
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』を、公開2日目にIMAXレーザーGTで観賞した。
本作は富野由悠季の原作小説を映像化したもので、全三部作の第二章。監督は村瀬修功、絵コンテは前作に引き続きの村瀬修功・渡辺信一郎に、『人狼』沖浦啓之、『スキップとローファー』出合小都美が参加。
地球連邦政府と対立するテロ組織・マフティーを率いるハサウェイ・ノア。前作ラストで手に入れたクスィーガンダムを駆り、アデレード会議襲撃を企てるが……。
物語の大半を占めるのは「会議開催地はオーストラリアなのか香港なのか⁉︎」という問答と、ハサウェイを巡る美女たちとの痴情のもつれ。
ともすると退屈になりそうな内容だが、手がける監督・絵コンテ陣は世界トップクラスのリアリティ志向のアニメーター。彼らの手を通して、軍隊の非道から上流階級の暮らしぶりまで解像度高く描かれることで、前作以上に「宇宙世紀105年」をリアルに感じる映像になっていた。
リアルな宇宙世紀は現実の鏡写しの度合いも高くなっており、特に不法移民を強制退去させるべく暗躍するマンハンターはトランプ政権によるICEそのもの。富野由悠季の先見の明を讃えると同時に、フィクションに追いついてしまった非情な現実を落胆するしかない。
MS戦は前作同様に夜間のものが多く見づらいのが難ではあるが、夜間戦闘のリアリティやビーム光とのコントラストを強調するものとして評価したい。
高速戦闘においては敵機の視認をしづらく、レーダーのアラート頼りであるというのはゲーム『エースコンバット』シリーズで学んだそのもの。その空間で他を圧倒するクスィーガンダムは前作よりも恐ろしく、またヒロイックに写った。
キャラクター面に目を向けると、前作ではハサウェイにもヒロイン・ギギにも、嘘に身を固めた芝居がかった様子に人を寄せ付けない雰囲気を感じ、どこか好きにはなれなかった。
今作のハサウェイは性愛と正義感で精神がぶれにぶれ、声のみならず姿まで表す幻影に追い詰められ、一方のギギは前を向き未来を切り拓くため決断を重ねていく。対象的に描かれる2人だが、前作よりも気持ちの奥底まで深掘りされたことでとても魅力的に感じられた。
2人の再会は原作とは異なる描写がされており、これが次作に待ち受ける運命を断ち切るものであると願いたい。






