3Dに期待しなければ面白い『攻殻機動隊3D』

世の中なにがヒットするかわからない。
『攻殻機動隊3D』が大ヒットの兆し!異例の拡大公開で全国9館から27館への拡大公開が決定
攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D』は、2006年に製作された、スカパーPPV用スペシャル番組『攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY』の3D版。元が映画用ではない、しかも5年も前の映像をちょっと3Dにしただけで誰が観に行くんだ?と思っていたのだがこの盛況ぶりはすごい。実際、先週観に行った際も夜遅い回にも関わらずほぼ満席だった。拡大公開されるわけだ。


しかしこの映画、3D演出にはほとんど期待してはいけない。普通のアニメ作品に比べればCGを多様しているとはいえ、元々2D映画。電脳で会話している主観シーンは立体感を感じて驚いたが、それを除けば全編通して映像にちょっと奥行きがあるだけ。昨年の3Dアニメの傑作『ヒックとドラゴン』の足元にも及ばない。

それでもこの作品が傑作であることには変わりないとも思う。5年前の作品とは思えないぐらい美麗な映像もさる事ながら、原作版攻殻機動隊2巻を下敷きに、原作1巻、1.5巻、イノセンスの要素まで盛り込んだ練りに練られたシナリオは脱帽もの。5年前に一度見たきりですっかりストーリーを忘れていたこともあって、謎が謎を呼ぶ複雑なシナリオにすっかり魅了されてしまった。TVシリーズ第2弾『2nd GIG』には納得できない部分も多かったが、本作『SSS』で神山監督版攻殻機動隊は大復活を果たしたと思う(それだけに未だ続編が作られないのが悲しい)。


というわけで今回の3D版は、2D版を見たことがある人でも、ストーリーを忘れてしまってるだとか、大画面で攻殻機動隊を見られればそれだけで満足するような信者精神の持ち主なら楽しめると思う。私はストーリーを忘れてた攻殻信者なので大満足!
3Dを活かした演出だけを期待している人は絶対にガッカリするので素直に『塔の上のラプンツェル』でも見るように。