『バイオハザード(GC版)』

かつてゲーム機を持っていなかった私にとっての1996年に発売されたバイオハザードというゲームは、隠し武器ロケットランチャー取得のための短時間クリアに大勢のクラスメイトがはまりこんでいるのを蚊帳の外から眺めていたり、やっと触らせてもらってもちょっとの時間じゃ独特の操作方法に慣れず、ろくにまっすぐ歩くことさえできなかったりといった、苦い思い出ばかり想起されるゲームだった。
だからそれ以降のバイオハザードシリーズにも興味は持たなかったし、映画化されようともあえて観ようとは思わなかった。


しかし、2005年に発売されたバイオハザード4はそれまでのシステムを刷新し、爽快感溢れる革新的ゲームに生まれ変わった、らしい。らしいと聞いてPS2を手に入れ古今東西のゲームをやりまくっていた私はなんとかしてやってみたいと思ったものの、プラットフォームは当時でさえ終焉を迎えつつあったGC。次世代機の噂もちらほらと聞こえてくる中買うわけにはいかないと思い、結局その時はスルー。
その後PS2版も発売されたものの、さすがに映像はGC版に劣ると聞いて、今一歩踏み出すことができずにいた。


そして迎えた2007年。
システムをWii向けにチューンしてバイオ4が帰ってくると聞いて、Wiiを購入済みの私にとってはもう買わない理由がないわけで。そうなると気になってくるのが4以前の作品。苦い思い出を抱えた1作目はGC向けにリメイクされているので、幸いにも480円の値札を付けて並べられていたのを見つけてすかさず確保。
ついに思い出を塗り替える時がやってきたわけである。


10時間以上かけて先日ジル編をクリアするに至ったので、率直に感想を言うと、面白かった。面白かったのだが……それ以上でもそれ以下でもなかったのもまた事実。


以前少し触ったときにも、もちろんホラーゲームなのだとは理解していたが、「ゲームとして」の面白さをどこに感じればいいのかよくわからなかった。アクションゲームとしてはあまりに動かしずらいし。

しかし今回通してプレイしてみたおかげでよくわかった。アイテムを手に入れ、謎を解き、フラグを立て、一歩一歩行動範囲を広げていく快感。それはまさにゼルダやベイグラント・ストーリーを初めてプレイしたときに感じた、優れたアドベンチャーゲームで味わえる快感と全く同種のものが、このバイオハザードには備わっている。だからこれだけ高い評価を受けているのかと、10年以上かかってやっと腑に落ちた。

  • グラフィック

このGC版バイオ1で最も感心したのはその優れたグラフィック。5年前のソフトだというのに未だGC最高と謳われるほどのそれは、依然としてその映像性能をフルに活かしたゲームが出ていないWiiでプレイしてもやはり、非常に優れたものだった。

揺れる蝋燭の火。 漂う薄い霧。 深い闇。

1枚絵の背景だからこそ一層美しく見えるのだろうが、もしこのレベルでリアルタイムで表現されていたのなら、PS3や360と同レベルと言っても過言ではない。今更ながらカプコンの技術力の高さには舌を巻く。

  • 総論

で、結局のところどうなのかというと、絶賛するほどのものではないと思う。
「まだジル編をクリアしただけの素人にそんなことを言われる筋合いはない!」と世に何百万といるであろうバイオ好きには叩かれそうだが、そう感じてしまったのだから仕方が無い。

グラフィックだけは今でも充分通用するレベルなのだが、やはりゲームシステム自体は10年前のもの。地味な快感はあっても、今の据え置き機に求められるレベルではないだろう。

だからこそ「今」のゲームとして生まれ変わったというバイオハザード4にはより期待がかかるわけで。さすがにゾンビをしばらく見たくないので間を置くことになるが、必ずやその革新的面白さとやらに触れてみる予定である。