ユウキズ・ダイアリー

アニメ・映画・ゲームについての雑記

レビュー

傀儡后

帯の「日本SF大賞受賞」の文字とラノベ風の表紙に釣られてよく調べもしないで買ってみたのだが失敗。近未来の大阪が舞台のSFジュブナイルが展開!・・・・・・していきそうなミステリアスな序盤にはわくわくして読み進めていくも、物語は悪い意味で予想を裏切…

ピアノの森

日本の深夜アニメを語るうえで外せない監督といえばマッドハウスの小島正幸、と言っても知らない人は少なくないだろう。 日本テレビは深夜アニメが始まった当初から大人向けの原作付きアニメに積極的に取り組んでいるのだが、ベルセルク以来断たれることのな…

ラッキー・ワンダー・ボーイ

少ない色数で表現された超未来的映像、シンプルなゲーム性。表現力が未熟だろうと容量が少なかろうと、レトロなアーケードゲームには何物にも変えがたい魅力があった、らしい。らしいというのは私自身はインベーダーなりパックマンが流行っていたころの時代…

星のカービィ 夢の泉の物語

「ま〜るかいて」 「おまめがふたつ、おむすびひとつ」 「あっというまに、ほしのカービィ!」ファミコン版が発売されたのは実に今から14年前、1993年のこと。いくらファミコンに憧れようとも買ってもらえなかった当時の私は、テレビCMで聞いた絵描き歌を…

ジーニアス・パーティー

STUDIO4℃の短編集って言ったら『DEEP IMAGINATION - 創造する遺伝子たち』っていうそれはそれは酷いDVDがあったんだけど(中沢一登の『COMEDY』以外つまらんよ!)、それはまあグラスホッパーっていうDVDマガジンに収録されていた作品をまとめただけの…

フォーエバーブルー

プレイヤーはバオウル共和国近海に位置する「マナウライ」にやってきた新米ダイバー。普段気軽にできないだけに憧れるダイビングだが、このソフトならリモコン1本で美しいマナウライの海中散策を楽しめる。もちろんゲームなのでちょっとしたストーリーや後…

アヒルと鴨のコインロッカー

伊坂幸太郎お得意の複数視点からの物語構成は今作でも健在。ボブ・ディランの歌を歌いながら本屋の広辞苑強盗を手伝うことになってしまう哀れな学生「椎名」と、正義感の強さが仇となり動物虐殺犯におびえる「琴美」。2年の時間を隔てた2人の物語が、謎の…

海獣の子供(1)(2)

ドキドキしながら開いた1ページ目。混じり合う空と海の青さ。 タイトルと共に突然現れる、多種多様な海洋生物。新しい伝説に立ち会うことができたような気がして、本編が始まる前から、高揚感で胸がつまりそうだった。 傑作短編集『魔女』から2年半の時を…

キサラギ

感動大作『Always 三丁目の夕日』を手がけ、第29回日本アカデミー賞で最優秀脚本賞を獲得した期待の脚本家古沢良太氏が原作・脚本を担当。いくつもの家族の悲喜劇を織り交ぜた『Always』の反動からか、今作は非常にこぢんまりとした内容に。何せ2時間近い上…

みずいろブラッド

発売して一ヶ月が過ぎようともダラダラと毎日更新される公式ブログや、発売から2週間ほど経ってから銀魂の途中にCMを流しだすとかいう部分にスタッフの妙なやる気を感じたのと、好きな作家の絶賛に後押しされて買ってしまいましたよ『みずいろブラッド』…

ゼルダの伝説 夢幻の砂時計 その3

2Dのマリオシリーズにおいて、マリオがいくつかのステージをクリアして最後に待ち受けるクッパを倒す、という定型が決まっているように、ゼルダにも定型がある。やはり同じように、いくつかのダンジョンを攻略して最後のボスを倒すというものだが、その定…

『ゼルダの伝説 夢幻の砂時計』その2

今や大人気のニンテンドーDS。タッチスクリーンを搭載したその特異なインターフェイスによって、これまであまり日の目を見てこなかったジャンルでさえ脚光を浴びるようになってきた。1つはもちろん『脳トレ』に代表される教育系ソフト。文字を書き込めると…

『きみにしか聞こえない』

乙一の小説に初めて触れたのは今から5年も昔。私がまだ高校生だったころ。その頃あまり一般書籍を読んでいなかった私にとって(つまりラノベばっか読んでた)、小説の面白さがギュッと詰まった氏の数々の短編はとても魅力的で、本の持つ「力」を思い出させて…

『ゼルダの伝説 夢幻の砂時計』その1

ゲームが他の文化、例えば小説や映画などと比べると劣るような印象を持ってしまうのは、それら成熟しきった文化と比べると、誕生からまだあまり年月を経ていないことが原因の1つだろう。またそのために正しい認識をされず、精神への悪影響などといった負の…

『十角館の殺人』

長い春休みを満喫しようと孤島での合宿を決行した7人の大学生。「エラリイ」「ポウ」などそれぞれ著名な作家の名前を持つ彼らミステリ研のメンバーたちは、島唯一の建物「十角館」に泊まりながら自由気ままに過ごす気でいたが、メンバーの1人の死を皮切り…

『ベルカ、吠えないのか?』

この小説の筆者、古川日出男が以前描いた傑作ファンタジー小説『アラビアの夜の種族』は「嘘のような伝説を翻訳したもの、を騙ったフィクション」という一風変わった形式をとっていたが、それ以来の書き下ろし長編であるこの小説は、それを意識してのことか…

『図鑑に載ってない虫』

公式サイト 先日好評のうちに終了したドラマ『帰ってきた時効警察』などでおなじみの三木聡監督の最新作。手に入れれば一度死んでまた生き返ることができるという謎の虫「死にモドキ」を探す、売れないルポライターとその他変な人たちの一ヶ月を描いた物語。…

『もやしもん』

たとえ見えなくても、生活のあらゆる場面に菌は存在する。知識としては理解していてもついつい忘れがちな事実だが、このマンガの主人公・直保はそれを忘れることはない。なぜなら彼は菌が見えるのだから。 ファンシーな菌たちと共に描かれる農大学術系青春ス…

『舞妓Haaaan!!!』

公式サイト 舞妓さんと野球拳することを夢見て生きるサラリーマンのサクセスストーリー? 脚本が宮藤官九郎で、主人公・鬼塚公彦を演じるのが阿部サダヲということで、毎週楽しみに『タイガー&ドラゴン』を見ていた身としては、あの阿部サダヲのハイテンシ…

『∀ガンダム 月の風』

ストリートファイターや∀ガンダムのキャラクターデザインを務めた、全世界で注目のイラストレーターあきまん氏による初のコミックスがついに登場!といえば聞こえはよいのだが、おそらくこのマンガを少しでも読んだ人はページごとにタッチが異なる、というか…

『燃えろ!熱血リズム魂 押忍!闘え!応援団2』

今月号のNintendoDREAMの付録冊子、DSソフトオールカタログを見てみると、シリーズ一作目の『押忍!闘え!応援団』の累計販売本数は6.8万本。それに対して今作の累計販売本数は11.4万本。未だに2万本ペースで売れているようなので、累計20万本も…

『ドラコニア綺譚集』

表紙にはデカデカと描かれたドラゴン。”ドラコニア”というドラゴンに似た響きのタイトル。これはもう十中八九ドラゴンの伝説集に違いないぞこういうファンタジーで心躍る本が大好きなんですよと手に取ったのだが、肝心の中身はというと、最初の章こそ伝説の…

『ドンキーコング ジャングルビート』

革新的インターフェイス 今の任天堂を支えるニンテンドーDSやWiiといったハードは、その革新的で直感的なインターフェイスによって人気を獲得しているが、任天堂が革新的な操作方法を考案したのはこれがもちろんこれが初めてのことではない。それこそ日…

『ゲドを読む。』

『ゲドを読む。』公式サイト http://club.buenavista.jp/ghibli/special/ged/about.jsp 昨年夏にスタジオジブリ製の『ゲド戦記』が上映され良くも悪くも話題になったが、映画は観たけど原作は読んでない、という人は多いように思う。これは『指輪物語』が『…

『たったひとつの冴えたやりかた』

星野の北方に位置し、星の密度が低いためにまるで黒雲が広がっているかのように見える地帯―通称「リフト」の周辺で起こった3つの歴史的事件を収録した作品集。体内にまで侵入可能な超小型エイリアンから1つ目4本腕のエイリアン、ワープ航法に超高速通信、…

『スパイダーマン3』

公開から一ヶ月ほど経って、さすがに客もまばらな平日の昼間に行ってまいりました。 以前はアメコミ映画に興味を持てなかったので、一作目を観たのは叔父の家にたまたまDVDがあったからなんですが、そのまっすぐなストーリーと魅力的なキャラクターにすっ…

『海街diary1 蝉時雨のやむ頃』

今年のベストマンガは『おおきく振りかぶって』第8巻、と言いたいところだったんだけど、昨日買ったこのマンガ『海街diary1 蝉時雨のやむ頃』があまりにも良かったので暫定1位に確定。この場を借りて紹介してみる。 鎌倉という舞台背景 山と海に囲まれ多く…

『バイオハザード(GC版)』

かつてゲーム機を持っていなかった私にとっての1996年に発売されたバイオハザードというゲームは、隠し武器ロケットランチャー取得のための短時間クリアに大勢のクラスメイトがはまりこんでいるのを蚊帳の外から眺めていたり、やっと触らせてもらってもちょ…