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祝!国内巡回検討開始!特撮ファンは絶対行くべき『特撮博物館』


本日惜しまれつつも会期を終了した、東京現代美術館にて開催された世界初の特撮展示会『特撮博物館』。
幼少の頃から平成ゴジラ、そして平成ガメラの映画を見て育った特撮少年としては、ゴジラガメラの着ぐるみ、メーサー戦車のミニチュアなど、映画の向こうの世界が目の前に広がる夢のような空間だった。その魅力をほんの少しでも伝えたい。


特撮博物館』に行ったのは会期の終わる2週間ほど前の休日。入場の際の待ち時間は、チケット購入に20分、入場に5分。大人気と聞いていた割に時間がかからずちょっと肩透かしだったが、最終日はチケット購入60分、入場90分待ちだったらしいので、かなり良い時期に行けたようだ。
入場すると音声ガイドを借りることができるが、これは借りて正解だった。エヴァンゲリオン冬月コウゾウこと清川元夢さんのシブい声で何十もの解説を聞くことができるこのガイドのおかげで、一見ただの古めかしいミニチュアやイラスト一つ一つが背負っている時代背景を学ぶことができた。


会場内は1階と地下1階に分かれている。1階ではまず特撮映画初期の、撮影に使われたミニチュアや設定資料が出迎えてくれ、ゴジラガメラウルトラマンやテレビの特撮ヒーローのスーツなどへと、時代の変遷を物語ってくれる。展示物の多くには庵野秀明館長のコメントカードが添付されており、館長の特撮への熱い思いが伝わってきてジンと来る。
1階のクライマックスはなんと言っても、ここでしか見られない短編映画『巨神兵、東京に現わる』。現代で見ることの少なくなった巨大立体物の特撮映像を、樋口真嗣副館長の誇る最新最高の技術で現代に蘇らせる、しかもネタが『風の谷のナウシカ』の巨神兵という、大人の遊び心たっぷりの映画だ。樋口真嗣特技監督を務めた平成ガメラシリーズを彷彿とさせる迫力満点の最新の技術と、あえて(?)チープさを残した昔ながらの特撮技術が交差する映像に不思議な感動を覚える。が、もっと感動するのがその後に控えるメイキング映像。大の大人が、大真面目に楽しそうに、苦労しながら空想を映像化していく過程に胸を打たれた。このメイキング映像こそ、この『特撮博物館』一番の収穫だったので、もし『巨神兵、東京に現わる』がディスク化される日が来るなら、是非メイキング映像をノーカットで収録してほしいところだ。


そして地下1階で待ち受けているのは特撮倉庫。特撮仕様道具の保管庫然とした部屋に積み重なる潜水艦や戦車の山にはワクワクさせられる。その他、映画に使われる着ぐるみや建物の製造工程、映像の合成過程など、特撮のよりディープな撮影の裏側を見せてくれる、地下らしい展示構成になっていた。
最後に待っているのは撮影コーナー、そして物販コーナー。


撮影コーナーはミニチュアの町に入り込んで撮影できる。楽しすぎる。憮然とした顔で指を指しているのはペラペラ樋口真嗣副館長。


物販コーナーではここでしか買えない巨神兵のオンパレード。

巨神兵ガシャポンガシャポンとは思えない精緻さ。

巨神兵figma。かっこ良すぎて濡れる。この巨神兵にならあたし、火の7日間されても良い!


以上、展示で3時間、撮影&物販1時間の超充実した時間を過ごすことができて大満足だった。特撮、と言ってもライダーや戦隊ヒーローなどの東映系の展示はないのでそちらのファンはがっかりするかもしれないが、東宝・円谷系の巨大怪獣・ヒーローが大好きだった「大きな子ども」なら絶対に満足できるはずだ。
そしてめでたいことに、公式サイトによると「多くの声にお応えして、国内巡回の検討に入りました」とのことなので、今回見逃してしまった、物理的に行けなかった人も、この素敵な展示会にそう遠くない日に行けるに違いない。
いずれはどこかで常設展示に!という展開も期待したい。特撮は日本の文化だ!