ユウキズ・ダイアリー

アニメ・映画・ゲームについての雑記

ブラタモリとマイマイ新子

マイマイ新子と千年の魔法

秋から始まった新番組の中で、毎週ちょっと楽しみにしているのが木曜22時NHKの『ブラタモリ』という番組。『タモリ倶楽部』同様のフリーダムなノリで都内の名所をぶらぶらするタモさん。タモさんにかかれば街中のちょっとした道路が、坂が、川が、数十年数百年の昔を伝えてくれるタイムマシンに。前回の放送ではYukkii22の職場からも程近い秋葉原を舞台に、明治の昔の、今は無き万世橋駅がフィーチャーされていた。秋葉原にそんな駅が!今もプラットホームの名残が! 目から鱗ですタモさん。


マイマイ新子と千年の魔法』も、そんな映画。言うなれば「ブラ新子」。想像力豊かな新子にかかれば、川も、田んぼも、道路も、遥か千年の昔に繋がるタイムマシン。そこには新子と同年代の女の子がいて、同じ空気を吸っていたかもしれない。そう考えると、何気ない、当たり前の風景の中に千年前の景色が見えてくる。新子の住む町に引っ越してきた貴伊子は、友達もいない見知らぬ土地に戸惑いを見せながらも、元気いっぱいの新子と想像力の翼を広げることで、笑顔を取り戻していく。本当の自分が見えてくる。そんな素敵なヒューマンドラマ。


新子が今の自分たちと決定的に違うのは、山口県防府の、1950年代を舞台にしていること。雄大な自然を見せられると、現代とはまるで違う世界だと感じずにはいられないが、想像力には場所も、時代も関係ないのかもしれない。
新子が想像する千年まえの防府では、幼い頃の清少納言が、さらに数百年昔の鍛冶屋たちを想像する場面がある。どんな土地にも歴史があって、それをいつの時代の人も振り返る。子供だって大人だって、いつだって想像力の翼を広げて、自分が立っている場所の昔を思い描ける。そうすれば生きている今を、をもっと大切に感じられる。誰もが新子になれるし、誰もがタモさんになれる。そんなことを実感させてくれる映画でした。
子供向けの体裁ながらも、現代社会に疲れた大人こそが見るべき映画。マッドハウス製らしく和田高明柴田由香といったスーパーアニメーターを投入し、監督は知る人ぞ知る傑作映画『アリーテ姫』の片淵須直。同日に上映開始された『劇場版マクロスF虚空歌姫』程の派手さなどは無いとはいえ、訓練されたアニメ好きは四の五の言わず見るように!