『テイルズ・オブ・ヴェスペリア』クリア後レビュー

アクション性の強い戦闘システム、
軽いノリのキャラクターたち、
ライトでファンタジーな世界観、
勢いで始めた旅がいつの間にやら世界の命運を握る大冒険に。


おなじみ「テイルズ・オブ」シリーズの据え置き型ゲーム機向け最新作である『テイルズ・オブ・ヴェスペリア』(以下『TOV』)は、ハードをXBOX360に移しても相も変らぬお約束が満載。
PS系ハードで展開されてきたシリーズ作品と同じ気持ちでプレイできるので安心してプレイできる反面、新鮮味は薄い。この感じが40〜50時間続くのかー、グラフィックが強化されただけなら旧世代機でやっても変わらないかもなー、と始めた頃はダラダラと、なんとなくでプレイしていた部分が大きかった。
けれども序盤のクライマックス、バルボス戦を乗り越え、当初目的としていたアイテムを獲り帰した瞬間、アノ音が。


ポンッ

実績のロックが解除されました。
100G:水道魔道器の魔核を奪還


おおおおおお! 一気にモチベーションがアップ。
その後も物語の急展開、新戦闘システムの本領発揮による爽快感の増大などなど、プレイ意欲を掻き立てる要素が次々と出てきたおかげで、2008年内になんとかクリアまで駆け抜けることが出来た。


とはいえこの感覚、上手く伝わるだろうか。「実績」というシステムは360ユーザーにはおなじみとはいえ、360を持っていない人には理解し辛いものであろう。
簡単に説明すると、一般的に360のゲームには「○○点を獲得」「ステージ1をクリア」など様々な目標が設定されており、それらをクリアするごとに5G、10Gなどポイントが手に入る(各ゲームで手に入るのは合計1000G、DLゲームだと合計200G)。
これらポイントは何か商品に代えることが出来るわけでもなく、やり込み度の指標としての役割しかない。けれども360ユーザーはこれをもって自分がどれぐらいそのゲームをプレイしているかを、実績名として、数値として、いつでも確認することができるし、もちろん世界中の360プレイヤーのポイントも知ることができる(この日記の左上に提示しているのがソレ。2009/1/10現在3434G)。

じゃあ全ての360用ゲームで手に入るポイントなのだったら、何も特別モチベーションが上がるものでもないだろうと言われる方もいるだろうが、『TOV』が360用のRPGだった私にとっては、冒険の過程で実績が解除されることが、軽く衝撃的だったのだ。


そもそもRPGの多くは1人用ゲームとして作られている。1人で遊んで、1人でクリアして。学生の時分は同じゲームをプレイしている人を捕まえては、どこまでプレイしただの、誰を倒しただのという話もできたが、社会人にもなるとそんな機会も減ってくるもの。結局はどんなRPGを攻略しても自己満足の世界。
けれども冒険の第一目標をクリアした瞬間、クリアしたことが明示され、ポイントが手に入り、目標クリアをゲームに認められる。更には全世界に自分自身の進行具合が公開されると思うとどうだろう。1人用RPGなのに、ただの自己満足では終わらない。その瞬間に世界との繋がりが生まれる。
これってすごいことだ。実績システムは、RPGにとってちょっとした革命ではないだろうか。


TOV』以前は、ステージクリアやハイスコア達成のような、共有化されて当然のようなわかりやすい実績を積んだものが基本だと思っており、それらはアクションやシューティング(つまり現在の360用ゲームの大部分を占めるゲーム)にこそ相性の良いものだと思い込んでいた、がその考えは改める必要がありそうだ。
RPGを何も360だけに出せとは言わない(むしろ『TOV』もPS3に移植して多くの人にプレイしてもらいたいぐらいだ)。けれども『TOV』は、実績の重要度を改めて実感させるものであり、今後も360でRPGを遊びたいと思わせるのに充分な達成感を与えてくれる作品だった。
RPGと実績。最高の組み合わせじゃないか。