俺たちはいつも原作が先かアニメが先か悩むけれど『PERSONA5』は先にゲーム版に触れてほしい

原作を先に読む/遊ぶか、原作には触れずに映像作品を見るかといった問題をメディアミックス作品と対峙する時にはいつも悩まされる。がこと『PERSONA5』に関してはゲーム版に先に触れてほしいと『PERSONA5 the Animation』の第1話を見て感じた。

PERSONA5 the Animation』を卑下するわけではない。けれどゲームとアニメというメディアの差により、『PERSONA5』という"体験"は確実に変質する。変質により一長一短あろうが、アニメ版のそれがゲーム版を上回るかは未知数であるから、確実な感動が待っているゲーム版を私は推す。

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PERSONA5 the Animation』は2015年に発売されたPS3/PS4用に発売されたRPGゲーム『PERSONA5』をテレビ向けのアニメーション作品にしたもの。4月7日深夜から放送が開始された。

1話目の筋は原作の序盤通り。主人公のカジノでの逃走劇から逮捕、そして尋問を受ける形で7ヶ月前に記憶が遡り、秀尽高校への転入と竜司との出会い、異世界へ迷い込みペルソナを覚醒するまでが描かれる。

 

ゲームとアニメ、何がそんなに違うのかというと、上記内容がゲームでは数時間に渡り描かれるのに対し(記憶違いでなければ少なくとも2時間は要したはずだ)、アニメでは25分しかかからない。ゲーム本編は100時間近くのボリュームがあるが、アニメが完結してももちろんそんな長時間にはならない。仮に26話なら10.8時間。ゲーム版からわずか1/10程度に短縮されるであろう。

同じ物語なら短時間で接種できる方が効率的、という人が多いことは理解している。けれど『PERSONA5』は無駄にプレイ時間を誇っているわけではない。いち高校生の視点で1年間、仲間たちと苦楽を共にする濃い体験を積み重ねているうちに気づけば100時間経ってしまうのだ。シナリオ自体大変優れたものであることは疑う余地もないが、仲間たちに対する愛着は、長時間のプレイ時間に依るところも大きい。時間が限られるアニメというメディアが、シナリオのベースは同じであっても、駆け足で描かれる時に同じ感動を生み出すことができるだろうか。

体感時間は物語を変化させる要素であるし、これはメディアごとにどうしたって変化する。メディアミックス作品についてはそれを踏まえて、最初にどのドアを叩くか慎重に考えないといけない。どうしたって最初に触れたメディアで一番大きな感動を覚えるし、その感動が大きいに越したことはないからだ。

 

なお『PERSONA5 the Animation』の1話は非常に美麗な映像であったし、監督はゲーム版のアニメパートも監督した石浜真史氏である。アニメならではのアクションや、キャラ同士の掛け合いといった面も見えてくるであろう。アニメはアニメとして、今後の展開を楽しみにしている。

ただそれはそれとして、『PERSONA5』にこれから触れるならばゲーム版を先にプレイすることを強く推したい。