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意外にも遊び易いiOS版『ドラゴンクエスト8』

先日iOS版『ドラゴンクエストドラクエ1)』が無料配信された際は自分の観測範囲では大層話題になり、大本営からも「初日で100万DL達成!」などと自慢気なプレスリリースが発表されたものだが、続けて2,800円で配信を開始した『ドラゴンクエスト8 空と海と大地と呪われし姫君(以下ドラクエ8)』はとんと話題になっていない。
結局エンタメに求められているのは無料で話題性のあるものなのよね、とか考えると悲しくなるが、無料と2,800円の間にはロンダルギアよりも高い壁があるのもまた事実。ここは人柱になってプレイレポートをあげてみようと思う。
ちなみに私自身のドラクエプレイ歴は、1(GB)、2(GB)、4(DS)、5(PS2)、7(3DS)、8、9、10。8以降はリアルタイムでプレイしている。iOS版『ドラクエ1』は操作性の悪さに辟易して5分で投げた。またiOS版はiPhone5sで序盤3時間程度をプレイしたのみ(ゼシカを仲間にするため2つ目のダンジョン「東の塔」攻略中)なので、他機種及び中盤以降の内容には言及しないのあしからず。
結論から先に書いてしまうと、細かい不満点はあるものの、かなり遊び易く、値段分は充分満足できる出来になっている。

  • 目を見張る美麗グラフィック


ゲームを立ち上げてまず驚かされるのはグラフィック。PS2版のプレイ時も、画面の中に広がる美しいドラクエワールドに感動し、ワクワクが止まらなかったものだが、iOS版はそのまま、いやむしろ高解像度になり更に美麗になっている。シリーズ最新作であるWiiU版『ドラゴンクエスト10(以下ドラクエ10)』と遜色ないとさえ感じられる。

iOS版『ドラクエ1』で一番の不満点は操作性だったが、この点『ドラクエ8』は満点に近い出来。ただ移植するだけに留まらず、スマホに最適化するための改良が施されている。
まずキャラクターの移動はタッチパネル上に表示される擬似パッドで行う。視点はタッチパネル最下部をスライドすることで上下左右に旋回できる。デジタルキーを再現した『ドラクエ1』の擬似パッドと異なり、『ドラクエ8』ではアナログパッドを再現しているためか、操作は非常に快適。縦画面固定のために、ロジクールから近日発売されるiPhoneゲームコントローラが使用できないのをプレイ前は不満に感じていたが、これだけ操作しやすいならコントローラは不要だろう。
スマホに最適化するための改良点としては、キャラクターや壺などのオブジェクトの選択方法がある。これまでのドラクエシリーズでは、選択したいオブジェクトの前に立ち、ボタンを押す必要あったが、ボタンのないスマホで操作しやすいように改良されている。

具体的には写真に示したように、オブジェクトに近づくと表示される吹き出しをタッチすると壺を割るなり会話が始まるようになっている。またキャラクターであれば周囲に表示されるサークル内に入れば自動的に会話が始まる。これまでに無い操作方法に最初はとまどったが、これなら確かに選択ミスが起きづらいし、わざわざオブジェクトの間近まで行く必要がないのでとても便利。
また『ドラクエ10』と同じくオートランが実装されたのも良アレンジ。『ドラクエ8』の売りは初めて3Dで再現されたドラクエワールドだが、リアリティを増すために町やダンジョン間の移動に時間がかかって仕方がない。しかしオートランの実装により、移動中ずっとタッチしている必要はなく、移動方向を変更する際に視点変更をするだけで良い。この機能は違和感がなさすぎて、PS2版にも実装されていたような?と最初は誤解してしまった程だ。

  • 細かな不満点

ここまで良い点ばかり挙げてきたが、もちろん不満点もある。iOS版固有の問題点としては、横方向の視界が狭いため左右方向が認識しづらい。

また戦闘開始時はなぜかデフォルトが「さくせん」(オート戦闘)になっており、タッチすることで作戦変更や特定の行動を選択(いわゆる「めいれいさせろ」状態)できる。オート戦闘を優先させる画期的な変更だが、主人公だけ「めいれいさせろ」派の私としては少し辛い。オプションで変更できれば良かったのだが。
またPS2版から引き継いでいるどうしようもない問題点もある。

ドラクエ8』から戦闘時にキャラクターのモーションが加わったためテンポが悪い。また入り組んだ町並みや建物の中だと、どうしても擬似パッドと視点変更を両手で操作するか、片手ならいちいち立ち止まって視点変更しなくてはならない。片手操作を前提に、もっとカメラが追従してくれたら、と思わずにいられない。

  • まとめ


不満点もあるが、それを覆す程に快適さが増しており、最初に書いたように総じて良移植と言える出来だと思う。何よりPS2の大作RPGが遜色なくiPhoneでプレイできる、ということに感動を覚えずにはいられない。良い時代になったものだ。
最後に価格面に触れると、同じく配信が始まったばかりのPS2の大作『グランド・セフト・オート サンアンドレアス』の700円という低価格ぶりには驚かされたが、価格については製作費と想定ユーザー数で全く変わってくるので仕方ないと思う。iOS版『シュタインズ・ゲート』は3,000円するし、iOS版『アイドルマスター シャイニーフェスタ』は4,800円だ。
それらよりは安いと思って、家庭用ゲームの気分でダウンロード購入できる人だけが買えば良いと思うし、その価値はあるはずだ。