メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット


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「○○らしいゲーム」という言葉があるように、ゲームのハードはそのハード特性にあったソフトが牽引し、そのソフトを中心に市場が構成されるのが常。
DSにとっては学習ソフトにゲーム的価値を付随させた『脳を鍛える大人のDSトレーニング』や、『マリオカートDS』や『おいでよどうぶつの森』のような通信プレイに重きをおいたもの。PSPは同じく携帯機向けながら、より高画質で協力プレイの楽しい『モンスターハンターポータブル』シリーズ。Wiiは特殊なリモコン型コントローラーを活かした『Wiiスポーツ』。XBOX360は『Halo3』や『ギアーズオブウォー』といった、ネットを介した協力対戦の熱いFPS/TPS。
ではそこで「PS3らしさとは?」と、考えても以前までは上手いこと明確なビジョンが頭に浮かばなかった。この「らしいゲーム」が欠けていたからこそ、PS3本体の売上にはエンジンがかからないままでいたのだ。


しかしそこに登場したのがコナミの人気シリーズ最新作『メタルギアソリッド4』。このげームをクリアしてわかったのは、「PS3らしいゲーム」とはこの『メタルギアソリッド4』のような「観賞に重きを置いたゲーム」なのではないか、ということだ。
ムービーが長い長い言われるこのソフト。序盤は戦場でのステルスミッションという新しいゲーム性を提示することに成功しているのだが、中盤辺りからゲーム性よりもムービーシーンを用いてストーリーを語る方へとシフトしていき、終盤に至っては「ゲームとムービーの同時進行」というアクロバットな手法や、30分を超す長大なムービーでスネークの最後を飾りだてようと試みている。
その結果プレイヤーにはムービーシーンの印象ばかりが強く残り、(実際のムービー時間は計ってないものの)体感ではプレイ時間の半分ほどがムービーだったのでは?と思えてしまう。
ゲームプレイでも印象的な部分は数多くあるがまず思い出すのは、装甲車やバイク上で戦う強制移動されながらの射撃シーンや、ムービーかと見紛うほど大迫力のアレとアレのバトルなど。これらはイベントとバトルを上手いこと融合していて気に入っているが、難度も低く抑えられているあたりに、開発側の「見て楽しんでほしい」という気持ちが透けて見えてくる。


コントローラー放置でムービー観賞の時間が長いため、ゲームプレイ自体は腹八分目。まだまだこの世界を触らせてほしかった、というのが正直な気持ちだ。
だが濃厚なムービーシーンで語られるストーリーに目を向けると、これまでのシリーズで張り巡らせてきた伏線を全部回収し、さらにスネークの最後まで語りつくす、という難事を見事にやってのけている。これだけすごい脚本を仕上げた、とう点においては小島秀夫・村田周陽両氏を賞賛したい。
結局私はこのゲームを気に入っているのだ。
いずれ発売されるであろう『メタルギアソリッド5』については、やはりムービー大盛りの観賞ゲームになってしまうかもしれない。が、もう少しプレイと観賞のバランスにも気を使ってシナリオを組んでもらえれば今度こそは文句なしのゲームになるであろう。


PS3には今後も『アフリカ』や『四季庭』など「観賞に重きを置いたゲーム」が次々と登場。他ハードWiiで去年夏に発売された海中散歩ゲーム『フォーエバーブルー』ではステージの狭さやグラフィックなど、ハードの限界を感じる部分も少なくなかったので、環境ゲームはPS3に期待したい。『ファイナルファンタジー13』も、きっと美しいグラフィックを武器にPS3を引っ張っていくに違いない。早くても来年以降の話だが。
PS3はまだまだこれからこれから。気長に見てあげようじゃないか。