国立映画アーカイブにて10月6日から始まった『2001年宇宙の旅』70mm版特別上映は、クリストファー・ノーラン監修の元、当時のフィルムの色合いを最大限当時のままに再現したというもの。初日には庵野秀明監督、樋口真嗣監督も観賞する姿も見られるなど、業界人からも注目を集めているようだ。
世界中を巡回している1本だけの貴重なフィルム、日本で観れるのは今回の6日間限りという触れ込みのため前売り券は即完売。完全に諦めていたのだが、どうやら朝一に並べば当日券が入手できるらしいという聞きつけたので上映2日目に並んでみた。朝の6時から。5時間並んだら本当に当日券が手に入った。
私自身はDVDでしか見たことがないので当時の色合いを本当に再現しているのか、という点は正直のところ判断しかねる。けれど自宅での観賞を遥かに超える環境(しかも当時と同じく幕の開け閉め、休憩時間までも再現!)で向き合ったことで、ようやくこの映画のことを、少しは、理解できたような気がする。
なお色合いの違いは下記動画がわかりやすい。
2001: A Space Odyssey - 50th Anniversary Trailer Comparison
それにこの2018年に、AIが日常的な話題に挙がり、前澤友作が民間人初の月周回旅行に参加することを発表し、ボイジャー2号が出発から41年目にして太陽圏外へ旅立つ2018年に、『2001年宇宙の旅』を、70mmの重いフィルムを映写技師が15分ごとに交換しているのを想像しながら観賞するというのはなんとも詫びさびを感じる貴重な体験であった。
70mm版は今回の6日間限りであるが、会期はまだ残っているし、10月19日からは2週間限定のIMAX上映(国立映画アーカイブより大きいスクリーンで見るならここしかない!)、11月21日には4KBDの発売も予定されている。
思い思いの最高の環境で、今改めて見ることで新しい発見がきっとあるはずだ。