぜひ一読を。

 

脚本

もちろん庵野秀明である、が注目したいのは脚本協力の鶴巻和哉と榎戸洋二! 『フリクリ』『トップをねらえ2!』を手掛けた2人が脚本に参加しているというのがもう……本当に大好きなんだこの2作は。スタッフロールで一番涙腺決壊したのがここだった。再観賞時は2人の協力箇所を想像しながら見てみたい。

 

画コンテ

画コンテは鶴巻和哉前田真宏庵野秀明。画コンテ案・イメージボードは平松禎史樋口真嗣摩砂雪、吉崎響、松井祐亮、鬼塚大輔。

平松禎史はこれまでも新劇場版シリーズに度々参加してきたが、キャラクターデザインを務める呪術廻戦の大ヒットで再び注目を集めるベテランアニメーター。

吉崎響は後述する井関修一と共に『日本アニメ(ーター)見本市』一番のヒット作と言われるものの、あまりに下品でアプリからの閲覧不可をくらった『ME!ME!ME!』を手掛けた奇才。2人の活躍はNHK BSで放送された『庵野さんと僕らの向こう見ずな挑戦』でも見ることができる、が現在は配信されていない。今のこのタイミングで再放送されないものだろうか。

日本アニメ(ーター)見本市の第3弾「ME!ME!ME!」が肌色すぎてヤバイ あまりの内容にアプリからは閲覧不可 - ねとらぼ

庵野さんと僕らの向こう見ずな挑戦 日本アニメ(ーター)見本市 | NHK

 

作画監督

総作画監督はなんと『ヱヴァQ』の本田雄……ではなく錦織敦史! 『天元突破グレンラガン』のキャラクターデザイナー作画監督として名を馳せたのち『ヱヴァ破』『ヱヴァQ』にも参加したが、その後は『アイドルマスター』や『ダーリン・イン・ザ・フランキス』で監督を務めるなど大活躍。すっかりA-1 Picturesに身を捧げたのだとばかり思っていたので返ってきてくれて嬉しい。『シン・エヴァ』オフィシャルグッズのイラストはほとんどが彼の手によるものだ。昨日公開された主題歌の海外版LPジャケット果てしなくかっこいい。

www.phileweb.com

じゃあカラー所属の本田雄は何をしているのかというと、宮﨑駿監督に拉致られて『君たちはどう生きるか』で作画監督として参加中。いつだかの熱風で鈴木敏夫で語っていた。過去のジブリ作品とは絵のテイストが少々変わるとか。本田雄の参加については公式アナウンスこそ無いものの、ジブリだよりにも記載があるので間違いない。

君たちはどう生きるか作画監督本田雄くんが描き下ろした同作の重要キャラクターのイラストを基に、ケーキ屋さんがチョコレートで巨大なプレートを作り、ケーキ本体にセットしてユニークなケーキを作ってくれました。

「野中くん発 ジブリだより」2019年2月号 - スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

作画監督は井関修一浅野直之田中将賀、新井浩一という驚きの布陣。

関修一は前述の『ME!ME!ME!』作画監督をはじめ、NHKで放送された『龍の歯医者』では鶴巻和哉監督とタッグを組むなど注目のホープ。『シン・エヴァ』ではアヴァン総作画監督としてもクレジットされている(Amazonプライムビデオで公開中の冒頭のとこ)。

浅野直之は『おそ松さん』キャラクターデザインで絶大な支持を集め、昨年も『映像研には手を出すな』でやはりキャラクターデザインを務めたヒットメーカー。『おそ松』さん3期から外れたと思ったらまさかの『シン・エヴァ』参加中だったという話。カラー作品としては実は『パトレイバーREBOOT』にも参加実績あり。

田中将賀もやはり人気キャラクターデザイナー。『君の名は。』『天気の子』の大ヒットが記憶に新しい。錦織敦史とは『ダーリン・イン・ザ・フランキス』キャラクターデザインとしてタッグを組んでいた。

新井浩一は数々の名作に参加するベテランアニメーターだが新劇場版は初参加。関係性を見出すとしたら前田真宏監督の『青の6号』で作画監督の実績あり。

そしてメカ作画監督は金世俊。ガンダムファンに向けて説明すると『ガンダム00』以降ほとんどのシリーズ作に参加しており、メカのみならず『ガンダムTwilight AXIS』では監督・脚本・キャラデザ・メカデザ・コンテ・演出・作画監督と多才ぶりを発揮している。

 

原画・動画

このペースで名前をあげていくと何日あっても足りないので最後にさらっと。クレジットされてて嬉しかったのはやはりガイナックス時代から縁のある今石洋之とすしお両名。元ガイナックス高村和宏も『ストライクウィッチーズ』監督業で忙しいだろうに参加しているし、『彼氏彼女の事情』で動画から作画監督に大抜擢された逸話を持つ高橋裕一の名前まで。

一番の驚きはやはりFGOのCMシリーズを毎度手掛ける近年最注目のスーパーアニメーターコンビ榎戸駿・坂詰嵩仁の参加だろう。今後の活躍からも目が離せそうにない。

会社単位になってしまうが、立ち上げから間もないYostar Picturesが原画に、コントレール、株式会社ササユリが動画に参加している。Yostar Picturesはその名の通りスマホゲームメーカーYostarのアニメ製作部門でアズールレーンやアークナイツの美麗CMをものすごい速度で発表中。コントレールは『この世界の片隅に』の片淵須直監督が次回作のために立ち上げた新規スタジオ。株式会社ササユリはスタジオジブリで動画検査を務めた舘野仁美が立ち上げ、朝ドラ『なつぞら』のアニメパートを担当した会社。最近ササユリカフェを休業してその動向が気になっていたがここで見つけるとは。どの会社も今後の日本のアニメーションを支えるスタジオに成長するのは間違いないだろう。

 

最後に

私の知識の浅さから今回はアニメーターを中心に数名の名前を挙げるぐらいしかできなかったが、実際にはもっと数多くのセクションで何百人、何千人もの人間が関わって『シン・エヴァ』は作られている。

アニメの本質はもちろん本編にこそあるが、エンドロールに載る一つ一つの名前にも注目するのもまた面白い。その先にいる人や経歴に想いを馳せるのもまた一つのアニメの楽しみ方だ。ぜひ自分だけの"推しスタッフ"を見つけてほしい。

 

私とエヴァンゲリオンと『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』と、富野由悠季と

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3月8日に初日を迎えた『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||(以下シン・エヴァ)』。新宿バルト9にて、ほぼ初回の7:20上映回で見ることができた。

現時点での感想をストーリーの核心に触れずに書いてみるが、どんな感想であれネタバレに抵触すると思う人は今すぐ回れ右してほしい。

 

私とエヴァンゲリオン

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エヴァンゲリオンとは何だったのか。とても一言には言い表せないが、「自分との関係性を語りたくなる作品」であることは確かだ。

人それぞれにエヴァンゲリオンにまつわる色んな思い出があるだろう。私自身を振り返ると、決して幸せな出会い方ではなかった。何せTV放送当時は小学4年生。すごいアニメがはじまったと思ってと見始めたものの、こっちが期待しているのはかっこいいメカアクションだけである。後半になるにつれて多用される静止画やグロテスクな描写、見たくもない大人の恋愛模様、挙句のありがとう大合唱に理解が及ぶはずもなかった。

それでも兄と弟、そして水曜が定休日だった自営業の父とまで、夕方18:30に食卓を囲んで見ていたあの一時は、今思い返すとかけがえのない時間だった。普段子供の付き合いでしかアニメなんて見ない父は、あの時何を思って見ていたのだろう。聞いてみたかったけれど、そんな父ももういない。25年は長すぎた。私の人生の7割以上。大学を出て就職して、転職もした。環境は沢山変化したし、エヴァへの想いもその時々で変わってきた。

それでも今こうして、生きて『シン・エヴァ』公開を迎えることができたのは幸せなことだと思う。

 

私と『シン・エヴァ

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『シン・エヴァ』とは何だったのか。観賞前に立てていた予想は「エヴァンゲリオン27話」だ。

前作『新劇場版ヱヴァンゲリヲン:Q』は見た当初こそそのストーリーに困惑するしかなかったが、何度も見るうちに「TV版20話~旧劇場版(26話)までを構成し直したもの」と解釈することができた。とすると「シン」の名を冠する「シン・エヴァ」は誰も見たことがないその先を、『シン・ゴジラ』ばりの圧倒的エンタメパワーで描き切るに違いない!と確信に近い推測をしていた。

が実際のところ半分正解で半分はずれていた。圧倒的エンタメパワーは正解。見たことのない映像表現をこれでもかと繰り出される2時間半は興奮の連続だった。ストーリー予想ははずれていた。ここはあれか、ここはあそこか、と過去見てきた庵野作品に重ねられるものだった。ただそれも納得で、新劇場版製作開始時の庵野監督自身による所信表明に答えは既に書いてあったのだ。

エヴァ」はくり返しの物語です。
主人公が何度も同じ目に遭いながら、ひたすら立ち上がっていく話です。
わずかでも前に進もうとする、意思の話です。
曖昧な孤独に耐え他者に触れるのが怖くても一緒にいたいと思う、覚悟の話です。
同じ物語からまた違うカタチへ変化していく4つの作品を、楽しんでいただければ幸いです。

庵野秀明総監督『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』所信表明 : みんなのエヴァンゲリオン(ヱヴァ)ファン

『シン・エヴァ』もまた、繰り返しの物語だったわけである。ただ庵野秀明監督も、この25年で変化していないわけがない。旧劇場版のように自分を極限まで追い詰め、観客までをも巻き込むはた迷惑な裸踊りを今回は見せなかった。

多様なファン層それぞれが抱く「私とエヴァンゲリオン」という関係値に向けて、見たかったのはこういう話でしょ、こういうキャラクターでしょ、こういう画でしょ、こういう結末でしょ、と一個一個丁寧にお出ししてくるのである。25年前の私が見たかったメカアクションもたっぷり見せてくれたし、今の私が見たい庵野監督の個人的な思索もちょうどいい塩梅で見せてもらえた。監督の気分の変化によって、繰り返しの物語であってもまるで違う印象を与えるものに変容したのだ。

 

私と『シン・エヴァ』と『新約Zガンダム

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物語がクライマックスを迎え、庵野監督が見せる"過去作からの気分の変化"が最高潮に達したとき、ふと脳裏をよぎる作品があり、心の中で快哉を叫んでしまった。「これは正に新訳Zガンダムじゃないか!」と。

富野由悠季監督による『機動戦士Ζガンダム A New Translation(以下新訳Zガンダム)』はエヴァンゲリオン新劇場版シリーズ同様にリメイク"風"の作品であるが、主人公カミーユ・ビダンの気分をわずかに変えることで全く違うエンディングを迎えるというものだった。そもそもこの『新訳Zガンダム』こそ、エヴァンゲリオン新劇場版シリーズはじまりのきっかけの一つでもあった。

まず影響を受けたのは2005年に上映された劇場版『Zガンダム』だったそう。同作は、1985年当時の原画と、新たに05年に描きなおした新作のカットが融合した作品となったが、「富野(由悠季)さんが、絵のクオリティを気にしないと言うのがすごいと思ったんです。あれが売れてると聞いた時に、『エヴァ』もそうしてみようと。『Z』で大丈夫だったんだからエヴァも大丈夫じゃないのと思ったんです」と、決意したという。 しかし、その出来は「あまりにひどくて、これじゃお金が取れないと思った。そうしたら撮り直しか新作だねということになって。スタジオを作ることになって」と、現在の庵野監督が社長を務めるアニメ制作会社『カラー』が設立されたそうだ。

庵野秀明監督 新劇場版「ヱヴァ」年表見て涙!燃え尽きて死の直前まで行った思い出告白 - News Lounge(ニュースラウンジ

庵野監督が意識してか知らずのうちにか、『シン・エヴァ』もきっかけである『新訳Zガンダム』同様、「ちょっとした気分の変化が決定的な違いを生む」フィルムとなっていた。両監督のファンとしてはある種二人の合作を見た気がして嬉しい限りである。

(2021/3/10修正)

 

まとめ

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そんなわけで『シン・エヴァ』は、やはり旧来の作品をなぞる繰り返しの物語でありつつも、まるで印象が異なるものになっている。それは庵野監督自身の気分の変化によるものだろう。25年に及ぶ歴史の中で紡がれてきた、ファンみんながもつ「私とエヴァンゲリオン」に誠実に応える内容だった。

私自身この10年以上の間、「エヴァが終わるまでは死ねない」と心の支えに生きてきたので、見終わったらどんな気持ちになるか想像さえできなかったのだが、思いがけず富野由悠季ファン心にまで目配せしてくれたのだから言うことない。納得のできるケリのつけ方だった。今は憑き物が落ちたような、晴れやかな気分だ。 

もちろん死を望むわけではない。見終わったあと、頭に浮かんだのは『シン・エヴァ』サブタイトル「Thrice Upon A Time」……ではなくて、『トップをねらえ2!』の最終話サブタイトル「あなたの人生の物語」だった。庵野秀明監督は私に、私たちに、「これからは自分の人生を生きてみろ」と背中を押してくれたたように思えて仕方がない。そんな前向きなメッセージを感じられる『シン・エヴァ』というフィルムが、素直に好きだ。

 

庵野秀明監督、今までありがとうございました。でも、これでさらばとは言わないでほしい。重荷を降ろしたこれからの活躍が、一層楽しみです。