『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0』

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13年目の真実。押井版『攻殻』は傑作。


以前この映画のリニューアル前のバージョンを観たのは3、4年前にDVDで。漫画版1巻を読んだ直後、『イノセンス』直前だったこともあってかあまり良い印象を受けず、押井監督なりに原作を切り貼りしただけの代物、と思っただけだった。

それがどうしたことだろう。映画館の大スクリーン、大音響の中で観る『攻殻』から受ける印象は全くことなるものだった。原作版から語り継がれるメッセージ性は胸に響き、緻密に描き込まれた映像空間には圧倒され声も出ない。常々「映画は映画館で観るのが一番」と思っているのだが、ここまで印象の変わる映画も珍しい。押井監督流の長回しはテレビの前で正座して観ていると耐えられなくなるが、映画館という空間の中では、とてつもなくしっくり来る。映画館で観る『攻殻』。それだけで素晴らしい価値がある。何しろ、初めて押井版『攻殻』が傑作だと気付かせてくれたのだ。


音響には文句の言いようがない。これは是非映画館で体感してもらうしかない今回1番の目玉。臨場感は最高。
改変されたキャストにも違和感はなし。千葉繁さんいなくなっちゃったけど。榊原さんと田中さんの絡み最高。
リニューアルした『2.0』の目玉とも言えるCG部分には、残念ながら違和感は感じる。印象的な冒頭の空中からダイブ、中盤の水中から浮上する草薙素子が完全にCG化されているのだから、違和感を感じない方がおかしい。だが、だからこそ、よりこのシーンの印象が強まり、旧版との違いを明確にしているのだから必要なシーンとも捉えられる。それにテレビ版初期OPよりCG素子への違和感は薄いし、そんなに悪くないんじゃない?と思うことにした。
CGで再構築された空からの街並みは美しく好印象。『イノセンス』との地続き感をよりはっきりと感じられるようになったし、ラストを飾る「ネットは広大だわ」もCGの効果でより美しいものへと進化した。


幸いにも、今週一杯新宿では日本最大級の映画館ミラノ1で観られる。押井好き、攻殻好きは是非とも劇場にも足を運んでほしい。劇場で『攻殻』を、最高の音、映像で観られるなんて、こんな幸せな機会、滅多にないぞ。
ついでにプログラムは買うべし。1500円もするけど。半分は95年の復刻版だ。