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私が『ホワイトアルバム2』のEDをコンプ出来た理由

私がいつもゲームを買うときの優先事項は『如何に面白いゲームデザインか』。その為にプレイするゲームはアクション系のゲームに寄りがちで、所謂「ギャルゲー」的なものは優先順位を低くしがちだ。プレイしたらしたで、『アマガミ』にしろ『アイマス』にしろ、気に入ったキャラクターを1、2人クリアすると、ゲームデザインに底が見えて(底を見た気になって)満足して止めてしまう。数少ない完全クリアしたギャルゲーは、『シュタインズ・ゲート』『キャプテン・ラヴ』くらいか(どちらもギャルゲーと呼べるどうか、議論の余地があるが)。


そんな私がつい先日、昨年12月末のプレイ開始から2ヶ月以上、おそらく70時間程度をかけて『WHITE ALBUM2 幸せの向こう側』(以下ホワイトアルバム2)の全エンディングをクリア。個人的には驚くべき偉業を達成した。
なんでそんな事が出来たのかと考えに考えたのだが、辿り着いた結論は至って単純。シナリオが素晴らしかったから。もっと具体的に言うと、誰かが絶対に不幸になる『三角関係』という題材を、不幸になる人も含め、真正面から逃げずに描写しているから、とても夢中になったのだと思う。



ホワイトアルバム2』は高校3年時代からの数年間を舞台に、主人公北原春希と、メインヒロイン小木曽雪菜、冬馬かずさとの三角関係を描いたノベルゲーム。プレイヤーが出来ることといえば、文章を読み進める事と、たまに現れる選択肢を選ぶだけのシンプルなゲームシステムだ。
最初は気に入ったヒロイン、要は冬馬かずさのエンディングさえ見られれば、と思いプレイしていたいのだが、辿り着いたのは『不倫エンド』という、冬馬かずさも小木曽雪菜も幸せにできないバッドエンド。その時に心を埋め尽くしたのは「別の選択肢を選んでいればかずさとも、雪菜とも、もっと良いエンディングを迎えられたのに……」という後悔。それからの私は心を入れ替え、最高のエンディングを求め、かずさと、雪菜と、他のサブヒロイン3人も含め、様々な形の三角関係に触れていった。
そこで描かれるシナリオはいずれも、恋仲になった彼女との幸せな生活が描かれる一方的なものではなく、三角関係には不幸になる人が必ずいて、その彼女が何を思い苦しむかまでを描いた重層的なもの。だからこそ心に響き、どの女の子も忘れられない大事な人になっていった(それでもかずさが最高の彼女である事には変わりないが!)。


「どうせギャルゲーでしょ?」というような偏見が邪魔をして、『かまいたちの夜』や『428』、『逆転裁判』などの名作にも負けずとも劣らないこのシナリオに触れないのは、ゲーマーとしてあまりにも不幸。『ホワイトアルバム2』は2012年を代表する、ノベルゲームの傑作だ。
今年のホワイトアルバムの季節はもう終わりを告げたが、私はきっとこの先も、冬が来る度、雪を見る度に、このゲームの事を思い出さずにはいられない。