ユウキズ・ダイアリー

アニメ・映画・ゲームについての雑記

世界で初めて「アニメ」をゲームにした『Cuphead』という驚異的なアクションゲームを遊んでほしい

先週末発売された驚異的なゲーム―鉛筆とインク、水彩絵の具でが描かれたキャラクターがアニメーションするアクションゲーム『Cuphead』に胸を打たれてここ数日毎晩のように遊んでいる。

難易度の高さに泣かされゲームオーバーになった回数は数知れないが、それでも止められない、先に行きたい、いやこの先に待つアニメ的表現を見たいという衝動に突き動かされる。それと同時に、昔見たディズニーアニメ、昔遊んだ2Dアクションゲームの記憶が蘇る。

ただのアニメ絵を動かすゲームではない。クラシックなアニメとゲームへのリスペクトが最新のゲームデザインと融合した、これまでに見たことのない傑作2D[アニメ]アクションゲームだ。

 

  • 1930年代風の驚異的ビジュアル

前述のとおり『Cuphead』は背景からキャラクターに至るまで全部手書きというのが売り文句。これは1930年代のアニメーションー『蒸気船ウィリー(1928)』から始まるミッキーマウスの短編映画や、フライシャー兄弟ベティ・ブープポパイといった古典アニメ―を模したものと謳っており、現代の日本の流行りや、アメリカのアニメーションとも全く異なる。

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ゲームの大半を占めるのがボスステージ。ほとんどのボスはダメージを受ける毎に第2、第3の姿を見せてくれる。その変化が見たいから、いくら負けても先を見たくなる。

愛らしくもシニカルなキャラクターは、かつて見たクラシックアニメと、確かに重なるものがある。また個人的には30年代アニメインスパイアな映画『ベルヴィル・ランデブー』も彷彿とさせるのが嬉しいところ(大好きな映画なのだ)。

 


Cuphead E3 2017 Trailer (1080p)

そしてこのビジュアルがヌルヌルとアニメーションするのである。一見すると古めかしいが、一周まわって新しい。ゲーム界隈では見たことのない新しいビジュアルが、過去と現在の技術の融合で生み出されたのである。

たった1枚の静止画で開発者のこだわりは伝わると思うが、動画でこそ本当のすごさがわかるのでとにかく一度トレイラーを見てもらいたいところだ。

 

  • 鬼畜かつ絶妙な難易度

このゲームの印象をより際立たせているのが、あまりにも高い難易度だ。どのステージも敵の攻撃は苛烈で容赦なく、アニメーションに見とれているとたった3つしか無いライフは瞬時になくなりゲームオーバーまっしぐらとなる。

ビジュアルを見せたいゲームだろうに何でこんな難易度なのか、というのが最初は甚だ疑問だったが、遊べば遊ぶほどクラシックな日本産アクションゲームへの深い愛情を感じずにはいられず、どうやら高難易度なのも意図したものであるらしい。激しい攻撃に晒されるボスステージはロックマンの記憶が蘇るし、横スクロールステージは魂斗羅ガンスターヒーローズだ。 

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アニメ化して舞い戻った『ロックマン2』のメカドラゴン

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数はさほど多くないものの2Dスクロールステージも存在する。大量の雑魚キャラの細やかな仕草からアニメーターの苦労を想像すると涙を禁じ得ない。


しかし難しい難しいと言いつつも、ほとんどの攻撃に予備動作があるので、パターンを覚えれさえすれば避けられないことはない。

ステージクリアで貯めたコインを使ってHPの増加アイテムや無敵ダッシュ、溜め打ちや追尾弾などの攻撃バリエーションを購入すればパワーアップも図れる。選択式なので全てのアイテムを一度に装備することはできないが、戦い方や敵の攻撃に合わせて戦略を練るのもまた楽しい。

ステージのリトライも素早いので、総じて理不尽さもストレスも感じることはない。鬼畜だが絶妙な難易度設定。止めどころが見つからなくなる。

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スーパーマリオブラザーズ3』な平面マップでステージやショップを選択

 

  • アニメとゲームの原体験をもう一度

普段アニメもゲームも息をするように接種していると忘れがちだが、このゲームのプリミティブな面白さ―それこそ絵が動くだけで面白いし、動かすだけで楽しい―に気づくと、忘れていた幼いころの原体験、初めてアニメやゲームに触れた頃の感動が蘇ってくる。思い出させてくれた『Cuphead』には感謝である。

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理不尽ではないとはいえそれでも高い難易度や、PC(Win10のアプリストアと、ゲームプラットフォームSteamで購入できる)とXBOX One向けにしか現在発売予定がないこと、今後予定されているとはいえ未だ日本語字幕がないことなどプレイするまでのハードルは低くはない。

それでも、後にも先にもないであろうこんなにも見事なアニメとゲームの融合作が、多くの人に遊ばれてほしいと願わずにいられない。今年のベストインディーゲーム候補はこれに決まった。

 

store.steampowered.com 

新作アニメはこれを見ろ2017年秋

福岡に来てからこっちアニメ視聴は配信頼りになっており、そうすると本放送との時差が出てくるわけでまだまだ夏アニメが終わった気がしない、というか終わってない。どうなるんだよ『NEW GAME!!』と『ゲーマーズ』の最終回は!

そんな地方民の思いはさておき秋アニメが始まるので見るべきアニメを紹介しておく。

 

land-of-the-lustrous.com

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市川春子による繊細な画風の原作を、『ナイト&マジック』で毎度見事なCGロボ戦を描いてみせたアニメスタジオ・オレンジと、『プリリズ』や『キンプリ』、『ラブライブ』のライブ演出手腕が光る京極尚彦監督がCGで如何にして表現するのかが要注目、というのは表向き。

個人的には大ファンである声優・黒沢ともよが主人公・フォスフォフィライトを演じるというだけで見ないわけがない。前期のアニメ『サクラクエスト』の鈴木エリカ役で見せた憎たらしい中学生演技も見事だったが、なんと言っても絶賛公開中の『劇場版 響け!ユーフォニアム 届けたいメロディ』の主人公・黄前久美子の全身全霊体当たり演技には脱帽である。久美子の泣き演技には全部泣かされた。

というわけで『宝石の国』は今期イチオシだ。

 

TVアニメ「クジラの子らは砂上に歌う」公式サイト |

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原作未読なので面白さは未知数であるが、『Occultic;Nine』『四月は君の嘘』のイシグロキョウヘイ監督の久々の新作となれば見るしかなかろう。Netflix全世界配信予定ということでクオリティの高さも見込めそう(Netflixといえば来年配信予定の湯浅政明監督による『デビルマン』も楽しみで仕方ない)。

 

あとは久々の新作『キノの旅』に、続編ものだと『血界戦線&BEYOND』(監督変わるのかよ!!!)やアイドルアニメ枠2本が気になるぐらいか。『アニメガタリズ』はダークホース、かもしれない。

不作……いやいや、予想を越えた出会いに今期も期待したい。

 

VR紗霧に頬ずりしたくなる東京ゲームショウ2017

福岡に居を移そうとも仕事を放り出し飛んで向かった今年の東京ゲームショウ

縁あってビジネスデイ入らせてもらったものの人気ゲームはどこも長蛇の列で、特に遊びたかった『エースコンバット7』『ラブプラスEVERY』は2時間待ち。そこで早々に回れ右して別館(7~10ホール)に移動すると、そこは例年通り世界中の個性的なインディ&VRゲームが集まる宝の山だったので幾つか紹介してみる。

 

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大手メーカーで唯一遊んだのは待ち時間が少ない以前から注目していた『ソニックフォース』。高速アクションがストレスなく遊べるだけでなく、新キャラ「アバター」のチェーンアクションで更に爽快感がアップしている印象。これは買う。隣のブースの牧瀬紅莉栖氏に見惚れていたらソニックの写真を撮り忘れたのはやむなし。

 

  • スマホVR/ARでアニメを身近にするGugenka

今回の東京ゲームショウで1番面白いと思ったのがGugenkaブース。ここではスマホを使ったVR/ARタイトルが、それぞれ違った切り口でアニメの具現化に挑んでいるのが見どころだった。


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『めざまし!VR 義妹と同居生活 エロマンガ先生 -紗霧の部屋着編-』は、アニメ『エロマンガ先生』のエロマンガ先生こと紗霧ちゃんを、開いたドアの隙間から舐め回すように眺めることができる夢のようなアプリ。

このアプリの特徴はiOS11から導入されたARkitを用いたポジショントラッキングにより、コントローラーも外部センサーも無しにVR空間を自由に歩き回れること。頭を下げれば(紗霧ちゃんがパジャマ姿なのが返す返す残念であるが)目線を下げられるし、前に動けば紗霧ちゃんの顔にずずいっと近づける。ここが現実世界なら警察沙汰であったろうがここはVR空間。ブースの方からは「VR空間での動き方わかってますね~」と褒められる始末。

iOSのARアプリは今のところ目ぼしいものがなくて期待はずれもいい所だったけど、技術の組み合わせでこんな事ができるのかと感心させられた。リリースされたら間違いなく買い。

 

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『PARALLEL VR LIVE』は複数人のプレイヤーがVR空間で踊るアイドルを応援するというVRライブ空間共有アプリ。PC用にこういうソフトが開発されているのは知っていたが、もうスマホにやって来たのかと驚き。あとスマホの画面を指でこすってサイリウムを振る操作方法がバカらしくて良し。

 

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『HolomModels』は打って変わって純粋なARアプリ。AR空間上のフィギュアを触って好きなポーズを取らせる事ができるというもの。ユニークなのが各種スプレーをかけることでサイズを大小変えられるという点で、大きくすればまさに実物大フィギュアに。

会場では10月からの新番組アニメガタリズのキャラクターをモチーフにしたフィギュアで遊べたが、今後は各企業にも売り込んでいくとのこと。様々なコラボが期待できそうだ。

 

スマホのVRアプリといえば操作性がネックで画質も低く、PCの下位互換という印象が拭えなかったが、今回見たコンテンツはコントローラーに頼らない操作性を模索し、スマホといえど再現度の高いアニメキャラが描画されていた。また拡張性が高いであろうARフィギュアにも驚かされた。Gugenkaには手軽で身近なVRの新たな萌芽を見た気がする。

 

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もう一つ紹介したいのが120ものブースが軒を連ねるインディゲームコーナーで見かけた、私と同じく福岡からやってきたガンバリオンの『修羅道』。

ガンバリオンといえば任天堂バンダイナムコゲームスのタイトルを開発してるメーカーという印象だが、今回はなんと初の自社販売タイトル。そしてアンリアルエンジンを使った度を越したハイクオリティグラフィックに驚愕させられた。このキャラがスマホで動くのだからどうかしている。

中身はタイミングよくボタンを押してサムライがどつき合う、和風&ダークソウルテイストのインフィニティブレイドという印象。グラフィックを見せたいのであればこういうシンプルなのがベターなのであろう。3ステージ目であっさり負けてしまったのでやり応えはありそうだ。

 

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他にも会場で見かけたバカVRアトラクションなど。大変勢いよく回っていた。

 

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こちらはVR月面旅行か。時間が許せば触って見たかった。

 

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最後に向かったのは閉会後に開催された「センスオブワンダーナイト2017」。世界各国のインディーゲームの中から選りすぐりの8作品のプレゼンを聞き、各部門の受賞作を審査員と観客で決めるというビジネスデイならではのイベント。センスオブワンダー感じっぱなし、ピコピコ鳴らしっぱなし。

 

 

ようやく会場を後にしたのはすっかり陽が落ちた19時半。今回これまで以上に開発者との距離の近さを感じたのはビジネスデイだったからというのもあるだろうが、各ブースでゲームはもちろん、展示物や直接のコミュニケーションを通して、ユーザーを取り込もうとする熱量の高さを感じたのも事実。『ソニックフォース』に『女神転生DSJ』、『地球防衛軍5』、『とある魔術の電脳戦機』、そして『モンスターハンターワールド』。楽しみなタイトルは限りなく、未来の「センスオブワンダー」との出会いを信じられる濃厚なイベントだった。また来年。

  

アイマスのライブBlu-rayを見るために安価な84インチシアター環境を作ったはずがアイマスKRを見ていた

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84インチスクリーンで見るアイマス最高!

 

  • 経緯

何の因果か今年の7月末から福岡県博多市に一人暮らしをすることになり、わたくしユーキの住環境が劇的に変化。時を同じくして待ちに待った昨年開催のアイドルマスターシンデレラガールズさいたまスーパーアリーナ公演こと『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 4thLIVE TriCastle Story』の模様を収録したBlu-ray BOXが今月8月末に発売することとなり、もうこれは大画面環境でライブBlu-rayを堪能しろということだと思い込んで最低価格で必要製品を買い集めてみたら一応形になったので記録しておく。

 

  • 買ったもの

84インチスクリーン 3,000円

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筒で届く。

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広げる。

 

物干し竿 2,700円

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スクリーンを引っ掛ける。

 

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引っ掛けたの図。右上端にサイズ比較用Suicaをペタリ。縦100cm✕横180cmはとんでもなくでかい。

 

プロジェクター 7,700円

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肝心の安物プロジェクター。海外メーカー製。

 

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比較用に近くにあったSwitchのコントローラを置く。超小さい。映せるのかお前。

映像出力元はPS3。音声はPC用のスピーカーを引っこ抜いてプロジェクターに繋いだので元手なし。しめて14,000円未満の出費なり。

 

  • 試写

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映った!

 

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怪獣映画に大スクリーンはやはりバッチリの相性。2.5m程度の距離をとれば84インチのスクリーンいっぱいに映像が映る。安物プロジェクター恐るべし。

 

  • 改善必要な点

・映写してる時はそんなに気にならないが、安物のスクリーンをきれいに吊るのは難しくてシワが出る。要工夫。

・安物プロジェクターはやはり解像度、発色がイマイチ。解像度は実写だとあまり気にならない。アニメだとちょっと気になる。発色は設定をいじり倒すとまあまあマシになった。コントラスト設定を下げるのは必須。しかしまだ物足りないので使用頻度が高くなれば高額プロジェクターを買ってもいいかもしれない(10倍ぐらいのお値段を許容できれば……)。

・プロジェクター本体のモノラル音声より断然マシだが、PC用の安価なスピーカーではイマイチ。低音が出るスピーカーが欲しい。

 

肝心のBlu-rayを待っているとコロムビア様から何やらメールが。

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……転居に伴う配送先変更が遅かった模様。シアター環境を作る前に真っ先にやるべきことがあったのではないか。

 

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というわけでやり場のない気持ちをAmazonプライムで絶賛配信中の韓国製実写ドラマ『アイドルマスターKR』にぶつける。スジ可愛いよスジ!(面白くて結局4話まで見てしまったのは怪我の功名。続きもこのスクリーンで見る)

 

アイドルみんなが主人公 『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5thLIVE TOUR Serendipity Parade!!!』レポート

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さいたまスーパーアリーナで8月12日、13日に開催された最終公演をもって、アイドルマスターシンデレラガールズ初の全国ライブツアー『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5thLIVE TOUR Serendipity Parade!!!』がその幕を下ろした。実に全国7箇所2日間ずつ計14公演ものライブが開催された中、プロデューサー(アイマスファンの総称)の身である私はなんとか5箇所7公演(宮城、大阪、静岡、福岡、埼玉)は現地に赴き、2箇所2公演(石川、幕張)はライブビューイングの形で参加することができた。およそ2週間に1度のライブにこの3ヶ月は忙殺され、旅費とチケット代に幾ら費やしたのかを考えるとゾッとするが……素晴らしいライブと、ツアーを通して未だ成長する様を見せてくれたアイドル達には感謝の気持ちしかない。

アイマスについては畏れ多いため筆を取ることを避けていたのだが……、今回こそはライブツアーで受けた感銘を自分なりに記してみたいと思う。

 

  • 全国ライブツアーの意義

全国ライブツアーはアイマスとしては今に始まったことではなく、765プロオールスターズはもちろん、シンデレラガールズの妹分であるミリオンスターズも経験済み。5周年でようやく開催の運びとなったのは、60人以上の大所帯となってしまったことが一因ではあるだろう。しかし今回は、地方公演6箇所分については開催箇所毎に異なる15人のアイドルが参加、さいたまスーパーアリーナの最終公演に限り60人のアイドルを1日目と2日目に分けて配置、という割り振りが行われた。こういった施策のおかげで、所帯が軽くなり、各アイドルの見せ場が十分に生まれていたように思う。

最終公演だけに着目すると、ソロ曲が歌えないアイドルも目に付いたことだろう。しかし各地方公演ではそんなアイドルのソロ曲も聴くことができたし、まだソロ曲を持たない新米アイドルたちも、最終公演にはない企画コーナーで持ち前のトークスキルを遺憾なく発揮していた。残念ながら最終公演に参加できなかった面々にだって、地方公演には活躍の場が用意された。

全国ライブツアーの1番の意義は、普段関東で開催されている公演を地方で開催することで、アイドル達の生の声を、笑顔を全国に届けることだと思っている。ただ結果的には、全てのアイドルの見せ場が長くなったことで、みんなが主役である「アイドルマスターらしい」ライブに立ち返っていたように思う。それこそ、3rd、4thライブと続いたアニメ版ベースの世界観ではなく、私自身ディスク媒体でしか見たことがなかった1st、2ndライブを見ているかのような気分で、毎公演楽しむことができた。

しかしみんなが主人公とはいえ、各公演のセンターを務めるアイドルにも今回は注目が集まった。これまでのライブではセンターといえば島村卯月大橋彩香さんと相場は決まっていたのだが、大橋彩香さんが参加する地方公演は大阪のみ。そこで各公演では毎回異なるアイドルがセンターを務めることとなったのだ。特に1番最初の宮城公演は、私の担当アイドル(アイマスでは推しの娘をそう呼ぶ)諸星きらり松嵜麗さんが驚きのセンター。

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センターアイドルを意識していなかった初回公演で、しかも現地での観賞で不意打ちを食らった事もあり、感極まってしまったのも無理のない事。各公演、全てのアイドルが輝いていたことは確かだが、センターを務めた6人が格段に輝いていたことは、ライブを見た人なら否定できないだろう。

 

さてそんなライブの締めくくりとなったさいたまスーパーアリーナでの最終公演。

1日目はきらり担当としてはもう宮城公演以来の「にょわのわーるど☆」「あんきら狂騒曲」、そして「With Love」が聴けたことで大満足。また福岡公演でも披露された神山奈緒松井恵理子さんの「Neo Beautiful Pain」には再びヤられた。2日目はようやくのお披露目となった「ラブレター」「Treasure☆」が印象深いが、何と言っても「∀NSER」から「サマカニ!!」までの怒涛のユニット曲7連続には燃え尽きた。

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両日通すと、初披露は何曲かありつつもライブツアー中に聴いてきた馴染みの曲ばかりのため「ライブツアー総集編」という面持ちで始終安心して聴くことができた(意外な組み合わせばかりで会場を湧かせたDJぴにゃコーナーは除く)。歌やダンスに滲み出る自信、MCから伝わる演者間の距離の近さには、ライブツアーを通して築かれた成長と絆が見えるようで、なんでもないところで目頭が熱くなることもしばしば。これもまたライブツアーの賜物であろう。

 

  • 夢の単独ドームライブへ

そして最終公演での一番の事件は、最終日の「来年の6thライブはドームで開催」という発表。アイドルマスターとしては2015年に合同ライブが西武プリンスドーム(現メットライフドーム)で開催されたこともあったが、作品単独でのドーム公演は初めての出来事。年々競争率の上がるチケット争奪戦に対し、来年は何枚CDを買わなければいけないのかと思うと今から頭が痛いが……それはさておき、ライブツアーで成長したアイドルたちやまだ見ぬ新アイドルが、来年はどんな景色を魅せてくれるのか想像すると逸る気持ちで胸がいっぱいである。

しかしプロデューサーには片時も休む暇がない。10月には765ミリオン合同の武道館ライブ、1月には765プロ久々の単独ライブと追いかけているうちに、ドームライブまであっという間。プロデューサーになってからもう10年は経とうとしているが(2007年11月にXBOX360版を買って以来の付き合いだ)、ここ最近の忙しくも楽しいプロデューサー生活が、1番充実しているように思う。

来年に向け、まずは来週に発売が迫った4thライブBDでイメトレ開始だ。

 

2017年夏アニメはこれを見ろ!

面白いアニメはわからないが面白そうなアニメならわかる。本日よりスタートの2017年夏アニメから気になる作品をピックアップしてみた。

 

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先月末に念願の『HUNTER×HUNTER』第34巻が発売されたが、同時に購入し、負けず劣らずの迫力に圧倒されたのがこの夏アニメ化される『ボールルームへようこそ』の原作第9巻だった。

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そんなノリにノッている原作を監督する板津匡覧氏は、故・今敏監督の遺作となるはずだった『夢見る機械』の監督代行を務めるはずだった男である(残念ながら制作中止となった)。今回が待望の初監督作品だ。 キャラクターデザインは岸田隆宏氏、作画監督千葉崇洋氏、本田真之氏というとこで『ハイキュー!』作画チームの手腕も再び拝むことができそう。今期最も楽しみにしている作品だ。

とりあえずキレッキレの作画とUNISON SQUARE GARDENの新曲が心地良いPVを見て欲しい。

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miabyss.com

監督はマッドハウスで『マスター・キートン』『MONSTER』『花田少年史』など数々の名作を手掛けたベテラン小島正幸氏。キャラクターデザインは『機動警察パトレイバー』『攻殻機動隊』の黄瀬和哉氏、シリーズ構成は硬軟書き分けが上手いうえに原作付きもオリジナルでもどんと来いな『R.O.D.』『灼熱の卓球娘倉田英之氏というビッグネーム揃い。

つくしあきひと先生の原作は……未読であるが、コナミ勤務時代に美術を担当されてたゲーム『エレビッツ』は好きであるし、過去にはコミケで同人誌も買わせて頂いたことがあるので気になっていた。アニメ開始後に読んでみるつもりだ。何と今なら電子版が10円!(PR)

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  • ザ・リフレクション

公式サイト

このところアニメに力を入れだしているNHK総合の新作はなんとスタン・リーおじいちゃんと『蟲師』長濱博史監督によるオリジナルヒーローアニメ。キャラクターデザインは『蟲師』、『僕のヒーローアカデミア』の馬越嘉彦氏。ストーリーもヒーローアカデミアライクである。

スタン・リー氏原作のアニメといえば過去に『HEROMAN』などもあったが、今回こそはMARVELユニバースの昨今の盛り上がりに乗じた合流なんかも期待してしまう。さてどうなるか。

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今期は原作ものが元気ある印象。引き続き放送となる『レクリエイターズ』『サクラクエスト』の展開も注目である。

 

ガチンコ『ARMS』の危うい面白さ

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今朝起きたら腱鞘炎になっているぐらいに週末熱中していたNintendo Switch用新作ゲーム『ARMS』。こんなにガチンコで良いのかなという疑問半分、しかし当分止められられなさそうでもあり。

 

  • ついに登場した『Splatoon』以来の新キャラクター

まず『ARMS』についてサクッと説明すると、Nintendo Switch用として発売された新作アクションゲームである。Switchの特徴でもある2本のコントローラー(Joy-Con)を両手に構え、ボクシングの要領で伸びる腕で攻撃し合う2人用対戦モードがメインとなっている(2人対2人のチームバトルや、バレーボールやバスケットボール風のおまけ対戦モードなどもある。また実は通常のコントローラ両手持ちプレイもできる)。

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他のゲームで例えるなら、ベラボーマンとダルシムしかいない『電脳戦機バーチャロン……と言うと余計に分かりづらいか。Wiiスポーツ』のボクシングを対人戦用にパワーアップしたようなゲームである。

そして実は本作は、大ヒットタイトルSplatoon』以来2年ぶりとなる任天堂が据え置き機向けに発売する新規キャラクターゲーム。Switchを代表する1本になるのではないかと、密かに注目を集めていたタイトルでもある。

 

  • 間口を狭めかねないガチンコ加減

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Wiiスポーツ』然り、『1-2-Switch』然り、これまで腕を振り回して遊ぶ体感型ゲームの多くは気軽に遊ぶ事、観衆も一緒に楽しめるものが主だった。そのため今作も気軽に遊べるゲームでは……という想像を膨らませていたのだが、開始早々にそんな思いは崩れ去った。

本作のメインとなる対戦モードは「パーティマッチ」「ランクマッチ」に分かれているのだが、この「ランクマッチ」は一人用モード「グランプリ」の全7段階の難易度のうちレベル4(丁度真ん中の難易度)をクリアしなければ解禁されない。これは2D格闘ゲームでいうところのアーケードモードのような、任意のキャラクターを選んでCPU10人と連戦するモード。当然さっさとクリアして対戦を楽しもうと思ったのだが、1人目から負け続ける始末。特に7戦目のニンジャラ戦で1時間以上の足止めをくらったこともあり、クリアするのに結局4~5時間程度かけてしまった。

レベル1から順に時間をかけてプレイしなかったのが悪いということも、トレーニングモードをクリアして上達してから挑戦すべきだったことも、そして私みたいな下手っぴがいきなりランクマッチに行ってボコボコになるのを防ぐために任天堂があえて困難な関門を作って成長させてくれたことも、全てわかっている。わかっているが、なんというガチンコっぷりだろうか。

任天堂のバトルゲームといえば『マリオカート』『大乱闘スマッシュブラザーズ』などの運が大きくからむ乱戦ゲームや、『Splatoon』のようにチームメンバーでリスクが分散される協力ゲームなど、初心者でも気軽に手を出せるゲームが主軸だと思っていた。本作ではそんな甘い気持ちは許されない。全ては自己責任の真剣勝負。しかしこの「体感アクションゲーム」なのに「ガチンコバトル」を強いるアンバランスさは、ゼルダなのに終始リモコンを振らせるWii用ソフトゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』を彷彿とさせるものがある。

 

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ここまで『ARMS』は異質だという話をしてきたが、じゃあつまらないのかというとそんなことなことはない。いざ遊べるようになったランクマッチは想像以上に熱くて面白い世界だった。ガチンコだからこそ、一戦一戦に一喜一憂できる。負けたら反省して対策を考えるし、それがハマると気持ち良い。これはもしかしたら、自分がいつもちょっとやっては挫折して気付くことのなかった、格闘ゲームが本来持っている熱さなのかもしれない。

『ARMS』は多くの格闘ゲームのように「パンチ」「投げ」「ガード」の3すくみが基本になっているが、キャラクターの手が伸びるという特殊性により、お互いに相手の動きを見てから回避or反撃を行うのが容易になっている。また格闘ゲームのようにコマンドを覚えるということも必要ない(全ては腕を振るかワンボタンで技が出る)。これらは任天堂なりに格闘ゲームのエッセンスを昇華した結果に思える。

 

本作はおそらく間口の狭さからしてかなり人を選ぶゲームだと思うし、長いストーリーモードもなければやり込み要素も少ないところはまるで発売当初の『ストリートファイターⅤ』のようだ。『Splatoon』先輩のように喝采を浴びて万人に受け入れられることはないだろう。けれどもランクマッチを通じて真剣勝負の面白さを広く伝えたいという、任天堂の意気込みを強く感じる。だから私個人としては腱鞘炎を押してでも、もっと遊びこんでみたいと思っている。

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そしてゲームを続けるのに一番大事な事は、好みのキャラクターを見つけること。幸いツインテーラの健康的なセクシーさに一目惚れしてしまったので、続けるのに苦はなさそうだ。