ユウキズ・ダイアリー

アニメ・映画・ゲームについての雑記

ファミリースキー

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ちょっとスキーをしよう、と思っても山が近くにない私みたいな人間にはやたらと金がかかる。交通費は馬鹿にならないし、レンタル代にリフト券、1日で遊びきれなければ2泊3泊と宿泊代までかかる。
それでもスキーがやりたくなるのは、都会の喧騒から遠く離れた白銀の世界で、心地よい風を肌に感じながらすべるのがこの上なく気持ち良いから、なんだろうなあ。ああ、スキーがしたい。


実際にスキー場ですべるだけで面白いのだから、ゲームの世界に落とし込んでも面白いものになるだろうと考える人がでてくるのは道理である。近年の表現力の向上によって、雪山を再現したレースゲームいくつか発売された。代表的なものとしては任天堂の『1080°スノーボーディング』やウェップシステムの『クールボーダーズ』、アトラスの『スノボキッズ』、EAの『SSX』などがそれだ。
だがこれらはあくまでレースゲーム。スタートからゴールまでいかに早くすべるかを競うゲームであり、タイムを縮めるにはいかに最適なラインを見つけるか、スコアを縮めるにはいかに複雑なトリックを決めるかが重要である。気軽に山を楽しくすべるわけにはいかない。
個人的には大好きな『SSX3』ではすべてのコースが1つの山に集約されており、頂上からふもとまで30分以上すべり続けられる最高の雪山ゲーではあるが、非現実的なものすごいコースの数々を味わうことになるので実際のスキー場の雰囲気とは大分異なるのがなんとも。


だが『ファミリースキー』は違う。Wiiという史上最高の体感ゲーム機で生まれた初めてのスキーゲームは、ゲームでありながらタイムもスコアも気にする必要はない。ただただ「すべるだけで楽しい」。
操作は簡単。リモコンとヌンチャクをストックに見立てて、右に左にと傾けるだけ。自然に(もちろん使う必要はないが)膝を使ってすべってしまうはず。『WiiFit』付属のバランスWiiボードに対応しているということで注目されている面もあるが、リモコン・ヌンチャクだけでも全く問題はないので、気になっている人は心配しなくて平気だ。


ただこれだけだったら『Wiiスポーツ』を真似たただのスポーツ体感ゲームだと思う人もいるだろうが、このゲームの本質は変質的なまでのスキー場の再現度にある。
たとえばスキー場でふもとまで降りてきたら、実際はリフトで登りなおさなくてはいけないだろう。ゲームではまずこういった面倒な要素は排除される部分だが、『ファミリースキー』ではいちいちリフトに乗って登りなおす。
リフトからは自分の滑ってきたコースを自由に視点を変えながら見ることができるし、足元をすべる客をながめ回すこともできる。
さらに柱を通過する際は「ガガガッ」とリフトがゆれ、リモコンから振動が伝わってくる。
さらにさらにはスピーカーの付いてる柱の近くを通過する際は雰囲気たっぷりにくぐもった音楽(おなじみナムコサウンド「ふたりのもじぴったん」からスキー場の定番「恋人がサンタクロース」まで様々)の音が「大きくなる」。離れれば「小さくなる」。
突然音楽が鳴り止んだと思ったら迷子や落し物の場内放送まで流れ出す。「ドルアーガの塔からお越しのカイ様」ってどっから来てるんだよw


スキー経験者ならば「あー、そうだそうだ。あるある」と頷くこと間違いなしのこんな細かいところまでが忠実に再現しているのだ!未だかつてこんなゲームがあっただろうか!
(ちなみにリフトを使わないでメニュー画面から一発で移動することもできるし、リフトシーンのスキップも可能。早くすべりたいせっかちな人にも安心な仕様)


もちろんゲームなので各種レースイベントも盛りだくさんだが、やるもやらないもプレイヤーの自由。現実では当たり前だが、最初から全てのコースをリフトを使って行き来することができるので、イベントそっちのけであっちのコース、そっちのコースと雪の感触を感じながらすべりまくるだけでもただただ楽しい。
2人から4人までの多人数プレイも可能だが、一緒にレースをプレイできるだけではない。画面分割なので「しばらくしたらふもとのロッジの前に集合な」と約束して各々勝手にすべりまくれるし、「次はあっちのコース行こうぜー」と声を掛け合いながら追い掛け回すこともできる。一緒にリフトに乗って、景色を見ながらだべるだけで雰囲気が出ていて楽しい。
(ちなみに1人だけスキップすると、その人だけ忽然と消える。怖いので真似しないよーに)


スマブラX』と発売日が被ってしまったために完全に話題を持っていかれたが、多人数プレイ用ゲームとしては『スマブラX』に負けず劣らず楽しい。私は両方購入したが、新鮮味ではむしろ『ファミリースキー』が勝っていると感じた。もちろん『スマブラX』も文句なしに面白いが。


最後に。このゲームの魅力は下手に飾ったPVを見るより、滑ってる映像を見たほうが伝わるはず。興味を持った人はぜひリンク先の動画を見ていただきたい。
ファミリースキー 某社長になりきって滑ってみた(ニコニコ動画)
実際にプレイすれば、この動画を見るよりも何倍も楽しめるはず。スキー経験者ならスキー場を思い出してニヤニヤできること間違いなし、未経験者ならばっちり再現されたスキー場の雰囲気で予習に最適、なのでどんな人にもオススメできる。