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ゲームの話をしよう 第2集

『ゲームの話をしよう』とは、元ファミ通編集者であり現在は糸井事務所に在籍している永田泰大氏が、著名なゲームクリエイターはもとよりゲームバカの編集者やゲームバカの社長、生まれて初めてゲーム機を買ったばかりの夫婦まで、ありとあらゆるところにテープレコーダー1個で突撃して、中身があったりなかったり、ときには貴重な話も漏れてきたり、とかそういう連載を一冊にまとめた本。一冊じゃないか。最終的には第3集まで発売してる。


たまたま本屋で手に取ったこの本の何がそんなにすごかったかって、何せこの本に詰まってる「ゲームの話」は99年から01年ぐらいのもの。だから話題にあがる『ポケモン』は『プラチナ』の話なんかじゃなくて『スナップ』とか『金・銀』の話だし、『FE』といったら『トラキア776』、中さんは『PSO』前で、宮本さんはGCのことをドルフィンて呼んでるし、ゲーム機を初めて買ったという夫婦が手にしているのは、DSじゃなくてPS2(!)。世紀をまたいだアノ頃に流行っていたゲームの空気が、匂いが感じられて、ただの「ゲームの話」だったはずが、思い出一杯のホロ苦い話にも感じられてくるから堪らない。

しかしこの本を感傷的なだけのゲーム本にしていないのが、クリエイターの方々の至言たっぷりのお言葉の数々。流石にゲームクリエイターと言われる方々は確固とした考えを持っているようで、10年近く経った現在の発言や行動と比べても全くぶれていない。この本を出版当時に注意深く読んでおけば、未来のゲーム業界の形は見えていたんじゃないか、とかそんな気分に。
例えば中祐司さん。先日のカンファレンスで『レッツタップ』『レッツキャッチ』というシンプルで誰でもあそべて、とことん個性的な作品を発表して驚かしてくれた中さん。この本では当時DCで発売されたばかりの『チューチューロケット』における、開発費を抑えて価格も抑えられる小さい規模の作品だからこその利点を語っているし、大作を作る現場からは去りたい旨も公言している。その言葉の通り、後にセガを退社、自らプロペという新会社を立ち上げて自分の作りたいゲームを作る姿勢には1本筋の通った確固たる思いが感じられる。
Wiiミュージックの発売を控える任天堂の重鎮、宮本茂さん。この本では発売前のドルフィン(GC)について、「ソフト次第」という不吉な予言を出してしまい、実際ソフト不足が祟ってGCは上手くいかなかった。「再挑戦型のビデオゲーム」に対する危惧もこの頃からあったようで、当時評価していたのは『シーマン』。現在の『nintendogs』や『Wiiスポーツ』、そして『Wiiミュージック』などに見える、ゲームと非ゲームの中間のような辺りは、当時から思うところがあったようだ。

『まだゲーム作ってるんちゃうか?』

宮本さんが当時の社長、山内溥氏に言われた一言だそうです。……深い。