ゲーマーズライフ

ゲームとかアニメ

2019年秋アニメ全部見た

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2019年秋アニメ1話目を見れるだけ全部見た。39本。まだ『僕のヒーローアカデミア(第4期)』『PSYCHO-PASS 3』『ちはやふる3』『ハイスコアガールⅡ』があるけどとりあえず。

以下視聴継続予定作品16本。

 

あひるの空

原作未読。総監督が草川啓造とあってか丁寧な作劇。主題歌がthe pillowsなのは高ポイント。

 

慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~

原作未読。駄女神様の顔芸が良い。

 

本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません

原作未読。監督は本郷みつる。書痴が本のない異世界に転生した結果、無いものは作ろうの精神で本を作る話。異世界転生の枠にはまらない展開が面白い。中世ヨーロッパは本当は臭い・汚いという異世界ファンタジーで無視されがちな設定をきちんと描いてるのも好印象。あと音楽、主題歌全般良い。古き良きビクターアニメ感。

 

放課後さいころ倶楽部

原作既読(一巻だけ)。OPからして『ナンジャモンジャ』や『ごきぶりポーカー』などボードゲーマーお馴染みのゲームが出てくるのでうれしい。高野麻里佳のテンション高い芝居が好き。瞳の描き込みが細かくて吸い込まれそう。

 

ゾイドワイルドZERO

監督は加戸誉夫。自ら監督したXEBEC時代のゾイドのような正統派ジュブナイルな話運びが好印象。

 

アイカツオンパレード!

シリーズ未見だったけどバンナムフェスに行くのもあって見てみた。主人公が犬っぽくてかわいい。

 

・魔入りました!入間くん

原作既読。森脇真琴監督と原作のテンションが呼応しているかのようで楽しい。ヒロイン枠が朝井彩加なのはうれしい。

 

Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-

原作プレイ済み。シリーズ最高峰のエピソードの映像化だけにハードル高めに設定していたけどそれを超えるクオリティに驚愕。縦横無尽なアクションはFGOのCMシリーズの蓄積によるものか。OPがかっけえ。


TVアニメ「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」ノンクレジットOP 期間限定公開

 

ぼくたちは勉強ができない!(第2期)

原作未読。前期から引き続き安心して見れるラブコメ枠。

 

・バビロン

原作既読。原作表紙絵に比べると絵的な魅力は減じてるものの、原作の持つ恐ろしさはうまく表現されてる。しかしこれはやはり実写向きだなと改めて思う。同じ野崎まど原作なら『know』をアニメで見たい。

 

BEASTARS

原作既読。同じくオレンジ制作のCGアニメ『宝石の国』からさらに一歩踏み込んでキャラ絵の再現に注力してるように見える。べらぼうに面白い原作をどう料理するのか楽しみ。OPがかわええ。


TVアニメ「BEASTARS」ノンクレジット OP

 

ガンダムビルドダイバーズRe:RiSE

 YouTubeで配信。ついにテレ東でもやらないのか……と思ったが見てみると前作と何も変わらない。子供への訴求にはもうテレビは不要なのかもしれない。シリーズ構成は『機動戦士ガンダムUC』のむとうやすゆき。物語は前作よりむしろ好きかもしれない。メインガンプラにウォドムがいるのは◎。

 

・星合の空

赤根和樹監督のジュブナイルものということで『ノエイン』を思い出して懐かしい。が今回は得意のSFでなくソフトテニスの部活もの。題材には意表を疲れたものの、大胆なレイアウトや丁寧な芝居はやっぱり赤根和樹監督なんだなと。ニコニコして見てたら急転直下の1話ラストに肝が冷える。今期数少ないオリジナル作品なので2話以降も楽しみ。

 

無限の住人-IMMORTAL-

原作未読。Amazonプライムビデオで配信。『TEXHNOLYZE』の浜崎博嗣監督らしい静謐な演出にゾクゾクする。原作絵をそのまま動かしているかのようなクオリティの高さは今期ピカイチ。

 

ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld

原作未読。前期から引き続き視聴。冗長な展開はどうしても2期までと比べてしまうけどキリトくんどーなっちゃうの!?というのが気になって見てしまう。

 

SUPER SHIRO

AbemaTVで配信。湯浅政明監督によるクレしんスピンオフ。遠いところまで行ってしまった湯浅監督の子供向けアニメがまた見られるのは嬉しい。監督らしい痛快なテンポはやはりクレしんにぴったり。

 

お気に入りはFate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-』『星合の空』『無限の住人-IMMORTAL-』の三本。特にオリジナル作品の『星合の空』は応援していきたい。

『空の青さを知る人よ』雑感

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台風一過の日曜に映画『空の青さを知る人よ』を見た。

 

・原作は超平和バスターズこと監督長井龍雪、脚本岡田磨里、キャラデザ田中将賀のユニット。『あの花の名前を僕たちはまだ知らない。』、『心が叫びたがってるんだ。』以来3度目の結成。今作が一番好きかも。

・『あの花』は小学生時代と高校生時代のギャップを小学生幽霊めんまが埋める話。『空青』は高校生のあおいと、あかね・しんのすけら大人たちの間を生霊しんのが結びつける話。構造は似てるけどより上の世代にスライド。長井監督らの心境の変化を感じる。ジュブナイルの皮をかぶった大人向けドラマ。

・過去作ではしばしば共感性羞恥――見ていて恥ずかしくなるシーンに目をつむりたくなったものだけど今回は全く感じず。あれ苦手なのでよかった……。

・30歳を過ぎて何者にもなれなかったと思い悩むしんのすけ、意思をもって地元で生きるあかね。強く生きる二人の姿に立場は違えど自分を重ねてしまい、泣けて泣けてしょうがなかった。きっと沢山の、不器用に頑張ってる大人たちに刺さると思う。

・絵コンテは長井監督ひとりで担当。序盤の乗車カットに目を奪われ、その後も難しいレイアウトがばんばん挟まれるので作画オタ的に至福。終盤の爽快な飛行シーンは『天気の子』はもちろんのこと、先日「高畑勲展」で見たばかりの『かぐや姫の物語』がむしろ重なる。

・あかねのメガネフレームが良い。業の深いこだわりに『あの夏で待ってる』を思い出す。

・あかねを演じる吉岡里帆が上手い。『見えない目撃者』でも抜群に良かったので株がぐんぐん上がってる。

ご当地ソングライブを成功させるという筋書きなので結末は当然そこかなと思いながら筋を追ってたら……意外なとこで、いやしかし清々しい幕引き。

 

岡田麿里は重たい愛情を描くのが本当に上手いわねえ。

弟と最後に遊んだのがメガドライブミニになった話

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今朝弟が実家を出ていった。結婚して新居を構えたからだ。素直にめでたい。

 

弟とは昔からいつも一緒にゲームもしたしアニメも見ていた。仲の良い兄弟だったんだと思う。だから最後にゲームをしようと誘った。買ったばかりのメガドライブミニだ。

メガドライブを昔遊んでたから懐かしがって二人して泣いた……という美談ではない。メガドライブを遊ぶのは初めて。私がレトロゲーに触れたくて何となく買っただけだ。コントローラ2つ同梱の方を買ったのは弟とやりたくて、だったが弟が9月中に出ていくのは前々から決まっていたので、メガドラミニの発売が間に合って良かった。

 

遊んだのは『幽☆遊☆白書 魔強統一戦』『ボナンザブラザーズ』『テトリス』『ぷよぷよ通』『ロードラッシュⅡ』『クイズパーティー MEGA Q』。

幽☆遊☆白書 魔強統一戦』は1番遊びたかったゲーム。幽白キャラの4人乱戦格闘ゲーム。お互い幽白は好きだから勝っても負けても笑いが絶えない。めちゃくちゃ楽しい。神。

ボナンザブラザーズ』はアーケードから移植のパーティーゲーム。簡単操作のミニゲームをクリアしていく。ミニゲームはバリエーション多くてシビアで楽しい。

テトリス』は言わずと知れたパズルゲーム。アーケードからの移植版だが、当時は権利関係の様々な問題により発売されず、今回新規に作り直され念願の移植となったらしい。アーケード版はこんな感じだったなーと思いつつも、テトリミノの色は違うしストックはできないしで『テトリス99』に慣れきっていると遊びづらいことこの上ない。でも2人でやるとなぜか楽しい。

ぷよぷよ通』は言わずと知れたパズルゲーム。SFC版を友人宅でやったなーと思い出す。しかし弟に全然勝てない。私が勝てないからクソゲーだが楽しい。

『ロードラッシュⅡ』はバイクレースゲーム。2人用モードはコマ落ちが酷くてやってられないので途中でやめて弟の1人用プレイを観賞。一人用だとグラフィックがなかなかすごい。敵を殴り倒したり派手にふっ飛ばされりめちゃくちゃで楽しい。

『クイズパーティーMEGA Q』は当時のクイズ番組風クイズゲーム。提供からスタッフロールまで凝った作り。「クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!」とか思い出す。当時の時事問題がまるでわからないから笑うしかなかった。接戦を繰り広げるも2人ともコンピュータに負け。でもめちゃくちゃ楽しい。神。

 

40本の収録ソフトのうち遊べたのはほんの一部だけど楽しいゲームか神しかなかった。とくに幽白は「もう一回!」「あともう一回だけ!」とどちらともなく言い出すやつなので本当に良くできてる。我が家は同世代と比べると家庭用ゲーム機がテレビにつながるのが遅かったから(初めて買ったのはPS2)、各タイトルにノスタルジーを感じるわけでもないけど、一番ゲームに熱中していた頃を思い出させてくれるものだった。メガドラミニありがとう。

 

弟もありがとう。どうか幸せになってください。

新居にはメガドラミニを持って遊びに行くよ。

 

 

21世紀を生きるボクたちのSFー映画『HELLO WORLD』

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「気持ち悪かった!」

というのが映画『HELLO WORLD』観賞後の飲み会で感想を求められた時に口をついて出てしまった一言。決して悪い意味でなく。

hello-world-movie.com

 

HELLO WORLD』は9/20に公開された劇場用アニメーション映画。監督は『ソードアート・オンライン』(1期、2期、劇場版)の伊藤智彦氏、脚本は『正解するカド』やこの秋テレビアニメ化も控えた小説『バビロン』の野﨑まど氏、『楽園追放』を制作したグラフィニカに、追い打ちをかけるのはキャラクターデザインの『けいおん!堀口悠紀子さん。ということで好みドンピシャの制作チームに楽しみにしていた作品だ。

 

京都に暮らす高校生・堅書直美の前に突然現れた"10年後の自分"。彼いわく、クラスメートの一行瑠璃と3か月には恋仲になって、けれど彼女は事故で死んでしまうらしい。彼女と本当に恋仲になれるのか? そして事故を回避できるのか? というSF恋愛ストーリー。

けれど脚本は"あの"野﨑まどである。物語は二転三転と予想外の方向に転がっていきついには衝撃の結末に…!というのがこの映画の醍醐味である。

 

醍醐味であるのだが、そこが冒頭の気持ち悪いに繋がってくる。

この得も言われぬ気分を解消するためパンフレットを読み込んだところ腑に落ちた。監督、脚本家、プロデューサーの参考にしたという作品のほとんどが2000年代以降のSF作品であり、そのほとんどを自分は通過してきたのだ。

一部を挙げてみよう。『ゼーガペイン』『電脳コイル』『インセプション』『順列都市』に『スパイダーマン』……。思えば私の学生時代はSFに育てられたようなものだけれど、そのまま全部が『HELLO WORLD』の"二転三転"にぶちこまれている。あまりの純度に体調だって悪くなろう。まるで自分が書いた/書きたかった作品を見せられたような気分なのである。

当時は気付かなかっただけで、庵野秀明作品や押井守作品が先行作品のオマージュの塊だったように、あるいは伊藤智彦監督の『HELLO WORLD』も新時代を生きる若者たちにとっての大きな道標になるのかもしれない。

 

ただ、このSF純度の高さは不安を覚えるところでもあり。

巷ではSFが死んだのなんだと何度目かわからない論争が再び巻き起こっているところに、「SFが好きだ!」と主人公に叫ばせ、グレッグ・イーガンの著作をこれみよがしに並べて見せるのは(偶然とはいえ)露骨な姿勢。そんなに「SFです」という顔をしないで、オブラートに包んで裏でほくそ笑んでいてほしかった。そうでないと、SFなんかついぞ興味ない多くの観客にそっぽ向かれてしまいかねない。SFオマージュも嬉しいけれど、新しい映像表現、映像的快楽ももっと追及してほしかった。グラフィニカの前作『楽園追放』はそのあたりのバランスが秀でいただけに惜しい(『楽園追放』の某声優を今作にも出演させたファンサ?は素直に嬉しい!)。

惜しいけれど、個人的には自分が好きなもの、大事にしてきたものいっぱい見せてもらえたので満足度は高し。見る人によって、結末の解釈含めてかなり意見の分かれる映画ではないかと思う。

 


映画『HELLO WORLD(ハロー・ワールド)』TVCM③【2019年9月20日(金)公開】

 

関東最速上映レビュー 劇場版『ガンダム GのレコンギスタI』はわかりやすくなった再演版!?

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テレビ版の放映終了からはや4年。待ちに待った劇場版『ガンダム GのレコンギスタI』「行け!コアファイター」の全国公開を前に、ぴあフィルムフェスティバルにて関東最速の先行上映会が行われたのでいち早く見ることができた(世界最速上映はパリ、日本最速は福岡で行われたので3番目に甘んじてしまったが……)。

あの難解なテレビ版がどう変われるのか、と見る前こそ期待と不安が入り混じっていたのだが、わかりやすい物語に変貌した姿に驚きを隠せないのが正直な気持ちだ。

 

「わかりづらい」と言われるテレビ版Gレコ

まずテレビシリーズ『ガンダム Gのレコンギスタ』について振り返ってみる。Gのレコンギスタ…略してGレコは、『機動戦士ガンダム』の生みの親である富野由悠季氏が1999年放送の『∀ガンダム』以来、実に15年ぶりに手がけたテレビ向けガンダム作品だ(2014年放送)。

時代設定としては『機動戦士ガンダム』のいわゆる宇宙世紀の遥か未来(『∀ガンダム』の正暦より先の未来という話もあるが定かではない)、リギルドセンチュリー1014年が舞台。

主人公は、軌道エレベーター"キャピタル・タワー"を要する"キャピタル・テリトリィ"に住む少年ベルリ・ゼナム。ベルリは自衛組織"キャピタル・ガード"のタワーでの実習中にガンダム"Gセルフ"に乗る海賊部隊のアイーダ・スルガンを撃退。奪取したGセルフに乗るうちに行きがかり上アイーダと共に海賊部隊に同行することになり、自分とアイーダの出生の秘密、そして歪んだ世界の構造を知るためにキャピタル・タワーの終着駅の更に先―月の裏側に位置するスペースコロニー群"トワサンガ"、そして金星近傍の"ビーナス・グロゥブ"をやがて目指すことになる。

機動戦士ガンダム』のようないわゆる二項対立の戦争物語ではなく、貴種流離譚であり、行きて帰りし物語と言えるだろう。ただこの物語構造が見えづらいのが大きな問題だった。ベルリとアイーダの行く手を邪魔するように二項どころか四、五、六と次々出て来る新たな国家やそれらの内部組織同士が複雑な対立模様を見せ、更にそこへ富野由悠季総監督ならではな理解し難いセリフまわしが拍車をかけた結果、放送当時は「わからない」「わかりづらい」という声が大きかったように思える。

 

ようやく決まった前代未聞の五部作映画

さてそんなGレコ放映終了後、富野総監督から映画化したいとの声が上がり、待てど暮らせど形にならないのでそろそろ諦めなくてはいけないのか…と思い始めたころにようやく正式決定、そしてトントン拍子に今年11月の2週間限定上映が決定したのが今回の劇場版だ。

g-reco.net

ただしタイトルに"Ⅰ"と付いてるように、複数作にまたがるものになった。では『∀ガンダム』のように二部作なのか、『機動戦士ガンダム』や『機動戦士Zガンダム』のように三部昨かと思いきや、なんと全五部作になるとアナウンスされている。

テレビ作品を基にした映画化、というくくりでは前代未聞であろう。そんな超大作としてまとめたい監督と期待値の低い会社側の葛藤が、期間限定というイベント上映形式と上映館数の少なさに透けて見えるようである。

 

わかりやすいぞ劇場版

ではなぜそこまでして監督は五部作にこだわるのか。それは実際に見ることでようやく実感することができた。

今回の第一部で描かれるのはテレビ版1〜5話のエピソード(+6話の冒頭少し)。1話22分とすれば約110分。対する劇場版は90~100分程度。その差はおよそ10~20分しかない。短くなっているとはいえ、エピソード単位でばっさり削られてきた過去のガンダム映画に比べれば微々たるもの。残り21話分を4部作で描くのなら、今後もエピソード単位のカットはほぼ無いと見て間違いないだろう。

ではただ各話をくっつけて垂れ流しているだけかというとそんなことはなかった。なんといってもわかりやすい! 

テレビ版、特に序盤のベルリときたら天才肌という設定ゆえかつかみどころがなく飄々としており、何を考えて戦ってるのか、どういう思惑で組織間を渡り歩くのかを掴みづらかった。対するアイーダも、想い人をベルリに殺されて怒ってるのかと思えば感謝のダンスを始めたり(身体の動きで感情を表現するのがこの世界の流儀らしいと後でわかるが)、いちいち感情の振れ幅が極端でやはり捉えどころがなかった。

それが劇場版だとどうだろう。ベルリの飄々としてる様は若干鳴りを潜め、複雑な心境はモノローグで語りだしたではないか。なんといってもテレビ版4話のドニエル艦長との"お互いに答える気がない面妖な会話劇"も一度で理解できる会話内容に修正されてる! アイーダアイーダで、ダンスはやめてちゃんと怒るし、5話で突然泣き出す前にはちゃんと葛藤するシーンを挿入している。キャラクターの感情の流れが自然になっているのだ。

テレビ版視聴時に強く望んだ「富野由悠季脚本をリライトしてくれる人がいれば……」という希望が富野総監督自身の手で達成されてしまった。富野総監督は反省できてエライ!

これだけテレビ版のママであり、且つテレビ版よりわかりやすく変化を果たした本作はいわゆる総集編映画の枠に収まるものではないだろう。芝居でいう"再演"とでも呼ぶのが適切なように思うがどうだろうか。

 

テレビ版より広い世界へ

第一部の追加シーンは上記のような人物描写がメイン。目立った追加メカ描写は冒頭と、1~2話間の新規移動シーン、あとはメガファウナ内のコア・ファイターのカットぐらいだろうか。けれどGセルフに限っては大部分のシーンでより安田朗氏のデザインに沿ったものに描き直されており、安田メカ好き的には嬉しいところ。Gセルフは瞳が新たにデジタル処理もされていて、よりキャラクターとして意志を持っているように見えるのも面白い趣向だ。

とはいえ本作を絶賛するのか、と問われるとそうも言いきれない。終盤のGセルフの凛々しさとアイーダの追加シーンでほだされてちょっと泣けたのも事実だが、初見でそんな気持ちをどれだけの人が喚起できるのか。やはりテレビアニメの5話までをくっつけたものであり、映画らしい起承転結の流れを見出すのは困難だ。また比較的わかりやすくなったとはいえ、似通った専門用語の多さや登場キャラクターの多さに混乱を覚えるのは必至。"キャピタル・テリトリィ"、"キャピタル・ガード"、"キャピタル・アーミィ"なんて単語を誰でもすぐに区別できるものではない。1週ごとに1話ずつ何度も見て理解を重ねることができるテレビ版とは違い、映画が初見なら全てを把握するのはどだい無理な話だろう。TV版とほぼ同じOP映像に映画としての高揚感を感じられなかったのも残念なところだ。

ただ富野総監督の過去のインタビューでは後半に行くにつれ新規作画シーンが増える旨の発言があり、今回の上映後に行われた講演でも「第二部以降OPが変わる」「結末は同じだがそこまでは全く違うものになる」「テレビ版より広い世界を描いていると確信している」といった発言があったので、第二部以降はより映画的な仕掛けが込められることだろう。

新たに再演される物語はきっとより豊かなものに生まれ変わるはず。まずはうまいこと良いスタートを切るためにテレビ版のファンはもちろん、テレビ版でノリきれなかった人にも見てもらいたい。きっと2周目&新規カットで随分見える世界が変わるはずだ。そしてテレビ版未見の方は、わかる/わからないは気にしないで良いと思う。Gレコの一番の魅力は、他のアニメではお目にかかることのできない個性豊かなキャラクターとメカニックによる活劇だ。そこに注目してもらえば、きっと好きになってもらえるはずだ。

まずは11月29日から始まる全国公開を楽しみに待っていてほしい。

 

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これで終わりでないのだから―『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン外伝 永遠と自動手記人形』

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京都アニメーション制作の『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン外伝 永遠と自動手記人形』の3週間限定でのイベント上映が始まった。記憶に新しい凄惨な事件からまだ2か月弱、京アニが再起動した!というわけではなく、事件の直前に完成していたので予定通りに公開日を迎えられたようだ。

せっかくなので、と言いたくはないのだが、素晴らしい映画なので今はただ多くの人に見てもらい気持ちでいっぱいだ。

 

まず本作は外伝、とついているだけに本編であるTVシリーズ全13話(とTV未放映エピソード1話)が存在しており、本作はTVシリーズの続きのエピソードだ。……と聞いても回れ右するのはちょっと待ってもらいたい。TVシリーズは主人公であるヴァイオレットが自動手記人形と呼ばれる手紙の代筆業を通じて、依頼人との心の交流、そして彼女自身の成長を描いた物語だった。そして今回描かれるのはやはり依頼人との交流エピソード。

なので「自動手記人形と呼ばれる架空の職業がある、架空の世界を舞台にした人情モノ」という前提さえ知っていれば本作単体でもばっちり見られる。それでも不安であればNETFLIXで配信されているTVシリーズを見るか、時間がないという人はTVシリーズ前半をまとめた5分動画を見てらえば十分だろう。


5分で分かるアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』第1回

 

本作は前述の通りイベント上映作品ということで正式には映倫を通したいわゆる"映画"ではない。ということは「上映時間が60分しかない」「むしろ30分しかない」「時間は長いけど各話をくっつけて垂れ流しただけ」「ただの総集編」といったイベント上映あるあるを見る前は想定してしまっていたのだが、そこは良い意味で裏切られた。

2部構成ではあるが1つの大きな物語を形作っているし(2部構成にせざるを得ない物語構造が上手い!)、90分という尺もアニメ映画であれば一般的。映像はTVシリーズよりもワイドなアスペクト比で情報量がアップしてリッチ。映画未満のイベント上映が蔓延る中、これは立派に映画と呼んで差し支えないものだろう。

 

本作で描かれるのはゲストキャラであるイザベラとテイラー、2人の姉妹の物語。それぞれ演じる寿美菜子悠木碧の芝居、そして京アニならではな情感あふれる絵の芝居が相まって、自然と2人から目が離せなくなっていた。特にテイラーの、(京アニ作品では珍しい表現に思える)白い歯を強調する笑顔がたまらない。子供らしい屈託のなさが愛くるしくて、子供の成長する姿ほど尊いものはないと思わされる。TVシリーズ10話のアンもそうだが、子供を真摯に描く京アニの姿勢は大好きだ。

 

ただ1本の映画として見たときに、ゲストを中心に据えた物語はこじんまりとしているように思えるし、際立った演出が少ない点は物足りなくも感じた。とはいえ監督の藤田春香さんは今回が初監督。次を担う人材を育てているからこその抜擢であろうし、藤田監督の次作以降に十分期待が持てるものであった。いずれTVシリーズの新作で監督を務めることもあるであろう。

 

そう、これで終わりで終わりでないのだから。

見ているとどうしても事件のことを思い出してしまい、映画のテーマである"永遠"についても深く考えずにいられなかった。けれど僕らが作品を見て、忘れないことが作品を永遠にすると信じるしかないだろう。

本作に続く『劇場版 ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』は現在公開時期未定となっており、予定されていた他の作品も同様だ。けれど今回の映画を見ることが、京都アニメーションへの応援になるのは確実だ。

本作はぜひ今、このタイミングだからこそ、多くの人に見てもらいたいと願わずにはいられない。

 

元気のGは劇場のGだった⁉︎ ガンダムGのレコンギスタミュージアムレポート

この秋劇場公開される『ガンダムGのレコンギスタ』を記念して博物館が建立されたという怪情報を聞きつけて我々は幕張メッセで8月24日、25日に開催されているC3AFAに飛んだ。

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現地で我々が目にしたのはその名もガンダムGのレコンギスタミュージアム。どうやら映画化すると博物館が立つらしい。

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キャッチコピーは「元気のGは劇場のG‼︎」…って、えぇ!? 元気のGは始まりのGだとばっかり思ってたのに…そんな…。

 

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会場内では世界観、キャラクター、メカなどをパネルで紹介。テレビ放映時の資料がほとんどなのでそんなに目新しいものはないか、と思いきや一際目を引いたのが劇場版用新規カットの絵コンテ! 公開はまだだいぶ先だというのに、こんなに見せていいのだろうか…。

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映画の冒頭3分が公開されたというステージイベントは見逃してしまったので残念だったものの、思ったより充実した展示内容だったので足を運んで良かった。

 

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他ブースには新商品も。ゆくゆくはマスターグレードのGセルフを、ぜひともバンダイ様…。

 

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最後に、仕事中のレッドショルダー富野監督を。今日もかわいい77歳。

 

ガンダムGのレコンギスタⅠ 行け!コアファイター』は2019年11月29日より2週間限定上映の予定だ。

http://g-reco.net