ゴッド・オブ・ウォー

アクションゲームにもいろいろあるわけだけれど、『バイオハザード』や『デビルメイクライ』といったカメラ固定の3Dアクションってのが私はどうにも好きになりきれない。酔いにくい、ベストなアングルでプレイできるという利点が確かにあるのだけれど、開放感や奥行きが感じられないために、書き割りの中を歩かされているような気がしてならないのだ。
『ゴッド・オブ・ウォー』もカメラ固定のアクションゲーム。やはりこの作品にも「書き割り」感はあるのだが、それを補って余りるギラギラとした圧倒的な爽快感が全ての欠点を拭い去り、何度ゲームオーバーしようともクリアまで楽しみながらプレイすることが出来た。


プレイ感は何に似ているかと聞かれれば間違いなく、カプコンが世界に誇るアクションゲーム『デビルメイクライ』。設定を古代ギリシャにし、ハンサムな主人公をダンディなハゲマッチョに置き換えて、アクションの幅の広さと残虐性と血の量を3割増ししたものだと思ってもらえればだいたい合ってる。『デビル〜』はデビルなりの良さというのがあるだろうが、私はより遊びやすく爽快に洗練された『ゴッド〜』に軍配をあげたい。


感心させられるのはとにかくストレスレスな点。コンティニューポイントが異常なほど設定されているので、セーブをしようとしまいと、いくら死んでも直前から無限コンティニュー可能。じゃあ簡単なのかというと全くそんなことはない。むしろかなり難しい。難しいけれどすぐにリトライできるのでまた挑戦してしまう。何度ものトライ&エラーの先に見える壁を越える瞬間。自分の限界突破。このさじ加減が絶妙である。ゲームの原始的な楽しさに触れる喜びを感じられるという点では、今年初めにプレイした『世界樹の迷宮』にも通ずるところがある。
敵はギリシャ神話の魔物、という点も通り一遍のファンタジーゲームとは一線を画す。特に、ただ切るだけでは終わらないボス戦との戦闘は、考える楽しさと巨大なものを爽快が絶妙にマッチ。これでボス戦がもっと多ければ……と思うのは製作者に酷か。ラスボス戦はあんなことになると思わなかったが、となりで観戦していた兄と供に腹を抱えるほど爆笑させてもらったので良し。このゲーム見た目は残虐そのものだが、度を越した残虐性やテキトーな翻訳によって笑える点も多数あり。


日本ではカプコンから発売されている本作は、元を辿ればSCEA、つまりアメリカのソニー製。「アメリカのゲーム」と聞いただけで「難しそう」「つまらなさそう」「複雑」「大雑把」といった印象をもつ人は多いだろうし、そういった印象に当てはまるゲームも少なくはない。けれどそんな人にこそこのゲームをプレイしてもらって、海外のゲームにしか味わえない楽しさというのも知ってもらいたいものである。