ユウキズ・ダイアリー

アニメ・映画・ゲームについての雑記

Another Century's Episode 3 THE FINAL

熱いシーンをより燃え上がらせ、悲しいシーンなら情感たっぷりに盛り上げる。そんな音楽の存在は大昔からゲームとは切っても切り離せない関係にあったのは自明の理だが、ハードの進化はゲーム音楽に人類史上最高の楽器「歌」をも導入するまでに至った。

それでも容量の関係や使用料や著作権やなんやかんやで日本のゲームでは歌入りはOP又はEDだけ、という場合が多いが、ゲームを引き立てるのに一役も二役も買ってきた。個人的な話かもしれないが、『ブレスオブファイア5』や『ICO』『塊魂』『スカイガンナー』『ANUBIS Z.O.E.』など、お気に入りのゲームは特に主題歌の印象が強く残っている。


欧米のゲームに目を転じてみると日本とはそもそも使用権の構造が大きく違うようで、『グランドセフトオート』や『バーンアウト』などはゲーム中に既存の楽曲が多数用いられている。そのゲームだけでしか聴けない曲が少ないというのは少々寂しい気もするが、それでゲームがより引き立つのならアリ。『SSX3』と『クレイジータクシー』におけるゲームと歌の融合具合には特筆すべきものがあるが、まあそれについてはいずれ書くこともあるだろう。




前置きが長くなったが、今回のお題はリアルロボット大集合のハイスピードアクションゲーム最新にして最終作『Another Century's Episode 3 THE FINAL』。よく知らないって人は大ヒットロボットシミュレーションゲームスーパーロボット大戦』のアクションゲーム版とでも思ってもらえればほとんど間違いない。

シリーズ3作目の大きな目玉として注目されていたのが、ゲームに参戦している歴代ロボットアニメの主題歌がプレイ中に流れるという点。私もこれを楽しみにプレイしていたのだが、序盤は忙しいコントロール操作に気をとられすぎたことと、聴き馴染んでいる名曲が見慣れたロボットのバックで流れているという目の前の事象にあまりにも違和感がなさすぎて、かえって歌の印象が薄くなってしまっていた。それよりも煩雑な操作性とかすかすかなマップとかの方をどうにかすべきだったんじゃないのか、などと不満を募らせるばかりだった。


印象が一変したのが最終面手前の「MISSION26 エウレカ救出2」。『交響詩篇エウレカセブン』のヒロイン・エウレカを救出するために向かった月光号を守りながら、無数の抗体コーラリアンをぶちぶちとつぶしていく簡単なステージなのだが、その単純な作業のバックでながれているのが『エウレカセブン』の4期主題歌「sakura」。雄大な調べとともに大空を駆けるその体験は震えが来るほどの快感を伴い、まるでアニメの中に取り込まれたかのような錯覚を覚えた。もうこれを味わえただけでいろんな不満は全て帳消ししていいや。

全18作品のアニメから機体が参戦しているのも注目ポイントだが、(分岐の選び方にもよるが)ストーリーのメインになっているのは『エウレカセブン』や『オーバーマン キングゲイナー』『新機動戦記ガンダムX』『真ゲッターロボ 世界最後の日』などの比較的新しい作品ばかり。これほどまでに大好きな作品だけが融合したストーリーなどついぞ見たことがないのでニヤニヤしっぱなしだったが、これらの作品に興味がない人には全くピンと来ないだろうな。「ガンダムしか知らない」「昔はアニメ見てたけど……」って人には全く薦められないが、20代前半の現役ロボットアニメ好きはなんとしてでもプレイすべきゲームに仕上がっている。