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グレンラガン以上ヱヴァンゲリヲン未満の良い塩梅『劇場版マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜』

劇場版マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜
大ヒットを記録した『ヱヴァンゲリヲン』をはじめ、『グレンラガン』、『エウレカセブン』と、最近ロボットアニメの映画化が多く、都内で初日の上映なんかに行くと濃いファンが多いからか上映後には決まって拍手喝采が。良いものを良いと賞賛できる雰囲気が好きなので今回も初日に観てきました『劇場版マクロスF 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜(以下マクロスF虚空歌姫)』。


マクロスF虚空歌姫』は昨年テレビ放映され大ヒットを記録した、マクロスシリーズ25周年記念作品『マクロスF』の劇場版前編。最近よくある総集編もの映画だし、テレビ版が良かった分映画にしてもそんなに変わらない無難な出来なんじゃないかなーと思っていたら、雑誌インタビューなどに目を通していると「キャラクターの設定が異なる」「7割り新規カット」など気になる言葉が。そんなこと言われると期待しないでおけないので初日に勇んで観に行ったら、もう、絶賛せずにはいられない。

今回の映画は前編ということで、ベースとするなら起承転結がしっかりしているテレビ版1〜7話だろうなと想像していたらその通り。ただし、キャラクターの設定など細部が異なるために、序盤から中盤にかけての観たことがあるシーンもテレビ版とは常に違う印象。新規カットも多く、より主人公アルトとヒロインシェリル&ランカの三角関係がクローズアップされてる形に。
その微妙な差異は終盤に来て加速し、観客の想像の枠を超えていく。テレビ版7話以上の盛り上がり、というかテレビ版最終25話並の盛り上がりを見せて終わらせるラストシーンは、テレビ版とは異なる物語に進まざるを得なくなることを決定付けてしまった。まるで『新劇場版ヱヴァンゲリヲン破』。上映後の拍手、以上にどよめきが大きかったのは観客の興奮と戸惑いをストレートに表しているようだった。後半がどうなってしまうのかは全くわからなくなってしまったが、この先の読めなさこそがいかにも『マクロスF』らしい。


終盤のバトルにのみ手を加えてテレビ版の総集編であることを通した『劇場版グレンラガン』方式ではない。テレビ版の作画を用いながらも全く異なる誰も望まないストーリーにしてしまった迷走の『エウレカセブンポケットが虹でいっぱい』でももちろんない。
全編新規カットとまではいかないまでも、これは物語の構成をそのままにテレビ版とは異なる物語を描いた『新劇場版ヱヴァンゲリヲン破』方式だ。伝説的とも言われる『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』とも異なる方式だが、これが、テレビ版が好きな人も総集編じゃ満足できない人も全員カバーの現代風の最先端テレビアニメ映画。歌良しバトル良しシェリル良し、なのでファンは絶対に劇場で観ることをオススメ。