『Gのレコンギスタ』には「女の力でー!」というマニィ・アンバサダのセリフがある。というわけで(?)開催されたのが「女の力Day」という名の舞台挨拶第2弾だ。登壇したのはアイーダ役・嶋村侑、ノレド役・寿美菜子、マニィ役・高垣彩陽、そして富野由悠季総監督。
12月8日の1回目(上映後挨拶の回)に参加したので、聞き取りメモからイベントの内容を書き起こしてみる。録ってないので多少違うところがあっても勘弁を。
元気のG
嶋村:日曜日なのに仕事みたいな時間にありがとうございます。
寿 :おはようございます!(客席:「おはようございます…」)
もう一度!おはようございます!(客席:「おはようございます!)
元気のGですからね!よろしくお願いします。
高垣:元気のGで良い一日を送れるのではないでしょうか。「女の力Day」とはいいますが性別問わず、エネルギッシュにいきましょう!
(監督うちわに迎えられながら監督登場)
富野:満席近くになると思ってなかったので、来てくださってありがとうございます。この歳になるまで褒められたことないので嬉しいです。
ありのままの芝居
――上映を迎えていかがでしょうか?
寿 :ここまで歩んでこられて、こうして劇場でまた会うことができてありがたい気持ちです。
高垣:収録してから2、3年経ってるので、改めてこの日を迎えることができて良かったなと思います。
あとダジャレが好きなので。印象的なマニィのセリフがイベント名に使われて嬉しいです。誰が作ったんでしょうか。
富野:(席一列目の関係者を指して)彼ははじめて褒められました笑
――演技のこだわりや難しかったところは?
富野:あるわけがないですよ。それなりに性格を調べたうえで役をあてたんだから。そのままでやってもらえればいいんです。
高垣:オーディションはマニィ役で受けたわけではなかったんです。
その時富野さんからは「あなたのままで、芝居しないで」と言われて、思うままにやってみたら「少しは芝居してくれよ」と言われてしまって笑 芝居とは何かと悩みました。
アニメはたくさんのフィルターを通したものになるけど、役を自分に落とし込もうと、もっと勉強しよう、と思わされる帰り道でした。
富野:そんなこと言ったっけ。覚えてない。覚えてると好きになっちゃうから笑
寿 :ノレドはピンク髪の女の子なので、オーディション時は高めのキーでやってくる人が多いと聞いてましたが、やっぱりひっぱられてしまいました。アフレコ時はいかに役に飛び込んでいけるか!という現場でした。
嶋村:富野作品の女性はみんな人間らしくて、生理がつながっていると感じます。アイーダも素敵な女性でした。
富野:劇場版ではマニィとノレドをないがしろにしちゃってすみません。
寿 :劇場版で「アイーダさんはこんなにつらかったんだ」とわかりました。テレビ版ではノレドとして、ベルリ側に寄り添ってたので。
嶋村:一気に90分の映像として描かれているので、テレビ版とはまた違う感覚でしたね。収録は2日に分けて行いました。
――テレビ版と映画版で気持ちの変化はありましたか。
高垣:Gレコは「考えるな、感じろ」だと思っていて。
富野さんからは「台本に全て書いてあるから。余計なことは考えないでいい」と言われました。だから全力で乗っていけば、マニィとして感じたことを表現していけば正解なんだと思って演じていました。
テレビ版を経て、マニィとルインは立場が変化していくのを分かっているので、第一部のまだ仲睦まじい二人には懐かしく思いながら演じました。
トイレトーク
――ここで台本にはない質問なのですが……『Gレコ』ではトイレシーンで印象的な乙姫ソング(ハイフン・スタッカート)が流れます。みなさんならどんな曲を流したいですか?
富野:この話は重要だよ。男性諸君はこんな話聞いたことないでしょ。
僕は本が読みたいからトイレには長くいたい。だからロックは勘弁してほしい笑
高垣:クラシックでしょうか。戦闘前なら気持ちを高揚させるために『Gレコ』みたいなのもいいかも。
嶋村:プレイリストが作れるといいよね! 戦闘前ならリラックスできるのとか、シーンごとに切り替えたい。
富野:『Gレコ』のイベントだからいいけど笑 他ではしないでよね。
嶋村:トイレシーンは「ベルリ!」って言いたくなりますよね。女子3人に囲まれてコックピットでするなんて笑
高垣:トイレ事情っていう長年の謎を監督自ら解き明かしたわけですよね。キャラクターが生きてると思わされます。
嶋村:トイレじゃないけど(6話の)はみがきシーンも良かった。ああいうちょっとしたところに生活感を感じます。
(ここでハンカチで涙をぬぐう富野監督)
富野:もう…笑い過ぎて……。
葛藤、悲しみ、希望の第2部へ
――第2部のポイントを最後にお願いします。
寿 :いろいろなカット、シーンが追加されるので、より『Gレコ』への解釈を深めていけると思います。
高垣:第2部は最近収録しました。葛藤、悲しみ、希望がより深く描かれています。あとはドリカムの主題歌が楽しみですよね。
嶋村:改めて劇場で見て、『Gレコ』が映画館向きの作品だったんだなと思わされました。監督が精査して見やすくしたのはあるけど、もともと集中して見てもらいたい作品だったんだとわかりました。
富野:これ以上言うことはありません。何とか第5部まで作り続けたいので応援よろしくお願いします。
レポートは以上。特に高垣彩陽さんの語る富野監督の芝居論とそれに対する苦悩が印象的だった。あと監督うちわを持ってくる人が増えてきた。「富野由悠季の世界」展まで行かないと買えないのに!(下記神戸展レポ参照)
映画の方は今回で3度目の観賞。3話~4話冒頭パートまでのアイーダの服がテレビ版のインナースーツから劇場版では囚人服に変わっていると聞いてそこばっかり注視していた。
テレビ版では4話冒頭のコックピットからの降下シーンがインナースーツが相まって扇情的な魅力をもって描かれていたのに対し、劇場版では囚人服なので魅力ダウン。代わりに5話ラストの謝罪シーンがインナースーツでえっちな印象に。服の変更だけでシーンの印象が変わる富野マジックである。
劇場版『Gレコ』は見るたびに面白く思えてくる気がする。また何度でも見返したい。
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