ユウキズ・ダイアリー

アニメ・映画・ゲームについての雑記

たけしの挑戦状2011『GO VACATION』


かつて「ハンググライダー」も「宝探し」も「喧嘩」も「パチンコ」も「カラオケ」もできる伝説のクソゲーがあった。そう、『たけしの挑戦状』だ。

対して今年発売された『GO VACATION(ゴーバケーション)』は、「喧嘩」と「パチンコ」は出来ないながらも、「ハンググライダー」も「宝探し」も「チャンバラ」も「ダンス」も「スキー」も「スノボ」も「マリンバイク」も「サーフィン」も「インラインスケート」も「乗馬」も「カーレース」も……全部で50のスポーツがいつでもいつまでも楽しめる。言うなれば『たけしの挑戦状』2011年版。ただし、もうクソゲーとは言わせない。

そもそもこのゲームの前身は、Wiiでシリーズ2作目まで発売された人気スキーゲーム『ファミリースキー』。ファミスキの魅力は何と言っても、従来のウィンタースポーツゲームとは一線を画したゲレンデの再現度。場内のくぐもった音声のスピーカーからは「恋人はサンタクロース」が流れ、リフトに乗るとリアルタイムに傾斜を運んでくれる(もちろん乗り継がないと山頂には行き着かない)。リフト搭乗時間はもちろんスキップ可能だが、柱を通過する瞬間にガガガッとリフトが揺れ、リモコンが振動すると、雪山にいる気がして堪らなく嬉しい。
ただし『ファミリースキー』で遊べるスポーツはスキー、スノーボード(2作目で解禁)に限られており、飽きが早いという欠点はあった。これを払拭したのが本作『GO VACATION』。従来の雪山はもちろん健在だが、それに加えて海、高原、都市を含めた4つリゾートがあり、各地で遊べるスポーツは全部で50種類。ここまで来たらもう飽きやすいとは言えない。超大作スポーツゲームWiiに誕生してしまった。

ここで50種類のスポーツの中からオススメスポーツを紹介してみる。
●マリンリゾート

なんちゃって『フォーエバーブルー』。

  • ウォーターガン

まさかの水鉄砲TPS。一人でも楽しいのでこれは対戦してみたい。

●シティリゾート

  • ストリートカーレース

リモコン操作の簡易リッジレーサー。ドリフトがボタン制なのでちょっと違和感あるけど、マリオカートとの折衷だと思えばなんとか。とりあえずBGMがリッジシリーズからそのまま採用しているので盛り上がる!

  • スケートトリック

スキーほどじゃないにしても、右手左手を振り回してインラインスケートをするのは結構ホンモノっぽい。競技としてやりこむのも良いけど、町中で気ままにトリックやレールライドしてるのが一番楽しいかも。

  • ホイールスライダー

ウォータースライダーみたいなコースをインラインスケートで駆け抜けるタイムアタック競技。こんなスポーツホントにあるのかよ!?スピード感はピカイチ。

●スノーリゾート

  • スキー

当然スキーは楽しい。リモコン+ヌンチャクをスキーストックに見立てた初代『ファミリースキー』の偉大さを感じる。そもそもプロデューサーの小林賢也氏はウェップシステム時代に『クールボーダーズ』を手がけていたわけで、日本でウィンタースポーツを作らせたら彼の右に出るものはいないのだ。

  • スノーチューブ

なぜかスノーチューブでボーリングをさせられるが、そんなことより山頂から自殺同然でスノーチューブで疾走するのが楽しい。まるで制御できないので難易度高い。

●マウンテンリゾート

Wiiは水の表現がとても上手い。カヤックも競技そっちのけで、山頂から麓まで川下りするのが楽しい。美しい景色に見とれる。

  • 乗馬

気分は『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』。高原はバギーで走るより乗馬の方が情緒があって良い。

  • No.1箱庭ゲー

50種類もあると、完成度にも差が出てくる。操作していて楽しいものもあれば、早く終わらないかなと思ってしまうものも……。だからこのゲームを、50種類のミニゲーム集として見ると決して高く評価することはできない。でも箱庭ゲーとして見るとどうだろう。
雪山では山頂から気ままに滑って、途中で見かけたレースに参加。高原では馬に乗って山頂まで登り、仲間と記念写真を撮ったらカヤックで麓の湖まで川下り。海では夕日の映える港でマリンバイクを疾駆させるだけで気持ち良い。都市ではインラインスケートでひたすらレールライドして気分は『ジェットセットラジオ』。
それぞれのリゾートで共通しているのは、様々な乗り物を暗転なしで自由に乗り換え、エリア内で見かけた競技にいつでも参加してやり込み可能なところ。この、箱庭内で生活しているような感覚は、他のどんなゲームでも得難い。『どうぶつの森』や『スーパーマリオ64』など、箱庭ゲーと呼ばれるゲームは数あれど、本作はそんな箱庭ゲーの中でも1つの終着点と言えるのではないだろうか。箱庭ゲー好きには、とにかくオススメの逸品だ。