『ドラコニア綺譚集』


表紙にはデカデカと描かれたドラゴン。”ドラコニア”というドラゴンに似た響きのタイトル。これはもう十中八九ドラゴンの伝説集に違いないぞこういうファンタジーで心躍る本が大好きなんですよと手に取ったのだが、肝心の中身はというと、最初の章こそ伝説の生き物「極楽鳥」を取り扱っているものの、それ以降ドラゴンどころかいわゆるファンタジー小説的な生物は全然出てこない。代わりに出てくるのが4000匹を超える玉虫とかしゃべる衣魚(しみ)とか金の蜜蜂とか……。買う本間違えたかな。


まあこれはこれで面白いエッセイ集だったので満足してはいるんだけど。記憶力が抜群によかったとされる澁澤龍彦の著書なだけに、国内外問わず古今東西の聞いたことも無いマニアックな本の引用や独自の訳で大部分が構成されており、今まで知らなかったというか知ってもどうでもいいような歴史の裏の裏を垣間見ることができる。こんな文章を書いて死ねるなんてさぞや幸せな人生だったのだろう、と思いWikipediaで検索してみるとなんとも壮絶な人生を送った方だったんですね。