ユウキズ・ダイアリー

アニメ・映画・ゲームについての雑記

2017年春アニメはこれを見ろ!

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今期は見なくてはいけないアニメが多すぎる。

 

今期一番楽しみなのが、TOKYO MX他で今夜から放送開始の、今井哲也先生の同名原作をアニメ化した『アリスと蔵六』だ。

自身もアニメ好きとして知られる今井哲也先生の原作からしてアニメを意識した構図、アクションが随所に見られたので、本当にアニメ化してしまうことでどのように表現されるのか、長年のファンとしては楽しみで仕方ない。

本作は「アリスの夢」と呼ばれる、要は魔法を持った少女・紗名と原宿で花屋を営み頑固じじい・蔵六との家族の形成、そして冒険、バトルが描かれる変化球魔法少女アニメ。J.C.STAFFのベテラン桜見かつし監督と、リアリティある描写に定評のある脚本家髙山文彦氏の手にかかれば素晴らしい作品に仕上がることだろう。

公式サイト

 

花咲くいろは』、『SHIROBAKO』に続くP.A.WORKSのお仕事アニメ第三という触れ込みなので面白くなるに違いない。『アイドル事変』と設定が被っている気がしないでもないが。

sakura-quest.com

 

東映アニメーションの『楽園追放』に次ぐCGアニメ第2弾は、傑作SF小説『know』の野崎まど氏が脚本を手がける注目作。

トーリーはもうすぐ実写映画化もされる『あなたの人生の物語(メッセージ)』のような、異物を介したファーストコンタクト物のようだが……野崎まど氏のことだ。一癖も二癖もあるミステリアスな展開が待っている予感しか無い。

seikaisuru-kado.com

 

BLACK LAGOON』の広江礼威先生が連載の手を止めてまで仕込んだオリジナル新作アニメ。同じく漫画家である久保ミツロウ先生がアニメ用の原作を手掛けた『ユーリ!!! on ICE』のような爆発力を生む、のかもしれない。

あおきえい氏が監督を手がけるという点でも大注目作品となること必至だ。

recreators.tv

 

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我々はこの時を何年待ったことだろうか。『コードギアス 反逆のルルーシュ』以来となる、谷口悟朗監督×脚本家黒田洋介氏の新作である。何も言わずこの目に焼き付けるだけだ。

公式サイト

 

新作を中心に紹介したが、シリーズものでは進撃の巨人Season2アイドルマスターシンデレラガールズ劇場BORUTO(なんと劇場版BORUTOを手掛けた山下宏幸氏が監督を、そしてアルペジオ上江洲誠氏がシリーズ構成に!)、信長の忍び~伊勢・金ヶ崎篇~有頂天家族2冴えない彼女の育て方♭ソード・オラトリア、あたりも楽しみだ。

もはや睡眠時間を削るしか無いのでは。

 

シリーズを離れていた人をも動かすオープンエアーの魅力 『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』ファーストインプレッション

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遡ること1週間ほど前、離れて暮らす兄から久しぶりの連絡があった。こういう時は良い知らせか悪い知らせと相場が決まっているが……、今回は良い知らせだ。Wii Uを送ってくれないか、と言ってきたのだ。当然、Wii U版、Nintendo Switch版が3月3日に同時発売となるゼルダの伝説シリーズ最新作『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド(以下ゼルダの伝説BOTW)』をプレイしたいがためのことだろう。『スプラトゥーン』がしばらくできなくなるな、という気持ちは抑えて快く送ることにした。

兄はかつて、『ゼルダの伝説 夢を見る島』や『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』をプレイしていたものの、最近はPCやPS4洋ゲーに傾倒していると聞き及んでいた。なぜ兄が今になって、とも思ったが、今回の『ゼルダの伝説BOTW』がオープンワールド、ではなく任天堂の提唱するオープンエアーであることが大きな理由に違いない。シリーズを離れていた兄までも呼び戻した。それだけ今回のシステム大刷新が衝撃的だったのだ。そして兄は今頃存分に満喫していることだろう。発売日から約15時間プレイした私にはわかる。ゼルダの伝説BOTW』は大傑作なのだから。

 

まずオープンエアーとはなんぞや、というとつまりはオープンワールドである。『グランドセフトオート3』を皮切りに海外で大流行した、とにかく見渡す限りの世界まるまるを、ロードもなく駆け回れるゲームシステムの総称だ。リアリティ・没入感が段違いで高まることから現在ではヒット作には必須の条件のようにもなっているが、総じて製作側の負担も増すことから国内では二の足を踏まれている節があった。しかし近年はようやく『メタルギアソリッド5』や『FF15』などでも採用されており、任天堂としてはモノリスソフト開発の『ゼノブレイドクロス』以来の2作目となる。

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ただし世界的には周回遅れで参入した任天堂は、ただのオープンワールドなど出して来るわけがなかった。ゼノブレイドクロス』においてさえ、驚異的な高低差のある地形による「感動を呼ぶ情景」を生み出してた任天堂は、その技術をゼルダの伝説に導入するばかりか、ゲームがもたらし得る最大限の自由度をプレイヤーに与えることに成功した。これをオープンエアー名付けたのだろう(と解釈している)。

ゼルダの伝説BOTW』はとかく自由だ、なんでも出来る、と喧伝されている節があるが、所詮ゲームなので開発者の用意した選択肢の中にしか自由はない。しかしその選択肢の多さが驚異的なのだ。これまでのゼルダの伝説シリーズであれば、用意されたダンジョンを、決められた通りの順番で周って、手に入れたばかりのアイテムで謎を解いての繰り返しというのが常であった。

しかし今作は、ダンジョンをどんな順番で攻略するか、そもそも攻略するかどうかもプレイヤーの手に委ねられている。主要な攻略アイテムは序盤に全て手に入るので、どれを使うかの試行錯誤が必要となるが、無数にあるダンジョンは何れも小規模。いつものように相当な覚悟をもって挑まずに済むのも良い(謎解きによっては複数解や、アイテムの組み合わせもあるので奥が深い)。

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自由度の広さは敵の倒し方にも及び、複数の武器種のどれを使うかで戦法が変わるばかりか、ダンジョン攻略アイテムや火・氷・雷を制御することで無限の戦い方が見えてくる。例えばゲーム序盤から、松明で野焼きに巻き込んで倒したり、矢でランタンを撃ち落として爆弾に引火させたりと、とにかくボコブリンが出る度にどうやって焼こうかと考えるのが楽しくて仕方がなくなる。

戦うばかりでなく、食べ物の採取と調理、動物の写真撮影など脱線要素も数多く用意されており、美麗な地形と相まって、新たな土地を走り回るだけでただただ楽しい。オープンエアーという単語を聞いた時は、またなんだかわからない小洒落た単語を作りやがって、などと思ったのは本当のことだが、プレイした今はわかるような気がする。今までのゼルダの伝説シリーズも、数々のオープンワールドゲームをも過去にする、新しいゲームシステムを任天堂は生み出してしまったのかもしれない。

 

ここまで自由だ自由だと聞くと、過去のゼルダの伝説シリーズとは別物のような、特にストーリーが薄味になっていることが心配になるかもしれない。けれどそこはゼルダの伝説だ。攻略の順番は自由とはいえ、お馴染みの各種族絡みのエピソードはかなり骨太なものが用意されている。現時点で攻略したのはゾーラ族のみだが、ちょっとこれは、あんまり切なくて泣きそうになってしまった。おっさんはこういう話に弱いんだ……。オープンエアーならではの、ゼルダとのエピソードの積み重ね方にも唸らされる。

また世界中には多くの集落や村が点在している。シリーズでお馴染みとも言えるユニークな人々との交流やサブクエストも多数あるので、過去作のようなメインクエストとサブクエストを交互にクリアするプレイ感はそのままだ。そしてなんと言っても、女性キャラが魅力的。

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最初に惚れたのはカカリコ村のパーヤちゃん。しかしその後も、ハテノ村のあの娘のインパクトにやられ、そしてゾーラのあの娘にはハートを鷲掴みにされた。人種を問わず女性に悩むのもまたゼルダの常ではないだろうか。

 

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ゼルダの伝説BOTW』にとって大事なことを書き忘れるところだった。Wii U用タイトルとして開発されていた本作は、新ハードNintendo Switchでも発売されたのだ。Wii Uを送り出してしまい、そもそも任天堂の新ハードを買わないわけがない私はハードごとSwitch版を購入したわけだが、これが『ゼルダの伝説BOTW』とめっぽう相性が良い。

Nintendo Switchは据え置き機ながら液晶画面を本体に備えているため、手軽に携帯も出来るハイブリッドゲーム機。だからこの3日間だけでも、謎解きに詰まったときにはアニメ『正宗くんのリベンジ』をながら見しながら頭を捻っているうちに閃くことができた。お台場ガンダムの有終の美を拝みに行きたいけどゲームを止められない時にも、止めずに移動中もプレイできた。

このひと回り大きなPSVitaのようなNintendo Switchは、あんまり手軽に携帯可能なのでもはや任天堂の新型携帯ゲーム機のような気さえしてくる。そして本作のような、長時間のプレイを要するゲームには最高に最適なハードだ。

 

  • まとめ

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ゲームに触れ始めた幼少の頃、画面の向こう側のキャラクターが思い通りに動くだけで楽しかった。数多のゲームをプレイするうちにそんなキラキラした気持ちは薄らいでしまっていたが、そんな私の原体験を『ゼルダの伝説BOTW』は蘇らせてくれた。遠くで暮らす兄も、そして世界中のプレイヤーもきっと同じ気持ちを抱いているはずだ(世界中のゲームレビューを集計したメタスコアで98点と、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』の99点に次ぐ歴代2位のスコアを叩き出してしまったのだから!)。

ゼルダの伝説BOTW』は、任天堂史上最高のソフトとして今後語り継がれるかもしれない伝説級タイトル。ゲーム好きはもちろんのこと、ゲームがかつて好きだった人や、シリーズ未プレイの人であっても、万難を排して遊ぶべきだ。

 

90年代風リアリティアニメのシンガリとしての『虐殺器官』

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伊藤さんは、僕らよりも一世代若い方で、アニメ界がスーパーリアル志向というか、現在のベテランがまだ若手でバリバリと仕事をしていた時代のアニメを観て育ってきた方なんですよね。だから多分、そういう映像を念頭において小説も書かれていたと思うんです。伊藤さんが思い描いていた映像には、普通のことをやっていてはなかなか到達できない。伊藤さんがもし存命だったとしたら、満足していただく映像を作るのはかなり難しいことではあるんですが、 できる限りの努力はしたいですね。

以上は故・伊藤計劃氏の遺した原作をアニメーション映画化した『虐殺器官』のパンフレットに掲載された村瀬修功監督のインタビューからの引用である。完成したフィルムを観た時の私は言いようのない郷愁と違和感に苛まれたのだが、この発言を読んで得心がいった。伊藤計劃氏の好きだったであろう、そして今現在のアニメーションの主流からは真反対の位置にあるスーパーリアル志向、1980年代末から2000年代初頭までは確かにあったその潮流(本文ではひっくるめて90年代と呼称する)を受け継いだ映画がこの『虐殺器官』である、と言えるのではないだろうか。

 

この映画は二人のキーパーソンが欠けては成立しなかったであろう。一人は総合プロデューサーの山本幸治氏。山本氏はフジテレビの深夜枠アニメ、所謂ノイタミナの設立以来のプロデューサーで、現在はフジテレビを退社し、氏の立ち上げた株式会社ツインエンジンの代表取締役を務めている。

ノイタミナで放送された作品は、多くは広い視聴者に向け、時にはマニアックに過ぎる作品も見られ、その多様性は視聴者のアニメを見る力を育てようとする山本氏の思惑が透けて見えるようであった。

そんなノイタミナでも特に人気となった『PSYCHO-PASS』という近未来の警察ドラマ、と見せかけて世界の真実を暴かんとするSFサスペンスは、今振り返ると『虐殺器官』の原作小説の影響を多分に受けた物語だった。山本氏はきっとこの「大人のドラマ」で、90年代風リアリティアニメを見たこともない若い世代を「教育」し、『虐殺器官』を含む一連の伊藤計劃3部作の呼び水にしたかったのではないだろうか。ともすると2005年から始まったノイタミナ自体、この『虐殺器官』のための盛大な下準備だったのかもしれない。

そんな思慮深い山本氏と今回タッグを組んだのが村瀬修功監督である。村瀬氏は今回、監督の他、脚本、絵コンテ、キャラクターデザイン、作画監督までもを務めており、氏の全身全霊全てがフィルムになっていると言っても過言ではない。村瀬氏は今回が映画監督としてはデビュー作ということもありご存知でない方も多いかもしれないが、かつて90年代には『新機動戦記ガンダムW』のキャラクターデザインで、当時の腐女子のハートをノックアウトした他、2000年代に入ってからはSFアニメ『Witch Hunter ROBIN』『Ergo Proxy』などで監督を務めてきた。世界的には『ファイナルファンタジーⅨ』のキャラクターデザインが最も有名だろうか。

村瀬氏の描くキャラクターはハードな世界観に耐えながらも色気のある独特なデザインで、とりわけ『ガサラキ』という、私自身がアニメにはまるきっかけとなった作品で描かれた、現代日本と、中東の紛争地域、そして平安時代京都という、世界と時間を越境する見事なキャラクター群は、今振り返ると世界中を舞台とする『虐殺器官』に通底するものが多くあるように思える。村瀬氏が山本氏と結託し、今作の監督を務めたのは必然だったといえよう。

 

  • 半歩先の、その先に

さて映画本体についてようやく触れる。私がこのタイトルを初めて見た時の率直な印象は、語感からしてなんだかグロテスクな、嫌悪感さえ覚えるものでしかなかったが、いざ映画を見てみると(グロテスクな描写が無いとは言わないが)真反対なものであった。

物語は、テロの脅威を恐れる大国と、紛争が加速する中東を舞台に、特殊部隊に所属するクラヴィス・シェパード(声:中村悠一)を主人公とし、紛争地域の「虐殺」を仕掛け人であるジョン・ポール(声:櫻井孝宏)を世界を股にかけて追い続ける軍事・スパイ・SFドラマだ。非常に現代的で、クールで、グローバルな視野を持ち、示唆に富む、かつて多くのアニメ映画(『AKIRA』、『パト2』、『人狼』、『パプリカ』、etc…)がそうであったように、「大人の世界を垣間見ることができる」アニメに仕上がっていた。「伊藤さんに満足していただける映画」そのものである。

ただしあまりにも「伊藤さんに満足していただける」90年代風アニメであるために、観客の拡大にはつながらない結果を招いているようにも思える。昨年のヒット作を振り返ると『君の名は。』に『聲の形』、『この世界の片隅に』である。キャラクターは可愛く、親しみやすく。舞台は遠いどこかではなく、身近な半歩先にあるかもしれない世界。恐らく多くのアニメファンにも、もちろんそうでない人にも、このトレンドから真反対に突っ走る『虐殺器官』は見向きもされないだろう。

けれど見られないことが作品の価値を貶めるわけではない。90年代の潮流を受け継ぎ、2017年現在に見るべきリアリティ志向映画として、『虐殺器官』の持つ力強い物語とインパクトのある映像は本物である。かつてのアニメ映画が好きだった人たちはもちろん、『PSYCHO-PASS』が好きな若い世代であっても、見れば確実に何かが遺る作品だ。そしてこの潮流が絶えることなく、今なお情熱を燃やす山本氏により次の世代にバトンが渡っていくのなら、間違いなく後世から振り返られる作品となるはずだ。

だから上映中の今、『虐殺器官』を多くの人に見て欲しい。アニメは、世界は、半歩先のその先にこそ広がっているのだから。

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Nintendo Switchにはサードパーティーが戻ってくるかもしれない

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昨日1月21日はNinetendo Switchの予約解禁日。予約開始時こそ混乱が見られたものの、ヨドバシカメラでは無制限に予約を受け付けていたという話もあり、購入希望者には充分に行き渡ったのではないだろうか。

さてNintendo Switchは、発売当初は『ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザ・ワイルド』や、夏発売の『スプラトゥーン2』が牽引してそれなりのスタートを切ると思われるが、それ以上の、これまで任天堂の家庭用ハードを買ってこなかった層に訴求するためにはサードパーティー任天堂以外のメーカー)によるソフトの拡充が必須だ。PlayStationの登場以降、任天堂の家庭用ハードにはサードパーティーが付いてこないのが常となっていたからだ。

けれども今回のNintendo Switchは、今までの任天堂とは一味違う。サードパーティーが戻ってくるのではないか、と予想している。

 

  • 特殊、ではない入力インターフェース

近年の任天堂の家庭用ハード、とりわけWiiWii Uは特殊な入力インターフェースを採用していた。Wiiはリモコン型コントローラ、Wii Uは画面付きのタブレット風コントローラだ。これらのコントローラは特殊な形状ゆえに、そのハードに特化した新鮮なゲーム体験を提供できるのがウリではあるが、そんな体験を提供ができるのは結局ハードを開発した任天堂自身でしかなかった。WiiWii Uも、発売当初こそサードパーティがソフトを供給していたものの、1~2年も経つと、売れない・作りづらい・他ハードより手間がかかる、ということを認識してか、撤退していってしまった。

しかしNintendo Switchは違う。コントローラの形状は、家庭用モードでは一般的なゲーム機と同様の形状だ(尚且つ、分離してモーションコントローラにもなるが)。また外で使用するときこそWii Uのようなタブレット風になるが、Wii Uのようにテレビとコントローラの同時2画面出力ではない。あくまで1画面を使うだけであり、携帯ゲーム機然としている。これなら他のハード向けに開発したものを容易に移植できるし、逆もまた然りで、Nintendo Switch向けに先行販売したものを他機種向けに移植するのも容易だろう。サードパーティーとしては労力をかけず供給先を増やせるならメリットは大きいに違いない。

 

  • PS Vitaの後継機としての位置づけ

そしてもう一つが、PS Vitaの後継機としての位置づけだ。現在携帯ゲーム機市場には任天堂3DSソニーのPS Vitaがあるが、PS Vitaは非常に元気がない。これは海外市場では全く売れていないことと、2011年12月の発売から既に5年以上が経過し、流石にハードの性能が物足りなくなり、他ハードの移植が困難になっているからだと思われる。

「魔界戦記ディスガイア5」とNintendo Switchは好相性。日本一ソフトウェアの新川社長に話を聞いた - 4Gamer.net

新川氏:

ディスガイア5の場合,発表時からお話していたように,スペック的にPlayStation Vita版を出すことを諦めていました。その点,手軽にディスガイア5を携帯ゲーム機で遊んでもらえる環境として,Nintendo Switchが非常にマッチしていたので,これは出すしかないなと。

Nintendo Switchと同時発売ソフトとして『魔界戦記ディスガイア5』が予定されているが、本作は、前作『魔界戦記ディスガイア4』が発売されたPS Vitaには供給されていない。日本一ソフトウェアの新川社長曰く、ハードスペックに起因するものだ。

魔界戦記ディスガイア5』が発売されることや、海外向けには『Steep』の発売が告知されていることから、Nintendo SwitchはPS4やXBOX Oneと同等の性能を有していると想定される。またUnreal Engine 4がサポートされたのも強みだ(Wii Uは対応していなかった)。これによりUnreal ENgine 4製の『ドラゴンクエスト11』が出ることになったし、もしかしたら『キングダムハーツ3』だって出るかもしれない。

Nintendo Switchは、高性能の携帯ゲーム機としてPS Vitaのお株を奪おうとしている。

 

サードパーティーによるソフトの拡充予想だけに焦点を絞って書いてきたが、もし拡充されたとしても、心理的な購入障壁は残る。Wii Uの発売からNintendo Switchまで、たったの4年しか経過しておらず、Wii Uの発売1年後に登場したPS4は未だに現役、そして現在トップを走る家庭用ハードである。

Wii Uを持っている人に買い替えを促せるか、PS4を持っている人には2つめのゲーム機として購入させることができるのかは、やはり任天堂自身による完成度の高いソフトが、どれだけの魅力を放つかにかかっている。

体験会で触った限りでは、そこに不安はないが、触っていない人に魅力が伝わるには時間がかかることだろう。微力ながら、今後もネットの隅で書き綴ることで応援していきたい。

 

2時間並んで乳搾り 「Nintendo Switch 体験会2017」現地レポート

乳搾りができると聞いて東京ビッグサイトで開催中の「Nintendo Switch 体験会2017」にやって来た。現地からレポートを書いている。

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  • 1-2-Switch 「ミルク」

乳搾りとは任天堂がこの春発売する最新ゲーム機「Nintendo Switch」用の新作タイトル『1-2-SWITCH』内の1ゲーム「ミルク」のことだ。このゲームは新型コントローラJoy-ConのHD振動という機能が活かされていると聞いて真っ先に体験してみた次第。

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Joy-Conはこんな形。Wiiリモコンのように縦持ちもできれば、横持ちもできるし、2つくっつけてノーマルなコントローラとしても使える。モニタに繋げて携帯機のように外でも使用できる。ミルクでは縦持ちして使用する。

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でミルクである。会場では農場のおっさんに扮したおっさんとタイマン乳搾りバトルを体験できた。こちらも恥ずかしい格好(麦わら帽子とタオルを装備)をさせられたので負けるわけにはいかない。

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この会場のスタッフは格好からしてみんなガチである。

操作方法は、人差し指から小指にかけて乳を握る感じに順にボタンを押しつつ下げるというもの。そしてHD振動機能の効果か、乳が絞り出ている感触が手の平に伝わって来る。まさに乳搾り…! ただコントローラが小さいだけに、他の家庭用ゲーム機向けコントローラと比較すると振動が控えめにも感じた。個人的にはもっと派手に震えてくれる方が好きだが仕方ないか。

なお農場のおっさんには負けたミルク缶カウント5対7で負けた。悔しい。買った暁には乳搾りのプロになると強く誓う。

 

  • 1-2-Switch 「大食いコンテスト」

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さらにもう一本遊べるということでエプロンを装備して「大食いコンテスト」にも参加してみた。

このゲームはやはり新機能であるIRカメラを活かしたもので、口をパクパクした回数がカウントされてサンドウィッチを食べる。それだけであるが楽しい。相手をしてくれるコンテスト主催者のおっさんのなんと盛り上げ上手なことか。食べ過ぎて今日のベストと言われる12個を完食してしまった。

IRカメラと聞いたときには何に使うかわからなかったし、サンドウィッチを食べる以外の用途を未だ思いつかないけれど精度はなかなかのものだ。

 

  • ARMS

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新作タイトル『ARMS』。「力が欲しいか?」ではない。ノーチェックなものの、遊んでみたら今日1番の面白さだった。

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Wiiスポーツ』のボクシングのパワーアップ版とでも言えばいいのか。某ワンピースのルフィよろしく伸び縮みする腕で殴り合うボクシングゲーム。パンチ、ガード、投げの三すくみと、キャラクターごとに異なるグローブの能力の組み合わせで戦略の幅はかなりありそう。

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メカニカちゃんが可愛いので買わないわけがない。

 

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サードパーティのタイトルも遊んだ。スト2のHD版。海外向けに発売済みのものに新規キャラを加えたバージョンか。操作感を確かめたくて遊んでみた。

触ったのはJoy-Conを2つ繋いだコントローラ。操作感は意外と悪くない。ボタンは3DS並みのプチプチ感。スティックはVitaみたいなクイックさ。昇竜拳波動拳は問題なく出せた。屋内外問わず遊べる丁度いい大きさを狙った感じに思える。

スト2は当時ちょっと触った程度なので買うかわからないけども、PVにはグッときたので惹かれている。

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恋しさとせつなさと心強さと

 

  • その他会場の様子

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  • Nintendo Switchを今すぐ予約したい

任天堂の新ハードを買わないという選択肢はないのだけれども、触ってみてやはり購入するしかないと感じた。

今日は特に新しいコントローラの機能、操作感を気にして遊んでみたわけだが、新機能は新鮮で、操作感も携帯機としても兼用すると思えば満足いくものだった。操作感は別売りのコントローラで更に向上することだろう。

またソフト面でも、今日触れなかったやり込み要素満点の新作タイトル、『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』『スプラトゥーン2』『ゼノブレイド2』『スーパーマリオオデッセイ』が今年中に発売が予定されていると思うと楽しみで仕方ない。

このハードがどれだけ売れるのかは未知数だが、会場の盛り上がり、特に大人の多さを見るとまずまずのスタートダッシュは切れると思う。やはりWii Uの「テレビ視聴を邪魔しないで遊べるハード」を先鋭化させた「外でも遊べる家庭用ゲーム機」というコンセプトは明快だ。Wii Uに感じていた中途半端さ、停滞感が今回は払拭されるのではないだろうか。

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Nintendo Switchは発売日に買う。買いたい。今すぐにでも予約させて欲しい。

人工知能を愛せますか? 『人喰いの大鷲トリコ』レビュー

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2017年1月8日の朝日新聞朝刊別冊「GLOBE」の特集は「人工知能を愛せますか?」。男性のパートナーとしてのアンドロイド・エリカや、すでに実用化されている携帯電話型ロボットのロボホンに始まり、人工知能(AI)の技術革新により去来する不安や幸福に向き合った興味深い特集だ。これを読んでいて思い出したのだが、先日クリアした『人喰いの大鷲トリコ』もずばり、トリコというAIと向き合うゲームだった。

しかし私自身はこのゲームのプレイ中、どうしてもトリコを愛し切ることができなかった。

 

  • 『人食いの大鷲トリコ』について

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本作は『ICO』や『ワンダと巨像』のディレクターである上田文人氏による11年ぶりの最新作。謎の砦で目覚めた主人公が大鷲トリコと共に脱出を図るというアクションアドベンチャーゲームである。

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特徴的なのはやはりこのゲームの核となるトリコとの交流。大鷲、といっても羽が折れ4本足で主人公を追いかける様はまるで巨大な犬か猫かのようで、とても愛らしい。ゲーム中はトリコでないと越えられない崖や、トリコでないと倒せない敵が次々と現れるため、プレイヤー=主人公は身振り手振りでトリコに指示を出し、障害を乗り越えていく。

AIとの交流を描いたゲームはもちろんこれが初めてではない。どこからをAIと定義するかという議論の余地もあろうが、『たまごっち』や『シーマン』、『Nintendogs』といったゲームはAIをテーマにしていたと言って差し支えないだろう。ただし本作の「巨体を持ったAIと共に謎を解きゴールを目指す」という設定はかつてないものだ。巨大ロボの肩に乗って闘うアニメ『ジャイアントロボ』やゲーム『ギガンティックドライブ』をこよなく愛する私としては、相棒が巨大で、しかもその背に乗って冒険できるという設定だけで、心を鷲掴みにされてしまった。

 

  • 私がトリコを愛し切れなかった諸要素

但し最後の最後まで、相棒であるトリコを愛し切ることができなかったのが私自身の本当の気持ちである。要因はゲームを取り巻く環境、AIの反応、操作性と多岐に渡る。

まずこのゲームが上田文人氏の過去作であるICO』(2001年発売)の語り直しであることがずっと引っかかっていた。『ICO』は主人公であるイコが、ヨルダという少女と共に城を脱出するアクションアドベンチャーゲームであり、今作と設定が酷似している。またキャラ配置はイコ=謎を解いて道を切り開く・敵を倒せる、ヨルダ=謎解きのキーとなる・敵との戦闘中に敵に異空間に引きずられたらゲームオーバー、となっている。これはやはり『人喰いの大鷲トリコ』の、主人公=謎を解いて道を切り開く・敵との戦闘中に敵に異空間に引きずられたらゲームオーバー、トリコ=謎解きのキーとなる・敵を倒せる、という配置と一部を入れ替えながらも共通したものである。同じクリエイターが語り直しをするのを否定するつもりはないが、私自身は11年、企画発表の2009年から数えても7年待ったのである。もっともっと、新しいものを見たかったのが本音だ。

またAIであるとのトリコとの交流要素も難点が多かった。主人公はR1ボタンと各ボタンの組み合わせでトリコに指示を出すことができるのだが、方向指示が正確に伝わっているのかそうでないのかよくわからないまま、トリコが私の意に反する方向に行ったり来たりするという場面が何度もあった。このゲームの魅力でもある立体的で複雑な砦の情景や、物理的なデータ表示を廃した雰囲気重視の映像表現が仇となって、こういう事態が発生していると思われるが、何か改善の余地はあったのではないかと思う。はじめのうちはトリコの気まぐれさと思って愛らしく思えていたが、最後まで繰り返し発生するためにイライラが積もってしまった。

最後に操作性についても触れておく。本作はとかくダイナミックなカメラワークを設定されており、屋外においてはそれがドキドキハラハラを呼ぶ場面も多いのだが、狭い屋内になると酔いを引き起こすほどの暴れ馬っぷりを発揮してしまい、長時間のプレイが困難だった。またトリコの毛並みが謎の吸引性を発揮しており、主人公が接触すると自動的に張り付いてしまうものだから、意図した操作ができなくなるという場面も多々発生していた。終盤で「×ボタンを押しっぱなしにしていると引っ付かない」ということに気づきはしたが、基本動作なのだからゲーム中に説明があってもよかったのではないだろうか。

 

  • あなたはトリコを愛せるかもしれない

とまあ気になる部分は多々あるものの、これらは私個人の感想。トリコはAIであるし、プレイヤーそれぞれの遊び方、気の持ちようで愛せるか否かは変化するはずである。

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前述のように本作は唯一無二のゲームである。上田文人作品の最大の特徴である叙情的なストーリーは健在であるし、神秘的という言葉では片付けられない程の情景の数々には、何度も足を止めて見入ってしまった。ゲームという枠に収まらない、価値ある体験ができるのも確かである。

未来のことはわからないが、今の人工知能はここにある。是非多くの人が本作に挑戦し、2016年の最新ゲーム用人工知能を愛することができるか、自らを試してもらいたいものである。

 

2017年冬アニメはこれを見ろ!

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

昨年は読んで頂ける方がびっくりするほど増えたので、今年もマイペースに頑張っていきたいと思います。

とりあえず年始は今期オススメアニメから。前期推した『ユーリ!!! on ICE』は想定以上の大ヒットを記録。やっぱり新作アニメは何が起こるかわからないから、面白い。

 

tv.littlewitchacademia.jp制作はTRIGGER、監督は吉成曜氏。元は若手アニメーター育成プロジェクトアニメミライ」で上映されたアニメ作品。youtubeで公開されるや世界中で話題となり、続編映画、そして今回のTVアニメシリーズに漕ぎ着けた次第。

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昨年末から新宿駅地下で展開している広告も超絶かっこよかった。アニメミライ版が大好きなこともあり、今期で一番の期待の星だ。

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  •  ACCA13区観察課

acca-anime.comオノ・ナツメ原作のアニメ化。制作はマッドハウス、監督は夏目慎吾氏。スペース・ダンディやワンパンマンといった常にハイレベルな作品を仕掛ける夏目慎吾監督の新作とあっては期待しかない。

またキャラデザは久貝典史氏、総作画監督は小田剛生氏ということでワンパンマン参加スタッフのチームワークが見どころか。

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maidragon.jpクール教信者原作のアニメ化。制作は京都アニメーション、監督は武本康弘京アニのコメディ枠ということで『甘城ブリリアントパーク』みたいなノリだろうか。

とりあえず京アニの新作だから、見ろ!

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