ヘアスプレー

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前情報なしで観て来たわけだが、エンドロールであの文字を見た時にはひっくり返るかと思った。

主人公トレーシーの母親が映画に登場した瞬間、よくこんなものすごい女性(褒め言葉)を探し出してこれたもんだと感心し、最後の最後まで女性が演じているものと信じて疑わなかった、のに、まさかまさかジョン・トラヴォルタが演じていたとは……。すっかりトラヴォルタに一杯食わされた。道理であんな体型だろうと歌も踊りも上手いわけだ。

そんなトラヴォルタが一際異彩を放つ映画『ヘアスプレー』はひたすらにカラフルでハッピーなミュージカル映画、のように宣伝しているよが、実は今なお根強く残る黒人差別問題が物語の大きな柱。けれどもそんなヘビーでデリケートなテーマだろうと、歌と踊りで包んであるからこそまっすぐに観客には伝わってくる。お気楽なおバカ映画と社会派映画という2つの顔を持つ、実はちょっぴりすごい映画だ。

トラヴォルタの起用は確かに話題性があるが、トレーシーを演じたニッキー・ブロンスキーの歌と踊りはトラヴォルタに勝るとも劣らない、いやこの映画でならむしろ勝っていると言い切ってしまおう。この映画がデビューとなる新しい才能の、若く、力強い歌声を聴くためだけに映画館に向かっても決して無駄ではない、と保障しておく。


プロデューサーズ』を観たときにも思ったが、映画とミュージカルは実に相性が良い。生の演技の熱さにはさすがに負けるが、映画になることでまるで舞台の中に入りこんでいるような感覚を味わえるというのも悪くない。