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『君の名は。』は興行収入100億円を超えるのか ―国産アニメ興行収入比較―

君の名は。』は興行収入100億円の大台を超えるのでは?という妄想に取りつかれたのは、好きすぎて慣れない映画レビューを書いてしまったり2週目にして興行収入38億円超えというニュースを見たからなわけだが、実際にその可能性の有無を国産アニメ映画の興行収入推移と比較して検証してみた。結論からを先に言うと、可能性は大いにあると感じている。

 

  • 比較対象

過去10年間の国産アニメ映画の国内興行収入上位8本と、『君の名は。』を合わせた計9本の週間興行収入推移を折れ線グラフにより比較することとした。中途半端な本数だが、『バケモノの子』は超えるだろうと想定してそれ以上の興行収入の映画を選定している。なお、本来入れるべきである『ONE PIECE FILM Z』(興行収入68.7億円)の存在が頭から抜け落ちたままグラフを作成してしまい修正がめんどくさい難しいところまで来てしまったので、ワンピ抜きのグラフとなっていることを了承願いたい。

 ・崖の上のポニョ(2008)155億円

 ・風立ちぬ(2013)120.2億円

 ・借りぐらしのアリエッティ(2010)92.5億円

 ・STAND BY ME ドラえもん(2014)83.8億円

 ・映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!(2014)78億円

 ・ゲド戦記(2006)76.5億円

 ・名探偵コナン 純国の悪夢(2016)63.1億円

 ・バケモノの子(2015)58.5億円

 ・君の名は。(2016)38.7億円(2週目まで)

 

  • 結果

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赤い線が『君の名は。』を示したものである。上記8作と遜色ない、どころかかなり好調な推移をしており、『崖の上のポニョ』と『妖怪ウォッチ』に近い推移をしていることがわかる。

 

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2週目までの結果を拡大したのが上の図だ。『君の名は。』1週目は3日間集計となっているため他の映画と単純比較できないものの、名探偵コナンと同等のスタートを切っているいる。それに対し2週目までの累計興行収入を見ると、過去10年間のどの国産アニメ映画よりも勝っていることがわかる。

 

  • まとめ

君の名は。』の2週目までの興行収入推移を上記映画と比較すると、崖の上のポニョ』と『妖怪ウォッチ』の推移に近く、2週目までの成績はどの映画よりも勝っていることがわかった。

なお、この近い推移の近い2作品の間には最終的な興行収入に大きな隔たりがある。『崖の上のポニョ』はスタジオジブリ作品であるためロングランヒットに成功したのだが、一方ターゲット顧客を子供・家族層に絞っている『妖怪ウォッチ』は4週目、冬休みの終わりを境に失速している。

2週目までの記録的な成績が今後の傾向にどこまで影響するのかは未知数だが、口コミでの評判が非常に良く、平日夜でも満席の映画館が多いという話を聞くに、スタジオジブリ作品に近いロングランヒットの可能性は十分にあると感じている。

以上より、妖怪ウォッチ』とそれに近い『ドラえもん』を抜くのはほぼ確実、上位ジブリ陣にどこまで迫るのか、ひょっとすると100億円を超える可能性はおおいにあり得る、というのが現在の想定である。

いずれにせよ、『妖怪ウォッチ』や『ドラえもん』のような人気IPを利用した映画ではなく、スタジオジブリという強力な看板を背負ってもいない映画がこれほどまでのヒットとなるのは異例の事態である。また、もし100億円の大台を突破することができれば、国内興行収入ランキング30位、国内邦画興行収入ランキング9位にも入る大快挙となる。今後の推移が非常に楽しみだ。

 

2016年9月23日追記

100億円超えました。

「君の名は。」が興行収入100億超 - 共同通信 47NEWS