アズールとアスマール

今日まで渋谷シネマ・アンジェリカで上映中の、ジブリがプロデュースしたフランスのアニメ映画。

ストーリーは極めて古典的で、どこかありそうな御伽噺。アズールとアスマール、2人の青年が寝物語に聞かされていた囚われの王女の存在を信じ続け、彼女を救いに旅に出る、というもの。しかし古典的だからこそ現代への風刺がたっぷり詰め込まれ、観た人の心にはいつまでも残る普遍性を持っている。

ミッシェル・オスロ監督の前2作(『プリンス&プリンセス』『キリクと魔女』)は未見なので比較はできないが、2Dの背景(しかもほとんどが横からのカット)にCGのキャラクターを載せた、古代エジプトの壁画のようなビジュアルはこれまでに見たことのないもの。最初は不思議な映像に戸惑ったが、制限された表現ゆえの様式美に気付き、そこに投入された最新技術による極彩色のビジュアルに圧倒されるうちに、次にどんな美しい背景が、どんなキャラクターが出てくるのかと自然とワクワクしながら魅入ってしまった。



海外、特にフランスのアニメを観ると、最先端と言われる日本のアニメでさえも多くのものが一つの型にはまって抜け出せなくなってるのがよくわかる。だからこそこういった刺激になるアニメを有名なジブリが輸入してくれるのは嬉しいし、これをきっかけに是非多くの人に、海外アニメはディズニーだけのものじゃないんだ、ということを知ってもらいたい。

もしこの作品を観て海外アニメに興味を持ったという方がいれば、『ベルヴィル・ランデブー』『アイアン・ジャイアント』『岸辺のふたり』とかもオススメ。