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宇宙は美しくて退屈 『No Man's Sky』発売直前レビュー

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国内PS4版を明日に控える今夏最も話題のゲーム『No Man's Sky』。既に販売が開始されているPC用ゲーム配信サイトSteamでは今年最大の同時接続者数を記録したとも喧伝されており、世界的な注目の高さがうかがえます。

幸い今年のというか毎年お盆休みは何の予定もなかったため、山にも海にもプールに行かず『No Man's Sky』で一人黙々と宇宙探査に励んでいました。いやー、予定がないって素晴らしい。ただゲームの内容自体は、良くも悪くもプレイ前に想像していた通りだったことを最初に報告しておきます。

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  • 『No Man's Sky』とはどんなゲームなのか

このゲームが注目を集める由縁は、1844京6744兆737億955万1616個もの惑星を冒険できるという未だかつてない大規模なゲームだからです。惑星はプロシージャルに(一定の計算に基づいて)生成されるため、一つとして同じ星はないとか。なんというか、想像を絶する技術です。こんなゲームを遊べてしまう世の中になったことが、遊んだ今でも信じられないぐらです。

もちろん惑星はただ浮いているだけでなく、プレイヤーが着陸できるし、動植物が生息しています。ゲームの目的は、新種生物・鉱物を発見しお金を貯め、鉱石を採掘して燃料を稼ぎ、179,000光年の彼方にある宇宙の中心を目指すことです。

179,000万光年って何……?という感じですが、とにかくこのゲームはあらゆる点が大規模で、となりの惑星までリアルタイムに2時間かかったりします。そんな距離も燃料を使ってとばせば1分に縮まるので不便なこともなく、宇宙の広大さを思う存分味わうスパイスになっています。

 

  • 『No Man's Sky』は美しい

各惑星は地球では見たことのない色彩、動植物にあふれており、目を奪われることが幾度となくありました。ゲーム内を観光するのが好きな私はプレイ中、カメラ片手に、じゃなくてスクリーンショットボタンに指を置いてカメラ小僧と化していました。

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  • 『No Man's Sky』は退屈

しかし、いくつかの惑星を渡り歩いていると、気づいてしまいます。確かに大なり小なり違いはあれど、そんなに変化がないことに。

現実の惑星は、もちろん地球は変化に富んでいますが、それは文明と生物の宝庫だからであって、他の惑星は何の感動もない陸地が続いているだけです。たぶん。行ったことありませんが。

『No Man's Sky』に出てくる惑星には文明というものがありません。だから生物と陸地に思いを馳せるしかないわけですが、プロシージャルという神の見えざる手は、どの惑星も「同じ感じ」に生成してしまいました。広大な宇宙空間を産んだ功罪です。見たことのない景観は、プレイしているうちにどの星にもあるお馴染みの景観と化してしまいます。

大きすぎる星、小さすぎる星、生物の住めない星、強敵のいる星、原始人のいる星、超文明の発達した星……ゲームなんだから色々あってもいいものを、色々はありませんでした。

 

  • 宇宙にロマンを求める人へ

というわけでこのゲームは『太陽のしっぽ』です。原始時代を駆け回るだけの彼のゲームのように、広大な宇宙―1844京6744兆737億955万1616個を擁する銀河―をひたすら突き進むゲームです。

そこには何もないかもしれませんが、それこそが最大の魅力。正直言うと私自身、すでにこの『No Man's Sky』宇宙には飽きてしまいましたが、飽きるまでには長い至福の時間があったのもまた事実です。値段分は楽しみつくしました。

なので私は万人におすすめはしません。ですが宇宙にロマンを求める人は、絶対に感じ入る部分があるはず。SF映画の中でも『2001年宇宙の旅』と『インターステラー』が好き、なんていうSF耐性のある方にはぜひ手にとってもらいたい次第です。

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