機動戦士ガンダムユニコーン(1)(2)

初代ガンダムの原作者である富野良悠季が、モビルスーツによる戦争が繰り返される遥か未来の世界―U.C.(宇宙世紀)の歴史を綴らなくなって久しい。このU.C.に魅力を感じた多くのクリエーターたちによって、スピンアウト作品は山のように作られ、消費されてきたが、しかしそれらの多くは歴史の側面を描くものであり、あと一歩踏み出し新しい歴史を描く、という域に達したものは生まれなかった。

人気作家福井晴敏によって描かれたこの新生ガンダム機動戦士ガンダムユニコーン』もやはり歴史の狭間の物語ではあるが、舞台となるのは今までめったに語られることのなかった時代(『逆襲のシャア』から3年後となるU.C.0096)だし、キャラクターデザインは初代ガンダムキャラクターデザイナー安彦良和、メカデザインは格好良いモビルスーツを描かせたら右に出る者はいないカトキハジメ。面子を見ただけで新しい「ガンダム」を作ろうという並々ならぬ気迫が伝わってくるようである。


そうなってくると作品の中身にも期待してみたくなるものだが、ストーリーは「少年がモビルスーツに載っちゃって大活躍!」という他のガンダム作品にありがちな導入だけで2巻までが終了。福井お得意の謎兵器をからめてはいるが、富野ガンダムの良く出来た模造品、という印象が最後まで拭えず、ガンダムに新しい光を当てるものだとは思えなかった。残念。

全く新しいモビルスーツの活躍を見られることは純粋に嬉しいが、現状そこにしか価値を見出すことができない。これから物語が転がりだし、福井らしい豪快なエンターテインメント作品として仕上がってくれることを期待したいが、さてどうなるか。