インシテミル

米澤穂信北村薫らに類する「日常ミステリの人」という印象が強くあったのだが、そろそろ改めなくてはいけないようだ。


時給112,000円×7日間の超破格アルバイトにのこのこやってきた年齢も性別もバラバラの12人。彼らに与えられたのは鍵の閉まらない個室とそれぞれ違う1つずつの武器。使うも使わないも自由だが、1人殺すごとに給料2倍ドン。最悪の7日間が幕を開ける・・・・・・。

バトルロワイヤルと十角館の殺人をくっつけたソリッドシチュエーションスリラー、とでも言えばいいのだろうか。どこかで見たことのあるもののつぎはぎなのだが、米澤穂信的に作品の中で整合性もとれているのでバカにはできない。こんなにポコポコ人を殺せる人間だとは思ってなかったので悪意たっぷりの話の運びには幾分か戸惑いはしたが、中盤からの勢いに押されて一気に読破。そしていやーな読後感。うわ、これだこれ。これがあるから米澤ミステリはクセになる。


おそらく本作は今年のミステリランキングでも上位に食い込むはずの逸品だし、米澤穂信にはこれからもがんがんミステリ寄りの作品に挑戦していってほしい。今後の成長がまだまだ期待できる頼もしい作家だ。