『ユリイカ 2009年4月号  特集=RPGの冒険』

フラジール』、『ガディアクエストサーガ』、『セブンスドラゴン』、、、
今年に入ってから何作かRPGをプレイしていたものの、どれもシステムの不備やストーリーの拙さから来るストレスがゲームの面白さを上回ってるように感じてしまい、もうRPGを楽しめる歳ではなくなってしまったのか、RPGがそもそも面白くなかったのか、自分がつまらないのか、思い悩む日々を過ごしていた。


そんな時にゲーム雑誌の棚で目にしたあきまん表紙の雑誌。よくよく見ると詩と批評の雑誌『ユリイカ』!? 特集は「RPGの冒険」?? 読めば読むほどRPGという概念が頭の中に膨れ上がり、氷解し、見方が変わる、素晴らしい特集だった。
切り口は十人十色。冒頭の芥川賞作家ブルボン小林×ドシン飯田和敏×ぷよぷよ米光一成のけん談はドラクエからGTA4に至るとりとめのない雑談に過ぎないが(それ故に「RPG」とは何なのか、と自問するトリガーの役割を十二分に果たしている)、その後も多根・志田・宮などのゲームライターらしいレビューあり、ピエール瀧の思い出語りあり、ユリイカらしい文学的・学術的批評ありで、ウルティマウィザードリィからニコ動実況プレイまでRPG周辺の歴史をおさらいしながら、読むものを飽きさせないように楽しませるように、RPGの多様な見方を提示している。総評じみた文は何も書かれてはいないが、RPGの解釈の多様さ、だからこその魅力を思い出すことができた。
そう、RPGはとてつもなく面白かったし、今もこれからも、きっと面白い。


ゲームに対する批評めいた文章が書かれることは多いが、『ゲーム批評』が廃刊し、『CONTINUE』がゲーム雑誌であることを放棄し、『ゲームサイド』がライトな文面を志向し出してしまった昨今、これだけ濃厚なゲーム批評集は貴重だ。惜しむらくはRPGを振り返るには時期尚早になってしまったことか。延期さえしていなければ国民的RPG最新作『ドラゴンクエスト9』の傍らで読むことができたはずなのだが……。