ユウキズ・ダイアリー

アニメ・映画・ゲームについての雑記

今期の注目アニメ会社の話

今期のアニメも全て出揃い、熱心にエアチェックをしているアニメファンの方々ならすでに視聴継続アニメを絞っている時期なんじゃないかと思います。
個人的にオススメの作品を挙げるならば『PERSONA -trinity soul-』『シゴフミ』『true tears』『墓場鬼太郎』の4作品ってとこなのだけれど、このうちの2作品『PERSONA -trinity soul-』『true tears』を作っているのが、いずれもまだ手がけた作品の少ない若い製作会社、けれどもすごく良い作品を作るという点で共通してるので紹介してみようと思い立った次第。

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まず『PERSONA -trinity soul-』を作っているのが、2005年に出来たばかりの「A-1 Pictures」。名前を聞いたことがなくても、代表作が2007年上半期に放送された傑作野球アニメ『おおきく振りかぶって』と言えば思い当たる人も多いのではないかと。
おお振りは私自信原作漫画のファンだったために、昨年アニメ化されるという報を時点で「聞いたこともないような会社に任せて平気なんだろうか」と不安で一杯になっていたが、しかし!そんな不安を吹き飛ばすぐらいに水島努監督以下優秀なスタッフによって、原作の魅力が余すところなく詰まってる素晴らしいフィルムに仕上がってました。
そんなおお振りから一転、アニメ版ペルソナは原作ゲームの設定だけを借りたオリジナル作品としてスタート。独特の副島絵を上手く表現しているだけでも感心してしまうところだが、ミステリアスなシナリオにはゲーム未プレイの私もすごく惹きこまれる。まじめな子安武人の演技も良い。そして子安はカードヒーロー廃人。カードヒーロー楽しいよね! みんなも子安兄さんに倣ってカードヒーローを始めよう!

えー、話が逸れたけどペルソナ面白いっす。そして次のA-1作品はなんと劇場用作品。今月のNewTypeでまぶしい田園風景を魅せてくれた『ザ☆宇宙ショー(仮)』は、『かみちゅ』のベサメムーチョ三人組が手がける初の映画なのだから期待できないわけがない。ただでさえテレビクオリティを超越していた『かみちゅ』からどれだけゆるーく進化しているのか! 今年はもうこの作品を楽しみにするだけで生きていけるネ!

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ペルソナとなぜか「富山県が舞台」つながりもある『true tears』を手がけているのは、テレビシリーズ全編を単独で製作するのはこれが初となる「P.A. WORKS」。
私がこの会社の名前を初めて意識したのがつい2ヶ月ぐらい前、ニンドリだかファミ通だかのゲーム雑誌に『レイトン教授』シリーズのアニメーションを担当している会社として紹介されていたの見たときだったぐらいなので、『true tears』で初めて意識したという方も多いと思う。しかし、この会社の手がけた作品リストを見ると『攻殻機動隊S.A.C.』に『鋼の錬金術師』『精霊の守人』! いずれ劣らぬ超A級作品ばかり。どうりで『true tears』が初作品と思えないぐらいに高クオリティなわけだ。
窓から雪山さえ見えるというアニメ会社にしてはすごい環境で製作しているP.A.WORKSの所在地は、アニメの舞台と同じ富山県。地方でも大作が作れるんだ!という若手の覇気が溢れるすごい会社なので、詳しく知りたい方は、丁度今月号のNewTypeと今週号のファミ通が特集を組んでいるので読んでみることをオススメします。そしてこの昨年放送されたニュース番組内の一特集を見てしまえば、応援せずにはいられなくなるはず。
真実の涙(ニコニコ動画)

ヒロインの電波がちょっと強すぎるのが気にはなるけれど、このクオリティが続くと思えば許容範囲。最終回まで目が離せません。


この2社は今後のアニメ界を引っ張っていく大会社に成長するかもわからないので、名前を覚えておいて損はないはず。
今回紹介した会社や作品に限らず、最近は『天元突破グレンラガン』や『モノノ怪』など、新しい才能を大事にした、若く元気な作品が数多く生み出されています。YouTubeニコニコ動画の普及でアニメ市場は穏やかではない状態が続いているけれど(「2008年のアニメ産業の行方 DVDビジネスの限界と多チャンネル化」)、良い作品を作り続ければ絶対にアニメファンが増えていく、と私は信じたいです。もう少しアニメDVD全体の価格が下がれば手をとりやすいのに、とは思うのだけれどこれは少しずつ変化するのを待つしかないのでしょう。
何はなくともDVDが売れなきゃ始まらない。アニメが少しでも好きな人はニコニコなんかで満足するんじゃんなく、できるだけDVDの購入も検討してみるべきですよ。