ユウキズ・ダイアリー

アニメ・映画・ゲームについての雑記

「黒川塾 バーチャルリアリティの未来へ 4」でVRトップクリエイターの知見に触れる

黒川塾 四十壱「バーチャルリアリティの未来へ 4 ~ あれから2年」で錚々たるVRクリエイターのお話を聴講できると聞き、10月28日夜、会社帰りにふらっと寄ってみた。

peatix.com

登壇者はPSVRを発売したばかりであるSIEの吉田修平氏バンダイナムコゲームスでサマーレッスンを手がける原田勝弘氏、同じくバンナムでVR ZONE Project i Canを指揮したコヤ所長こと小山順一朗氏、そしてOcuFesのGOROmanことOculusの近藤義仁氏。なんだかすごいところに来てしまった。

以下当日のメモより。意図が伝わるように編集している箇所があるのはご容赦を。

 

  • VR ZONEと呪いの世代

小山氏

・VR ZONEは計画の250%達成で大成功。

最初は渋谷パルコで開催することを計画していたがお台場に。

・「さあ、取り乱せ」のキャッチコピーが効いた。効きすぎて取り乱す系タイトルに人気が集中。

・どうしてボトムズを選んだのか。自由移動ができるから。でもガンダムだと自分が18mの巨人になるかのような体験になってしまうので無し。そしてボトムズ=鉄の棺桶。取り乱す。

・VRというテーマが強いのか、IPが強いのか見極めるため開始当初はIPを入れなかった。当初20代中心の客層が、10代と40代が伸びる結果に。

・40~50代はバーチャルガッカリ世代。呪いの世代。けれどボトムズ目的で来てくれた。

・呪いの時代。当時ナムコとしても、舛添元知事がプレイしたことでも有名なバーチャリティ2000をゲームセンターに導入。けれど全然プレイされなかった。やった人も怒りだす出来。

リッジレーサーでさえ当時は「バーチャルリアリティ体験」として売っていた。「バーチャルリアリティ世代」と「VR世代」は線引きされている。

 

  • サマーレッスンとVR体験

原田氏

・サマーレッスンは圧倒的売上1位。

・ユーザーの感想は3種類。①VRのすごさに声が出ない。②内容を知っていたうえで「こういうことか!」と納得。③既存のゲームの延長線上で評価。

VRは体験

・某メディアのインタビューを(校正ができないので)断ったから、というのは冗談だが、サマーレッスンの事をボロクソに書かれた。だがバットマンでさえ「ゲームとしては」29ドルはどうなのか?と批判されている。

・VRはプレイしないと伝わらない。文章では伝えられない。サマーレッスンは実況プレイ向けと言われたのは意外だったが、見てみたら確かにその通りだった。

小山氏

VR ZONEではゲームではなくアクティビティと呼ぶことにしていた。

・ゲーマー視点の人はゲームとしてのアドバイスをしてくる。けれどBGMをあえて無くすなど、リア充をびっくりさせることに重点を置いて作ることにしていた。

原田氏

・お台場には体験目的でお客が来てくれた。PSはゲームとして見られてしまう

小山氏

・自動で始める、自動で終わるという仕様にしなかった。結果、スタッフに裁量を持たせることで、プレイヤーの驚き方が変わるようになった。

原田氏

・アーガイルシフトはスタッフが冒頭に設定を言うようになってから没入感が増すようになった。

 ・サマーレッスン体験版ではサウンドチームが頑張ってくれて、最初に3秒間だけ効果音、ノイズが鳴る時間を設けたら没入感が格段に上がった。

小山氏

・VR ZONEのガンダムのアクティビティでは、何も知らずに体験させた人と、「ザクが襲い掛かってくる、逃げないと死ぬ」という設定を聞かせてから体験させた人では全然反応が違った。(会場ではその際の動画を再生。設定を聞かされて体験した人のリアクション芸人かのようなオーバーリアクションは会場中を湧かせた)

 

  • OculusのSocialとMedium

 近藤氏

サンノゼで開催されたOculus Connect 3。日本からも50~60人参加。注目は「Social」と「Medium」。

・Socialで全然違うところにいる複数人が交流したり、360度動画を共有できる。運動会に来れない田舎のおじいちゃんに運動会を見てもらう、なんてことができるようになる。生活の不便を解消できる。

・Touchを使った3D造形ソフトMediumは今までフレームに捉われていたオペレーションが自由になる。今まで習得に1週間かかった3D造形が10分で済むようになる。3Dプリントもできる。CADは再定義される。

 

  • VR部

 原田氏

・VRに興味を持った時、周りはやれやれ言っても金は出ない。鵜之澤(当時副社長?)には「こういうことは部活としてやれ」と言われた。

・なんとか部活としての体制を組んで、完成したものには皆反応がよく、社内の空気は今ではガラッと変わった。

・鵜之澤は「部活でやれば良いものになると言った通りだろ!」とまで言うように。

小山氏

・今では部署としてのVR部ができた。

・呪いの世代が経営判断しているので、VR ZONE含め最初は上層部の動きが鈍かった。

・アーケードは右肩下がりなので今やるしかないと思った。新しいものはコンテンツの価値を高める。だからVR ZONEは1,000円以上に設定しても成功できた。

 

  • ビジネスとしてのVR

原田氏

・VRには未だに発見がある。ビジュアル面でもサウンド面でも。サマーレッスンでそんな発見を発信していきたい。一度のお祭りではなく、長い期間続けたい。

・これからは人工知能(AI)も注目。AIが完璧な反応をするのは過渡期だから。いずれ不完全なもの、つまりは生物になる。

アイマスはアーケード初期から見守ってきて、それこそ(ヒロインの1人)伊織と一緒に働いているんだという自分だけのバーチャル体験をしてきた。そんな体験がVRとAIでエンタテインメントになる。

MMORPG格闘ゲームをAIとプレイする時が来る。OFF会をやったら誰も来ない、けとまたゲーム内であったら「おいおい来てただろう」と。実はAIは監視カメラでOFF会会場を見ていた…、なんてことも起こりうる。

・VRはメンタルケアにもなる。死んだ父の疑似AIからVR越しにアドバイスを受ける、なんてことだって実現するかもしれない。

近藤氏

・VRはマネタイズが大変。けれどPC黎明期は同じだった。VRは開発者にとって公平にチャンスがある。ゲームエンジンも揃っている。みんながチャレンジできる。

・VRは体験なので1回で飽きてしまう。何度も遊びたくなる、遊ぶために早く帰りたくなる、仕事中に一緒にいてくれる。そんなコンテンツを作っている。

原田氏

伊織が隣にいたら仕事しないよ。

小山氏

・例えばマリオカートのワンワン、ドラゴンボール元気玉でも、VRならすごいことになる。日本のIP独自の想像力を高められる。海外にIPを買われる前に向き合うべき。

吉田氏

・(PSVR発売後の反応はどうかという問いに対し)社内は静か。視線が左寄りになる不具合は調査中。タイトルによっては酔いが激しいのは想定内。驚くほど良いスタートを切った。

 

  • Q & A

ーー気分によって酔う時も酔わない時もある。ゲームだと思って遊ぶと酔う気がするがどうか?

原田氏

・VRへの興奮度が高いと酔うかも。またVRに慣れるといろんなところを見るようになって酔うのかもしれない。メンタルで変わる。

ーー任天堂はNintendo Switchが失敗したら、10年以内にソフトメーカーになる。VRでマリオを。ソニーからアプローチを続けてほしい。※注:質問者はルイージコスのピョコタン

吉田氏

任天堂のゲームがもっと多くの人に遊ばれてほしいとは思っている。

ーースターブレードギャラクシアンをVRリメイクしてほしい。

小山氏

・そのままリメイクするとコクピットに座るだけになる。当時そのままでいいのか、妄想力を広げて、当時の世界観を広げるのか。

原田氏

・(実現するとしても)単なるリメイクで良いとは思わない。

ーーVR ZONEの「高所恐怖SHOW」は家庭だと実現できないのか?

吉田氏

・短いものならPSVRでもできる。映画「ザ・ウォーク」のVRデモも作った。

小山氏

・(家庭でVRを行うと)安全なものが危険にもなる。注意が必要。

 

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「VRは体験。既存のゲームの延長線上で捉えるべきではない」という考えが特に印象に残るもので、VR ZONEに感じていた物足りなさにようやく得心がいった。そもそもゲームとして作っていなかったのか……。ゲームの表現方法とばかり考えていた自分にこれはショックなことだった。VRにはゲーム性以外の評価軸を持って接する必要がある、ということを知ることができたのだ。その他、多くの知見に触れられた素晴らしい講義だった。

そして原田勝弘氏の伊織愛も本物だった。VRの進化には期待しかない。

Nintendo Switchは4年前から予見されていた

あれっくすさんはなんでも知っている

  •  Nintendo Switchの発表

すでにご存知の通り2016年10月20日23時に任天堂の新据え置きゲーム機『Nintendo Switch(以下NS)』が発表された。以前より発売が予告されていたNXの正式名称及び概要が公表された形だ。


【初公開映像】Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)

www.nintendo.co.jp

詳細はリンク先を見て頂くとして、こうした「携帯可能な据え置き機」が発売されることは実は4年も前に予見されていたのだ。任天堂の老舗ファンサイトN-Stylesを運営するあれっくすさんによって。

 

  • 予見されていたNintendo Switch

遡ること4年前、任天堂への情熱と若さが有り余っていた私は任天堂ハード偏向同人誌『ウィーゲー』(全2号)をコミックマーケットで頒布したのだが、2号掲載用の企画としてあれっくすさんへのインタビューを行なった。

そしてその記事を転載したのが以下のエントリである。

yuki222.hateblo.jp

この中であれっくすさんは以下のように語っている。

「あとは、次の世代は据え置き機と携帯機が一体化するんじゃないかって気がします」

―そこまで行っちゃいますか!?

「1つの会社で(据え置き機、携帯機の)2つのラインを持つのがそろそろきついんじゃないかと。家庭でしか出来ないゲーム、持ち運べるゲーム、両方で遊べるゲーム、とソフトの種類は複数になるけど、ハードは1つにして。

 家の方には、テレビと携帯機を繋ぐ受信機と、高性能なプロセッサと大容量のハードディスク。携帯機にはパワーの劣るCPUと、液晶画面とコントローラ。このアイディアは結構いけるんじゃないでしょうか」

このインタビューを収録した2012年5月は、Wii Uの発売6ヶ月前、さらに言うと翌2013年1月に報道された任天堂の携帯・据え置き開発体制一本化のニュースよりも前のことである。

唯一異なるのは記憶媒体とプロセッサも(おそらく)携帯機側に搭載されたことぐらいだろう。いずれにせよ、あれっくすさんの先見性には感服するしかない。

あれっくすさんは既にNintendo Switchについての考察記事を書いているのでみんな読もう。

n-styles.com

 

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なおウィーゲー2号は4年経った現在も在庫を抱えてる絶賛発売中だ。購入希望の方は連絡ください。

 

これこそが20年間待ち焦がれていたパトレイバーだ! 『パトレイバーREBOOT』

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現在劇場にて1週間の限定上映中の『ゴーゴー日本アニメ(ーター)見本市』。これはドワンゴスタジオカラーによるWEB配信短編アニメシリーズ『日本アニメ(ーター)見本市』の傑作セレクト上映なのだが、劇場公開にあたり異色の追加作品が制作された。機動警察パトレイバーシリーズ最新作となる『パトレイバーREBOOT』だ。

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パトレイバーは大好きな反面、過去に何度も苦渋を飲まされたこともあるシリーズ。たったの8分間だし期待し過ぎてはいけない、というかチケット2,000円て高過ぎない?、と悶々としながら『ゴーゴー日本アニメ(ーター)見本市』を観賞したのだが……。各短編アニメはWEBで視聴済みとはいえ大画面映えする作品ばかりなので新鮮な気持ちで楽しく見ることができたし、肝心の『パトレイバーREBOOT』は、予想を上回る面白さに度肝を抜かれた。

これこそがもう一度見たかったパトレイバーだ。ここから何かが始まりそうな予感に、今とても、ワクワクしている。

 

機動警察パトレイバーシリーズは、ご存知の通り1980年代末から1990年代始めにかけて、漫画、OVA、TV、映画とフォーマットの垣根を越えて、当時まだ珍しかったメディアミックス展開を実現し大変な人気を博した作品。その根強い人気に後押しされてその後2度のREBOOT(再起動)に挑んだのだが、いずれも成功と呼べるものではなかった。

1度目は2003年に劇場公開された『WXIII 機動警察パトレイバー(パト3)』と『ミニパト』だ。漫画版で描かれた廃棄物13号編をアレンジした『パト3』は1本の作品として完成度が高いものの、『機動警察パトレイバー 2 the Movie(パト2)』以上に、これまでの主人公である特車二課の面々の出番も、パトレイバーの活躍さえもほとんどない展開は、10年ぶりの長編映画への期待に応えるものではなかった。さらに併映された『ミニパト』は、短編ギャグ映画でしかなかった。

そしてさらに10年の時を経て復活した『THE NEXT GENERATION パトレイバー』は、OVA版と劇場版2作品を手掛けた押井守監督が手掛けた実写ドラマ+長編実写映画。押井守監督作品ということで非常にパトレイバーらしい丁々発止の会話劇が楽しめたものの、実写となることで皮肉にもリアリティが落ちた作品世界にかつての魅力が宿ることはなく、『パト2』後の世界線ーつまりレイバー産業が衰退した世界にはこの先の展開を予見できるものは何もなかった。パトレイバーはこれでおしまい、と思うしかないものだった。

 

と思ったところにたった1年の間隔で公開されたのが今回の新生パトレイバーだ。今作は過去2度のREBOOTとは全く異なる点は、正統派のアプローチだということ。パトレイバーという非常に受け皿の広い作品の性質上、レイバー戦があまり描かれない過去2度のREBOOTもそれはそれで「らしい」ものだったと言えるのだが、僕らが本当に見たいのは格好良いレイバーが格好良く闘う姿だ。そこに来て今回は、8分という短い上映時間を目一杯使って濃厚なレイバー戦を描いてくれた。それも昔では描き切れなかったであろうディテール満載のレイバーを、迫力の特撮風あおり気味アングルで、だ。これぞ現代ならではパトレイバーである。

そんな今作を監督したのは吉浦康裕氏。吉浦氏といえば『イヴの時間』に代表される会話劇の人、という印象だが、WEB版『アニメ(ーター)見本市』では『PP33 -POWER PLANT No.33- 』『ヒストリー機関』で迫力の怪獣戦やコメディまでもを描き、多才ぶりを発揮してきた注目の監督。今作では氏の得意分野がパトレイバーという作品にマッチしたことで、相乗効果が発揮されたのではないだろうか。氏のインタビューを読むと特に『パト1』が好きとのことなので、なるほど今作は『パト1』序盤の暴走レイバー戦の現代アレンジと見ることもできる。東京の下町を克明に描いた情景も、とてもパト1している。(あの庵野秀明氏がエグゼクティブプロデューサーに名を連ねているということもあり、重なる点も多い『シン・ゴジラ』序盤のと比較しながら見るのもまた面白い)

またキャラクターデザインを担当したのは『おそ松さん』の大ヒットが記憶に新しい浅野直之氏。原作に寄せる巧みな技を今回も発揮し、ゆうきまさみ氏描き起こし原案があるとはいえ、新主人3人はもとよりモブキャラに至るまで、親しみやすく、時にコミカルで、キメる時はキメる、そんなゆうきまさみ氏の漫画を飛び出したようなキャラクターで統一されている。野明も遊馬も後藤隊長がいなくたって、これなら列記とした特車二課だ。

ゆうきまさみ氏のみならず、音楽は川井憲次氏、監修・メカデザインは出渕裕氏、脚本フィニッシュを伊藤和典氏とお馴染みのメンバーも勢揃い。フレッシュなメンバーと古参メンバーの連携がとれていることも、今回パトレイバーとしての完成度を高めた一因なのだろう。

 

  • 観賞手段は少ないものの、ぜひ見てほしい

ということでとてもオススメな 『パトレイバーREBOOT』なのだが、観賞手段が少ないのが一番のネック。劇場公開は10月21日までだし、BD版も月末に発売するとはいえ5,000円もする(私は興奮して劇場限定の修正作画集付きBD(7,000円)を買ってしまったが……)。

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今作で人気が再燃して、ゆくゆくは吉浦監督による長編を!という夢を見たいので、どうか他の『アニメ(ーター)見本市』作品同様に期間限定WEB配信などの観賞手段が増えることで、今作の観賞者が、ファンが、増えるのを祈るばかりである。過去作を好きだった人にはもちろん、今までシリーズ作品に触れたことがないような人にも絶対に刺さる、極上のエンタメ作品なのだから。


「機動警察パトレイバーREBOOT」上映開始記念PV

 

2016年秋アニメを50本見たので格付けするよ

2016秋にスタートした77本ある新作アニメのうち50本を見たので格付けしてみました(まだ6割ですが……)。あくまで「個人的な」「1話目を見ただけの」評価なので、見る人によっても、2話以降の展開によっても評価は変わる可能性が大いにあるものとして頂きたいですが、今からでも秋アニメに追いつきたい人の参考になれば。

 

S(神ってる)

ユーリ!!! on ICE

 

A(超良い)

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 2nd season、響け!ユーフォニアム2、Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-

 

B(良い)

信長の忍びろんぐらいだぁす!3月のライオン、ブレイブウィッチーズ、夏目友人帳 伍、亜人 第2クール、終末のイゼッタ

 

C(そこそこ良い)

ブブキ・ブランキ 星の巨人、WWW.WORKING!!SHOW BY ROCK!!第2期、装神少女まとい、魔法少女なんてもういいですから。セカンドシーズン、あにトレ!!XX、フリップフラッパーズ、ガーリッシュ ナンバー、月曜日のたわわ、灼熱の卓球娘てーきゅう 8期

 

D(悪くないけど2話目以降は見ないか)

デジモンユニバース アプリモンスターズ、タイムボカン24魔法少女育成計画タイガーマスクW、モンスターハンター ストーリーズ RIDE ON、ステラのまほう私がモテてどうすんだドリフターズうどんの国の金色毛鞠文豪ストレイドッグス 第2期、競女!!!!!!!!ALL OUT!!、Lostorage incited WIXOSS、ViVid Strike!

 

E(微妙)

アイドルメモリーズ、TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-、ナゾトキネ、奇異太郎少年の妖怪絵日記ナンバカ、bloodivores

 

X(判断不能)

12歳。~ちっちゃなムネのトキメキ~ セカンドシーズン、ヘボット!、ドリフェス!、うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEレジェンドスター、マジきゅんっ!ルネッサンス、刀剣乱舞-花丸-

 

Z(酷い)

学園ハンサム、美少女遊戯ユニットクレーンゲール ギャラクシー、アニメちゃんに会える国

 

まとめ

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『ユーリ!!! on ICE』がかなり面白いです。夢破れて帰国したプロスケーター・ユーリ君が再起する物語。山本沙代監督ならではのキレのあるアクションと、久保ミツロウ先生らしい緩急豊かなストーリーテリングが素晴らしい科学反応を起こしています。特に終盤のアイススケートアニメーションは、瞬きを忘れるほど見事なものでした。

毎週水曜深夜26時21分からの放送は先週から始まったばかりですし、1話目はまだ無料で見られます。追いつくなら今。


「History Maker」 DEAN FUJIOKA<TVアニメ「ユーリ!!! on ICE」オープニングテーマ>

ch.nicovideo.jp

www.tv-asahi.co.jp

※他にAmazonビデオ、U-NEXT、Gyaoとか諸々でも配信中です。

『君の名は。』の作画監督にジブリ経験者が多いこととスタジオジブリ制作部解散は関係ない(がジブリ出身者は多い)

君の名は。』の興行収入が128億円となり『風立ちぬ』の記録を超えました! 凄いですね。公開直後に書いたエントリでは100億超えるかどうか、と書いたのに予想を超えるスピードで記録を更新しています。再来週には『ポニョ』を超えるでしょうし、もしかすると11月中にも200億の大台が見えるのでは、と見込んでいます。

 

さて今回は「君の名は」と「ジブリのリストラ事件」の微妙な関係:というエントリについて。はてブで見かけたこの記事ですが、見当違いのことばかり書いてありうんざりしてしまいました。間違った見識が広がるのが嫌なので、あんまりこういうのは好きではないのですが逆張り記事を書いてみたいと思います。

 

上記エントリでは映画『君の名は。』にスタジオジブリ作画監督としてクレジットされた方が多く参加していることから始まり、原画にもそのような方が多く、ひいてはジブリ制作部が解散により人材流動が起こっている、という論旨です。

ですがまず挙げられている作画監督の3人、「安藤雅司」はスタジオジブリ出身であるもののとっくの昔にフリーになってますし、「井上鋭」はサンリオ出身で現在フリー、「黄瀬和哉」はProduction I.G.の取締役です。ジブリ制作部解散とは一切関係ありません。前提条件が無茶苦茶です。

本作の作画監督や原画にスタジオジブリ作品常連の方が多くクレジットされているように見えるのは、昔からスタジオジブリ作品にはフリーのスーパーアニメーターが多数参加しており、今回もジブリと同じく東宝の夏の大作映画だからそういった方たちが招集されたからでしょう。今夏は他に細田守映画も押井守映画もNARUTOエヴァもないことですし。

とはいえ作画担当の方となると、全員のアニメ参加履歴を見てみないと制作部解散後にフリーになったジブリ出身の方が多いのか少ないのか判断がつかない、と思い下記一覧を作ってみました。

※WEB上の情報から類推して作成している部分が多いため事実と異なる部分があるかもしれませんがご了承願います。「常連」は最近の作品から勝手にカテゴライズしたものです。「未分類」は参加作品が少ないか、多くても傾向を掴めなかった方です。また敬称略しています。

 

君の名は。』作画スタッフの皆様

ジブリ出身フリーアニメーター

 安藤雅司、大橋実

ジブリ出身フリーアニメーター(ジブリ制作部解散後にフリー)

 廣田俊輔、稲村武志、田中敦子、賀川愛、松尾真理子、河原奈緒子、土屋亮介

・大作アニメ常連フリーアニメーター

 井上鋭、濱洲英喜、松本憲生橋本敬史、本間晃、箕輪博子、沖浦啓之スタジオカラー所属かも?)

新海誠作品常連フリーアニメーター

 土屋堅一、西村貴世、田澤潮、四宮義俊、岸野美智、岩崎たいすけ

・A-1常連フリーアニメーター

 田中将賀錦織敦史谷口淳一郎千葉崇洋、末冨慎治、奥野治男、落合瞳、五反孝幸、下妻日紗子

・I.G.常連フリーアニメーター

 中村悟

・WIT常連フリーアニメーター

 千葉崇明

ボンズ常連フリーアニメーター

 竹内旭、松永絵美

マッドハウス常連フリーアニメーター

 大舘康二

・I.G.所属アニメーター

 黄瀬和哉

・シャフト所属アニメーター

 龍輪直征

ぴえろ所属アニメーター

 小林直樹

・スタジオコロリド所属アニメーター

 水野良

・未分類

 高士亜衣、古川直哉、松村祐香、、荒木裕、渡辺裕二、齋藤直子、山本早苗、竹内一義、太田衣美、竹縄利名、福田さちこ、春日広子、小西紗希、滝本祥子

 

こうして見ると、様々な参加傾向、あるいは各スタジオ所属のアニメーターが参加していること、そしてジブリ制作部解散後にフリーになった方が実際に多く参加していることがわかりました。『思い出のマーニー』も手掛けた安藤雅司氏が作画監督を務めるということで、解散後のメンバーがつてを辿って多数参加した、ということなのかもしれません。ちなみにA-1常連の方が多いのも気になりますが、ここにはキャラクターデザイナー田中将賀氏の人脈を強く感じます。

 

というわけで『君の名は。』の作画監督ジブリ経験者が多いことと、スタジオジブリ制作部解散は全く関係性がありませんが、ジブリ出身者が多いのは事実ではあるし、そこには制作部解散の影響が少なからずあったのかもしれないね、という反論でした。

2016年秋アニメはこれを見ろ!

季節の変わり目はアニメの変わり目とはよく言ったもので、すっかり新番組の季節です。皆さん前クールのアニメ消化は終わりましたか? 私は『モブサイコ100』『Re:ゼロから始める異世界生活』が大のお気に入りになりました。『マクロスΔ』は何がしたかったのでしょうか。マユ毛総監督はもう駄目かもしれません。

というわけで個人的に注目している2016年秋の新番組を紹介します。全作品を知りたいという方はGIGAZINEの新作アニメ一覧でも見ればいいと思います。

 

  • ユーリ!!! on ICE

yurionice.com

LUPIN the Third -峰不二子という女-』以来4年ぶりとなる山本沙代監督の新作アニメ。原案、キャラ原案が『モテキ』の久保ミツロウ先生、キャラクターデザインはスタジオカラー所属の平松禎史氏ということで面白い科学反応が期待できるのでは。フィギュアスケートを題材にしたアニメというのも史上初めてのこと銀盤カレイドスコープ』以来。

なお製作のMAPPAが手がける11月公開の映画『この世界の片隅に』も期待大です。


TVアニメ「ユーリ!!! on ICE」PV

 

  • フリップフラッパーズ

www.flipflappers.com

『スペースダンディ』での目覚ましい活躍が記憶に新しいスーパーアニメーター押山清高氏の初監督作品。

製作のStudio 3Hzはは規格外の高水準アニメとなった『Dimension W』を手掛けた注目の新興スタジオ。今期面白い"アニメーション"が見たいなら、絶対に外せない作品になる、はずでしょう。


フリップフラッパーズ 第二弾PV

 

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あとはシリーズもので『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(2期)』『響け!ユーフォニアム2』『SHOW BY ROCK!!#』『WWW.WORKING!!』『ブレイブウィッチーズ』『夏目友人帳 伍』『てーきゅう 8期』『亜人(2期)』あたりが楽しみであります。以上!

Line Wabblerに胸打たれてVRの未来に想いを馳せる東京ゲームショウ2016レポート

今年も行ってまいりました東京ゲームショウ

楽しみにしていた『ペルソナ5』は無事発売され、『トリコ』『FF15』は発売秒読みなので特に期待する新情報もなく、さりとてRiftを購入してしまった身としてはVR関連はもはや目新しくもなく……と期待値低めで行ってみたら、例年になく楽しい出会いばかりで最高のゲームショウでした。

それもこれも『Line Wabbler』と出会えたことと、日々進歩し続けるVRデバイスの最先端に触れられたからなのですが。その辺りを中心に面白かったブースをレポしたいと思います。

 

  • Line Wabbler

1番の驚きが謎の1Dゲーム『Line Wabbler』との出会いでした。見てくださいこの圧倒的なビジュアルを!

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モニターばかり並ぶインディーゲームブースに燦然と輝くLEDの柱は一種神々しささえ宿っているようでした。このゲームはドイツ人のRobin Baumgarten氏によるもので、配布されていたポストカードの説明書き曰く以下のとおり。

実験的なハードウェアを使った1Dゲーム:アルドゥイーノ+ばね+加速度センサー+5メートルのLEDストリップ

なんのこっちゃという感じですが、ようは手元のスティックを操作して、緑色に光る自機をゴールに導くステージクリア方1次元アクションゲームです。ゲーム中の様子はこんな感じ。

youtu.be

操作は至ってシンプルで、スティックを前後に倒すと前進後退、スティックを横に弾くと自機を中心に攻撃するというもの。LED管内を這う赤い敵、オレンジのダメージ床、白い移動床の組み合わせでステージは多岐に渡り、1度のダメージで死亡する難易度の高さと相まって常に緊張感を保ってプレイすることができました。1Dなのに、ちゃんと「マリオ」しています。ゲームは2Dから3D、立体視を経てVRに辿り着いたというのに、このストイックなスタイルにはゲームの根源を見るような感動を覚えました。そうです、これこそがゲームのあるべき形なんですよ!

ゲームの面白さを証明するようにセンス・オブ・ワンダーナイトでは3冠を達成されたとのことですし、自分がブースに寄った際にはあるゲームクリエイターが大興奮しながらプレイしていました。グラスホッパー・マニュファクチュア社長の須田剛一さんです。

鮮烈なゲームであるもののソフトとしての配信が不可能なゲームなので、こういった人たちの助力で製品化にこぎつけることを願って止みません。延長可能なLEDチューブにステージ生成ソフトをセットでパッケージングとかどうでしょう、Robinさん、須田さん!

 

  • VR関連いろいろ

言いたいことはおおむね書き尽くしたのであとは駆け足で。

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入場してすぐに向かったのがキンプリVRことKING OF PRISM by PrettyRhythm」VRプロジェクトのブース。すごかったです無限ハグ。ただ見るだけ、遊ぶだけというのではなく、作品世界に没入できる体験というのはVRならではだなーと思いました。

 

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3DRUDDERはVRゲーム内での移動を解消すべく開発された足用コントローラ。円盤の傾き具合で前後左右旋回上昇下降がスムーズにできました。コントローラのスティック操作よりも慣れればこっちの方が全然良い、かも。数分間のプレイでは操作に手間取ってばかりでしたが。

 

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Oculus Rift、HTC Vive、PSVRに続く期待のヘッドマウントディスプレイFOVEをはじめてプレイ。視線で展開が変わるというアドベンチャーゲームjudgement』を遊んでみたのですが……FOVEをかぶる段になって、メガネを装備しているとかぶれないことが発覚。メガネ者の私にこれは痛恨の一撃。ゲーム中はやはりピントが合わずボケボケの世界となってしまい、自分が何を見てどうして展開に影響したのかさっぱりわからないまま終わってしまいました。

ブースの方に聞いてみたところ視線をトラッキングする関係でメガネを装備できないとのこと。どうにかメガネ者にも対応してもらえるよう、改善に期待します。

 

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プレイできなかったけど楽しそうだったFUTURETOWN。非常に広いブースを使って、乗馬型やスキー型の大型コントローラとVRの連動ゲームを展開していました。今回はこれまでのゲームショウと違って、世界中の大資本がVRで一山あてようと趣向を凝らして出展している気がしました。

 

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DLODLO V1も試してみたかったですが長蛇の列。やはりメガネ者には厳しいのでしょうか。

 

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Rez infiniteの特製スーツやばいかっこいい……。整理券を入手できれば着ることができたようです。今後も着られる機会があるといいのですが。来月のゲームの発売も楽しみです。

 

  • イベントいろいろ

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東京ゲームショウといえば小島秀夫監督の演説。毎年楽しみにしていたステージが2年ぶりに帰ってきました。コナミdisりが冴え渡っておりヒヤヒヤものでした。新作ゲームの発売を座して待ちたいと思います。

 

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東京ゲームショウ閉会後になりますが、近隣のイオンモール幕張で幕張にゲーム好き声優がやってきた~青木瑠璃子編~というお笑いステージも見てきました。これは東京ゲームショウの公式生放送にも連日出演されていた青木瑠璃子さんとゲームが得意な若手芸人(アイロンヘッド、西澤祐太郎、伊藤広大)がゲーム対決をするというもの。司会は向天津さん。

ラジオ番組を欠かさず聞くほどには彼女のことが好きなのでそこだけを見に行ったつもりでしたが、青木瑠璃子さんの煽り芸とお笑い芸人が科学反応を起こして90分間爆笑の渦でした。対戦したゲームは芸人さん側の得意ゲームということで選ばれた『ウルトラストリートファイター4』、『スーパーマリオブラザーズ』、『スプラトゥーン』、『キャット&チョコレート 日常編』、『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』。新旧・デジアナ交えた多岐に渡るバリエーション。勝ち負け様々でしたが難なくこなす青木瑠璃子さんは流石のゲーマー声優っぷりを見せつけていました。

東京ゲームショウでは最新のゲームばかり追っていましたが、ゲームの楽しさを思い出させてくれる素敵なステージでした。ゲームってこんないじり方もあるのか、というかよしもとって面白いんだな、という発見がありました。

 

  • まとめ

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というわけでゲームショウのレポートでした。大手ブースは軒並み活気づき、インディー&VRブースも異様な熱気がある、いつになく盛況な印象でした。キャバクラゲームショウな一面があることも事実ですが(写真右下……)、大手ブース以外を狙って歩くといろんなゲームとの出会い、気づきがあって楽しいですよ。

それではまた来年のゲームショウで。