ユウキズ・ダイアリー

アニメ・映画・ゲームについての雑記

テイルズシリーズは本当にDSがメインになるの?

バンダイナムコゲームス、「テイルズ オブ」シリーズ2007年度ラインナップ発表会を開催(GAME WATCH)


「今後の主力ハードはニンテンドーDS」 

発表会のリアルタイム速報を追っかけていた際に見た、テイルズシリーズのプロデューサー吉積のこの発言には、さすがに我が目を疑った。PSハードを代表するRPGの「移籍」である。しかも携帯機への。

発表会のスライド見るとテイルズシリーズの特徴とは、

・深いテーマ性を内包したドラマ
・アニメーション、テーマソング、キャラクターボイスが彩るサウンド&ビジュアル
・独自の戦闘システム・リニアモーションバトル

だそうで、DSにはこれらの「テイルズらしさ」を十二分に表現できるポテンシャルがある、とのこと。

DSは今年に入っても依然好調、バンダイナムコもDSには本気で取り組んでいる、とくればPS・PS2におけるナムコの稼ぎ頭を任天堂ハードに移籍させるのは経営的な面から見れば間違いではないのだが、ファンにとっては嬉しい判断と言えるのだろうか。

私自身はここ数年テイルズから離れているので純然たるファンとは言えないだろうが、アニメ風ライト層向けRPGの中でも最も成功したと言えるテイルズシリーズを、携帯機メインに持ってくるのは疑問に思う。氏の言うテイルズシリーズの特徴はなるほどそのとおりなのだが、DSはそれらを表現できるポテンシャルは持ち得ているようには思えない。


これまで携帯ゲーム機で発売されてきたテイルズは以下の6作。
テイルズオブファンタジア なりきりダンジョン
テイルズオブザワールド なりきりダンジョン2
テイルズオブザワールド サモナーズリネージ
テイルズオブザワールド なりきりダンジョン3
テイルズオブザテンペスト
テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー
この中で特に多いのがクエストクリア型のRPGであり、短いプレイ時間でもサクッと終われるこのシステムは携帯ゲーム機にとても相性がいい。逆にいつも通りストーリーを追うだけだった『テイルズオブテンペスト』はファンの間でも非常に評価が低い。これは見た目の悪さや全体のボリュームの少なさなどの様々な要素も起因しているからなのだが、ユーザーのDS版テイルズへのネガティブなイメージを消すのは簡単なことではないだろう。


確かに日本を代表するRPG『ドランゴンクエスト』でさえ最新作はDSで発売されると決定されているのだから、氏にとってもDSを無視できない状況なのだろうが、『ドラクエ9』がDS出るのは「多人数プレイを念頭に置いている」から、そして「元々主人公が無個性なドラクエだからこそ、メインシリーズを多人数プレイ型にしても違和感が少ない」からだ(FFシリーズも『FF11』において多人数プレイ形式を取り入れたが、従来作とは全く異なるものだった)。氏の言う「テイルズらしさ」を表現するためだけなら、もっと適したハードがあるのではないだろうか。


開発は以前DSで発売された『テンペスト』を担当したディンプスから変わって、『レディアント・マイソロジー』を手がけたアルファシステム。携帯機での開発に慣れているからアルファに任せたのかもしれないが、「DSを主力に」と言いつつも開発を外部に任せるという氏の姿勢はやはり理解できない。

先日公開されたPVを見る限りでは思ったよりも面白そうだったので驚きはしたが、やはり据え置き機で出ていた以前の作品と比べると見劣りする。発売されるまでは、DSでメインタイトルを出すのが良かった悪かったなどと結論を下すことはできないが、今作をユーザーが購入するかしないかという選択が今後のシリーズの運命を決めるのは間違いない。


テイルズオブイノセンス』PV


ついでにWii用として発表された『テイルズオブシンフォニア ラタトスク』の騎士を見てみよう。開発中のスクリーンショットを見るとわかる通り、なんと今作はフィールドマップが廃止されている。これはWiiリモコンで行きたいポイントを指定する形になったから、とのことだが、据え置き機用テイルズとは思えないほどの大きな革新。テイルズスタジオ製なのに薄っぺらい内容になってしまうのか? それともこれが新たなスタンダードになるのか? 今後更新される情報を見てみないと、どの程度力を入れてつくられているソフトなのかちょっとわからない。