『ナルト ナルティメット・ストーム』クリア後レビュー

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「触れるアニメ」
かつて『ゼルダの伝説 風のタクト』が、それまでのゼルダシリーズのイメージを刷新したビジュアルで売り出した際の宣伝文句だ。プレイヤーはトゥーンレンダリングで造型された愛らしい主人公リンクとなり、海を越えダンジョンを抜け、様々な島で冒険を繰り広げる。始めはそれまでのイメージと異なる世界観に戸惑ったものの、暖かみのある風景の中、多彩なアクションを見せるリンクを操作していると、まるで良質な子供向けアニメの世界に入り込んだかのような気分でプレイすることができたものだ。


そんな『風のタクト』後もトゥーンレンダリングのゲームは年に何本、何十本と発売されてきたが、『風のタクト』で感じたような暖かみ、手触り感のような、真に「アニメっぽさ」を感じられる作品というのにはなかなかお目にかかることが出来なかった。

しかし、今年1月にPS3向けに発売された『ナルト ナルティメットストーム』は、そんじょそこらのトゥーンレンダリングゲームとは一味違う。

まるでアニメの世界から飛び出してきたかのような暖かみのある、それでいて精緻なキャラクター造型。躍動的なアクション。鮮やかな忍術。ド派手な奥義の演出はアニメ以上、原作以上とも言える迫力で、キャラクターの魅力も数割増し。
極めつけは圧巻の巨大ボス戦。『ゴッドオブウォー』のCSアタック、『キングダムハーツ2』のリアクションコマンドのような、簡単なボタンアクションを織り交ぜながら展開されるガマ親分や我愛羅との大迫力の死闘(アニメナルトの神回並みのクオリティ)は、あまりに美しいアニメとゲームとの融合っぷりに惚れ惚れとしてしまった。これぞ、『風のタクト』の血を受け継いだ「触れるアニメ」の最新版とでも言える出来。


もちろん不満もないわけじゃない。対戦ツールを基本としていながらもオンライン対戦には未対応というPS3向けソフトらしからぬところがあったり、イベントシーンが少ないためにストーリーモードが単調、広い街を活かしきれてない(あの街で戦えたらいいのに!)、ナルト第一部のキャラを出し切れてない、など直して欲しいところはいくらでも出てくる。
が、対人戦の面白さ、奥義のかっこよさ、巨大ボス戦の美しさで今回は大満足。たかがマンガ・アニメのゲームと高をくくって食わず嫌いせず、最新最高の「触れるアニメ」として、一見の、いや1プレイの価値はある。




余談だが、アニメ版ナルトは何十話かに一度とんでもない神作画回があるので、毎月のスタッフリストには注意をすべき。昨年は302話、305話と立て続けに神作画でビックリさせられた。(昨年はそれ以外の回は全く未見)