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『ロリポップチェーンソー』クリア後レビュー

グラスホップマニュファクチュアを率いる須田剛一氏のゲームの魅力と言えば、常人には理解できない支離滅裂なシナリオ、奇抜なキャラクター設定、日本のゲームとは思えないエロ&グロ。最新作『ロリポップチェーンソー』にもそういうところを期待していたのだが、何だか期待していたものとは違うものが出てきた。須田剛一は死んだのか。

本作はグラスホップマニュファクチュアの代表作『Killer7』や『ノーモア★ヒーローズ』などのアクションADVゲームと違い、純粋なステージクリア型アクションゲーム。チアガール服の金髪女子高生がチェーンソーをギュンギュンならしながら襲いかかるゾンビの群れをバッサバッサと斬り倒していくクレイジーな内容。
こう書くと面白そうな気がしてくるが、グラスホップマニュファクチュアのアクションADVゲームにおけるアクションゲーム要素はあんまりよろしくない。難易度がやけに高かったり、操作性が悪かったり。
今回は操作性という基本はクリアされている。コンボが多岐に渡っていて色んなチェーンソー+プロレスな技を試すのも楽しい。ただマイナス要素もいっぱいある。
まず1つのステージが長い。初回は各ステージ4〜50分かかるので、完全クリアのために再プレイするのがしんどい。各ステージが短い分、ステージ数が多かった『ノーモア』と比べてしまうとどうしても見劣りする。
そして理不尽な難易度は今回も健在。つまらないうえにやけに難しいクレイジークライマーミニゲームにも腹がたったが、ラスボス戦時の、一度失敗したらゲームオーバーという理不尽なQTEには流石にディスクを割りたくなった。『アスラズラース』プレイ時にCC2社に対しても思ったが、つまらないQTEしか作れないならゲーム作りをやめてしまえばいいのに、とさえ思ってしまう。
ステージクリア型アクションゲームと割りきってしまったために、グラスホッパーの弱点がモロに露見してしまった格好だ。

  • 中途半端なエロ&グロ

本作はハード別、バージョン別になんだか物凄い種類が発売された。
 ・XBOX360版『ロリポップチェーンソー
 ・XBOX360版『ロリポップチェーンソー』プレミアム・エディション
 ・PS3版『ロリポップチェーンソー
 ・PS3版『ロリポップチェーンソー』プレミアム・エディション
更に初回限定版と通常版の仕様違いもあるのだがここでは割愛。プレミアムエディションと無印の大きな違いはCEROの判定がZかDか、つまり18禁かどうかというところ。18禁のプレミアムエディションではゲーム開始時に、海外仕様な「ZAKUZAKU」モードか、敵を斬ると虹が出る(!)「KIRAKIRA」モードを選ぶことができる(無印では「KIRAKIRA」一択)。
海外仕様と言われたらどんなエロ&グロが飛び出すのか!と楽しみに360版プレミアムエディションを購入したのだが、大した血しぶきも無ければエロ要素もなく、試しに遊んだ「KIRAKIRA」モードの方が、謎の虹エフェクトとピンクの血しぶきで画面が非常に賑やかに。敵を倒すとコインが舞う国内版『ノーモア』と同じく、国内版は全部「KIRAKIRA」一択で良かったんじゃないだろうか。
貝殻ビキニだけはまあ、良かったよ。ふぅ……。

今回は須田剛一氏の魅力の1つである奇抜なキャラクター設定だけはエンジン全開だったが、グラスホッパーの苦手とするアクションゲーム要素と、長所を活かしきれていない半端なエログロが咬み合って、非常にバランスの悪い作品になってしまった。
近作の『解放少女』を含めて、大衆性の高い、その分須田成分が薄い作品ばかり続いているので、グラホッパーの今後が心配になってくる。『KILLER is DEAD』で蘇ってくれることを祈るのみ。