もうラブプラスがなくても生きていける!ポリゴン女子の撮影大会『フォトカノ』レビュー

2012年2月発売ギャルゲーの話題の中心はなんといっても『NEWラブプラス』。Twitter眺めていてもここ数日ラブプラスの話題を見ない日がないぐらいだ。そんな中私が延々とプレイしているのは……『フォトカノ』だ。
そもそも『フォトカノ』は昨年秋には発売されているはずだった。だから予定では秋『フォトカノ』→12月『NEWラブプラス』と昨年中にどちらもプレイしているはずだったのだが、どちらも発売が伸びに伸びて、よりにもよって決定した発売日がどちらも2月。それでもあくまで、『NEWラブプラス』までのつなぎのつもりで買ったのだが……結果として2月14日を過ぎた今でも『フォトカノ』が止められないでいる。

  • ポリゴン女子の魅力

フォトカノ』がどんなゲームなのかというと、毎日学校に通って、気に入った女の子と会話して、やがては恋仲になって……という非常にベーシックな恋愛シミュレーションゲームだ。アニメ化もされたヒット作『キミキス』『アマガミ』の系譜上の作品でもあり、女の子との出会い方は『キミキス』同様ランダムエンカウント方式を採用している。前作『アマガミ』は戦略シミュレーションゲームのようなヘックスを埋めていく画期的システムだったが、今回はあえてベーシックなスタイルを選んだのだろう。
では何が『フォトカノ』を『フォトカノ』たらしめているかというと、キャラクターがポリゴン女子なのである。いやまあポリゴン女子のギャルゲーは今に始まったことではないのはポリゴン女子の歴史を見るまでもなく明らかであり、『アイドルマスター』『ドリームクラブ』などヒット作も多くあるが、ベーシックな高校生恋愛シミュレーション+ポリゴン女子という組み合わせは殆どなかった。
あえて挙げるなら『ときめきメモリアル3』があるが、PS2黎明期の微妙なポリゴンっぷりに市場からはNoを突きつけられた(『ラブプラス』ももちろんポリゴン女子ゲーだが、システムが斬新過ぎてベーシックとは言えない)。『キミキス』『アマガミ』と2Dイラストのゲームで実績を築いたチームがなぜその鬼門に挑んだかというと、本作のコンセプトが「写真撮影」だから。
このゲームを始めて早々、主人公は否応なしに写真部かフォト部に入部することになる(どちらに入部するかでストーリーが変化する)。写真を撮るならやっぱり女の子を撮りたい、でも2Dだとプレイヤーに自由度がない、だからキャラクターは完全ポリゴン。360度回りまくってあんなところもこんなところも撮り放題なのである(厳密にいうと、視点に規制がかかっていて本当に危ない写真は撮れないが)。
プレイする前は、写真システムはただの添え物程度に考えていた。実際遊んでみても、写真を撮るかどうかはプレイヤーの自由意志に委ねられるので、ほとんど撮らないでも進められる。それなのに、ストーリーを進め、フォトカノ世界のポリゴン女子たちの魅力に気づき始め、女の子一人一人が血の通ったキャラクターであることを理解し出すと、写真撮影があと1枚、もう1枚、と止まらなくなってくる。撮るごとに被写体が輝いていく。写真を撮ること自体が楽しくなってくる。強要されなくても、

校庭で、

保健室で、

学校帰りのゲームセンターで、

屋上で、

下駄箱で、シャッターを下ろしてしまうのだ。

  • ポリゴン女子の残念ポイント

楽しいだけでは説得力がないと思うので敢えて苦言を呈すと……ロード時間が長い。キャラクターを表示するにも、写真データをセーブするにもいちいちロード時間が気になる。メモリースティックにゲームデータをインストールすると多少改善されるが、ロードが短いとまでは言えない。
そしてジャギ。ポリゴン女子のみなさんは大変可愛らしく、特に深角さんの沢城さんボイスを聞く度に死にかけるが、グラフィックがジャギジャギしている。
どちらもプレイしているうちに慣れたが……もし前2作のようにエビコレ版が発売されるなら、ロードとジャギが改善されたVita版が是非とも必要だと思う。

前作『アマガミ』からキャラクターデザイナーが変わり、イラストからポリゴンへと大きな見た目上の変化があったことから、かなりのプレイヤーが脱落したものと思うが、プレイした身としては「『アマガミ』も『フォトカノ』もサイコー!」と叫びだしたい気分である。2人ほど攻略した現在は『アマガミ』ほどに毒のあるキャラに出会っていないものの、自分だけの青春の1枚を生み出せるシステムは、それを補って余りあるほどの魅力がある。ベーシックな恋愛シミュレーション+ポリゴン女子+写真撮影という新しい試みは、大成功といえるのではないだろうか。
と、ここまで『フォトカノ』を賛美してきたが、もちろん『NEWラブプラス』も同じポリゴンギャルゲーであるし、『フォトカノ』が一段落したら予定より少し遅くなったがプレイするつもりだ。システムは全く異なるし、どちらが優れているとも言えないだろう。

一つだけ確かなのは、ポリゴン女子の歴史に加わった新たな1本は、これからの未来を期待させるのに充分な出来栄えだったということだけだ。