それはまるでジェットコースター 『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』

アンチャーテッド」というゲームは、例えるならば遊園地の「ジェットコースター」みたいなゲームだ。ジェットコースターは猛スピードでも安全安心の乗り物。いくら速くても振り落とされること無く、乗客はスピード感と目まぐるしいの景色の変化を楽しみながら、全員無事にゴールに到着。アンチャーテッドもそんなゲーム。
プレイヤーはスーパートレジャーハンター・ネイトになって、PS3ならではの思わず声が出るほどの美麗な環境の中、幾多のトラップを乗り越えて財宝目指して一直線に進んで行く。遊び易さへの気配りは尋常ではなく、操作性の良さはもちろん、ナゾトキにしばらく迷っていると自動的にヒントまで提示してくれる。洋ゲーといえば操作性が悪いとか自由度が高すぎてどこいけば良いかわからないという先入観をもたれがちで、実際そういうゲームは多いが、このゲームに関してはお門違い。遊び易さはもはや日本の職人芸的ゲーム的、というかむしろそれ以上。こんなに気配りされているゲームは見たことがない。


それでも一作目『アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝』では、シチュエーションの変化が乏しいとか銃撃戦が多すぎるとか、詰めの甘い部分も見受けられたのだが、最新作『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』はもはや四角なし。
良い部分は更に良く。演出・グラフィックは更に強化されて、ムービーシーン、ゲームプレイの境なく演出が上手い、というかどっちがどっちだかわからなくなることもしばしば。ムービーだと思ったら動かせてビックリ、なんてざらである。
欠点だったシチュエーションの乏しさは『メタルギアソリッド4』的に諸国漫遊大冒険活劇にスケールアップしたことで解決。雪山、ナイトミュージアム、戦地と化した街中等など、美麗で飽きること無いシチュエーションの多彩さは驚異的。思わず立ち止まってぐるりと見回して景色に感動することもしばしば。筆舌に尽くしがたいのは一連の列車シーン。刻々と千変万化する車窓に見とれつつ、屋根を伝い、車内で戦い、一歩一歩先頭車両を目指すカタルシスといったら! このシーンだけ切り取っても、まるでジェットコースター。映画ではありふれているシチュエーションかもしれないが、ゲームで、こんな高次元で魅せられるとは思いもよらなかった。


メタルギアソリッド4』などもしばしば「映画的」と評価されることがあるが、『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』は現時点で最高の「映画的」ゲームと言ってもいいんじゃないだろうか。
むしろ期待される続編と同じくらい、映画化も強く希望したい。ゲーム界一のぼやきヒーロー・ネイトに惚れてしまった。