洋ゲー通信 AirPort51

桜井政博のゲームについて思うこと』『ヴァナ・ディール滞在記』『魂の叫び』。
ファミ通連載コラム本は文の中身もデザインのよさもなかなか質が高いのが多くて、気に入ったのは安心して買うようにしてきた。現在ファミ通誌上で連載されている中にも「AirPort51」という洋ゲーについての薀蓄満載の連載コーナーが非常に資料的価値が高いように感じていたものだから早く単行本されないかなーと首を長くしていたら、以前イベントレポートを書いた桜井政博さんの新刊刊行イベントにて、ゲストで来た須田剛一さんの口から単行本化進行中との声を生で聞くことができ、今か今かと待ち構えていた。


そして刊行されたのが『洋ゲー通信 AirPort51』! ……なんだけどこれがどうも期待してたのとはなんか違った。
1400円もするんだしきっと『桜井政博のゲームについて思うこと』に負けじとカラーページ盛り盛り!だと思ったらそんなことなくて、全編オール白黒。洋ゲーってまず触れたことない人が多い分野なんだし、そのどぎついパッケージデザインとか奇抜な画面写真で目で惹かなきゃいかないだろうに、なんでこんなに地味なのか。肝心な文の中身は複数回の連載分をまとめて1つの記事に仕上げてるから読みやすいし、注釈もいっぱいでわかりやすい。のだがレイアウトがダサいのかなんなのか、連載文を読み直している以上のものは何も感じられない淡白さ。以前紹介した『シネマゲーム完全読本 ゲームになった映画たち』なんてオールカラーで眺めてるだけでも楽しかったのに。
表紙もダサい。「まだ洋ゲーに手を出すんじゃない今ならまだ引き返せるはずだ!」と手に取るのを躊躇させるような表紙。連載時はGTA4みたいな小洒落たギャルが目を惹くカラーページだったはずなんだが。


と、ここまで本のデザインは否定しまくったけど、文章自体は単行本化を待ちわびていたぐらいだし、かなり面白いんだよ。
『ノーモア・ヒーローズ』などの奇抜なゲームを数多く手がけてきて洋ゲーへ理解も深い「須田剛一」と、洋ゲー蒐集家にして謎のマスクマン「マスク・ド・UH」の、尽きることのない洋ゲー談義。GTAFPSみたいな軽いジャブから入って、須田剛一本領発揮のプロレスゲーやら、洋ゲーに見るベトナム戦争への深い洞察、そして極めつけは現在ネット界隈でも微妙に加熱気味?の「アタリショック」論争で有名なアタリのハード「アタリVCS」や「ジャガー」といった、あまり日本でお目にかかれないハードを大の大人が遊び倒すという無謀な企画へ突入。
ネバダ砂漠に埋められた伝説のクソゲーE.T.』って実際どうなの? ジャガーXBOX360を繋ぐ謎の男「ジェフ・ミンター」って誰? とかこれ一冊で洋ゲーの今昔が把握できるすぐれもの。連載時読んでなかった、って人には洋ゲー入門書としてはすごくオススメできる。この際本のデザインには目をつぶるしかない、と注意を促さなくてはならないのが残念ではある。