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爽快感を追求した新世代フライトシューティング『エースコンバット3D クロスランブル』


3DSのモニタの奥に広がる抜けるように青い空と海。ミサイルで破壊した敵機に飛び込むと耳をつんざく豪快な爆音。エースコンバットと抜群に相性の良い「立体映像」「立体音響」を武器にした『エースコンバット3D クロスランブル』はこれまでのエースコンバットとは一味違う。もちろん、3DSなら当たり前の機能だけが売りじゃない。これらに加え、これまで積み上げてきたゲームシステムに入れた2本のメス「1プレイの短時間化」「マニューバシステムの投入」が功を奏し、シリーズ随一の爽快感を誇る新世代のフライトシューティングに生まれ変わりを果たしたのだ。

  • 原点回帰し1プレイを短時間化

エースコンバットシリーズは多くの作品が発売されているが、PS1で発売された『エースコンバット3』までと、PS2で発売された『エースコンバット04』以降の間に大きな隔たりがある。これはPS2のハードスペックを活かした結果、『04』以降は1ステージが広く、敵数も多くなった結果、プレイ時間も飛躍的に伸びたのだ。もちろんステージが広くなったことでリアリティが格段に向上したのだが、『3』以前のテンポの良いゲーム性は薄れ、20分かかっても落とされたら最初から……という嫌な緊張感は増していった。
しかし最新作は携帯ゲーム機向け。ソーシャルゲームに慣れたゆるいゲーマーも短時間で達成感を感じられるように、電車に乗っている短時間でもできるようにと製作者が考えたからか、はたまたハードスペックの限界からか、『3』以前のコンパクトなステージにまとまっている。『3』からシリーズに入った身としては今回のテンポの良いステージ構成は大歓迎だ。

  • マニューバシステムの投入

かつて『R:RACING EVOLUTION』というレースゲームがあったのだが、このゲームで生まれたプレッシャーゲージシステム―敵車の後ろにくっつくことでゲージをためて、ゲージがたまると敵車がミスをして抜きやすくなる―という画期的な発明は、その後『スカイ・クロラ イノセン・テイセス』におけるマニューバシステムに引き継がれた。『スカイ・クロラ』では敵戦闘機の近くを飛ぶとゲージがたまり、ボタンを押すと華麗な宙返りをしてピッタリ敵の後ろに付くことができる。そこで機銃ボタンを押せば簡単に敵機はあの世行きだ。
スピンオフとして発売された『スカイ・クロラ』から今回、本編である『エースコンバット3D』にこの「マニューバシステム」が移植された。しかし『スカイ・クロラ』には機銃がないからこそプレイヤーを補助するために投入されたシステム。ロックオンミサイルができるエースコンバットで使えたら簡単になりすぎるのでは?と遊ぶまでは思っていた。遊んでみると……やっぱりすごい簡単になっていた(笑)。でもこの簡単さは嫌じゃない。短時間で空戦の爽快感を味わいたい時に、逃げ続ける敵機に対してロックオンできない時のストレスを感じるのは不釣合いだ。3DSというハードで出る以上今作で初めてシリーズに触れる人も多いだろうし、難易度が低くても空を飛ぶ楽しさは普遍。今回のマニューバシステムの投入は正解だと思う。

  • シリーズ随一の爽快感

3DSならではの迫力と、短時間化、マニューバシステムの投入で、本作はシリーズ随一の爽快シューティングゲームに化けた。敵機を引きつけてマニューバで避けて(マニューバには上記の攻撃用マニューバ以外に回避用マニューバもある)、敵機が前に出たところを撃墜、更に後続の敵機もマニューバで回避して撃墜、の2連コンボを決めた時の脳汁ドバドバ感は、ちょっとこれまでのエースコンバットでは味わったことのない快感だった。
惜しむらくは、海外のパッケージが最悪(『アサルト・ホライゾン・レガシー』というタイトルなうえ、『アサルト・ホライゾン』のイラスト使い回し……)、国内の体験版配信が発売直前なうえに起動回数制限が極端に少なく、製品版では豊富なオプションも体験版では試せない、などなど売る側にやる気を感じないところ。なんとかこの面白さが広まって、据え置き機のシリーズとは別系統として、3DSの爽快感追求エースコンバットシリーズが今後も続いて欲しいところだ。