エースコンバット6 解放への戦火

グラフィック、シナリオ、サウンド、ゲームを構成する要素がいずれもハイレベルにまとまっている高品質なエースコンバットシリーズだけに、最新作に対してプレイヤーが最も重要視する要素というと各々異なるだろう。
私が求めているのはエースコンバットならではの熱いシナリオ!と言いたかったところだけど、据え置き機での前作『エースコンバットZERO』の妙にクサいシナリオが肌に合わなくてイライラさせられたので、所詮ゲームなんだしもうこの際シナリオがどうとか細かいことはグダグダ突っ込まないことにして、元々エースコンバットシリーズに求めていた「美しい空を飛ぶ」。これさえ満足いけばいいや、と思い切ってハードごとの購入に踏み切った。


ゲームをクリアしてみて、やはり高価な次世代ハードごと買った自分の判断は正しかったように思う。購入前に「期待しすぎるなー」と気持ちのハードルを下げてたからかもしれないが、思っていたよりかはずっと面白かった。傑作4、5を上回るかというとそんなことないんだけど、これだけ面白ければ充分及第点でしょう。


これだけ満足できたのはやはり、「快適に」「美しい空を飛ぶ」ことができたから。
3→4の劇的進化に比べたらZERO→6のグラフィックの進化はそれほどでもないんだけれど、次世代機の恩恵を受けて美しかった背景がさらにグレードアップ。今まで靄のかかっていた遠景まで見渡せるようになって開放感が上がったし、フィールド内に煙が長時間残るようになった効果で戦闘の激しさもより感じられるようになった。
そして重要なのが「快適に」なったこと。今作では1つのステージ内で複数のオペレーションが進行するので1プレイの時間は長くなってしまったのだが、1つのオペレーションをクリアするごとに中断セーブされるので、その後死んでも途中からリトライ可能に。今まで度々あった「30分もかかったのにクリア間際に撃墜されて始めからやり直し」というあんまりなマゾ仕様がなくなったことは素晴らしく革新的。遊びやすくなったのはそれだけではなく、ゲージを貯める→支援要請→自分の代わりに前方の敵全滅という、アクションゲームで言う超必殺技というか、シューティングのボムみたいなものも加わったので、大量のターゲットを前にしたときのめんどくささが激減。

ついでに言うとシナリオもそんなに悪くない。様々なキャラクターの視点から戦争を描く、ということに挑戦しているためにカメラがコロコロと切り替わり感情移入はしずらいが、リアルタイムポリゴンと相まって戦争の「生っぽさ」を表現することには成功していると思う。春に観た映画『バベル』をちょっぴり思い出すぐらいに良くできてる。もうちょっと長ければ、もっと早く兄機を出してれば、とか不満はあるので絶賛はできないが、少なくともZEROよりは好きになれた。


総ステージ数や機体数が激減したことはマイナスポイントではあるが、次世代機第1作目なんだからこの際しょうがない。ルーキーにとっては遊びやすく、ベテランパイロットにとっては(改善の余地はおおいにあるものの)オンラインという新たな戦場が加わった『エースコンバット6』は良い方向に進化していると思う。グラフィックもここまでくれば進化の余地もなさそうだし、きっと2年後ぐらいに出るであろう『エースコンバット7』は4→5のようなボリュームアップした正統進化になるのか、はたまた3のような分岐シナリオ復活とか? PS3だけで発売とかリッジみたいな暴挙にさえ出なければやはり買うに違いない。